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社会

日本語は特殊ではない

朝日新聞6月6日夕刊「ニッポン人脈記。日本語の海へ」から。
世界130言語を比べて、日本語は特殊な言語ではないのだそうです。例えば「私は本を読む」のように、主語・目的語・動詞の順になっているのは57言語。「I read a book」のように、主語・動詞・目的語の順は51言語で、ほぼ同じ。疑問文の場合、動詞と主語を倒置するのは、英語、ドイツ語、フランス語など11言語で、英語の方が変わっている。
日本語は珍しい特徴はないのに、日本語は特殊だといわれる。それは、「西欧を標準と見て、世界の他の言語とは比べなかった。日本語特殊説は、自分たちは特別という民族中心主義です」(角田太作先生)。

日本の未来

経団連の研究機関である「21世紀政策研究所」が、2050年までの長期経済予測を発表しました。それによると、日本の総人口は9,700万人まで減り、経済規模は世界第4位、悲観シナリオでは9位になります。
また、総務省は、2011年10月の人口推計を発表しました。1年間で、26万人の減です。自然減が18万人、出入国の差が8万人で、うち外国人が5万人減っています。

日本男児の引っ込み思案

3月22日の朝日新聞オピニオン欄「秋入学は日本を救うか」、志賀俊之・日産自動車最高執行責任者の発言から。
・・就職内定者の懇談会で、私のテーブルに最初に集まってくるのは、外国籍の人か日本人の女性です。10秒でいいから自分をアピールしたい、と。一方、日本人男性の多くは隅っこの方で固まっています・・・
中国や韓国、インドの若者は「私はこういうことをやりたい。やらせてくれるのか」と迫ってきます。目標が明確で、達成のためには努力を惜しみません。新興国の勢いの源は、そこにあるのです・・

過信による失敗

3月14日の朝日新聞オピニオン欄「がんばれソニー」、ピーター・バラカンさん(ラジオのディスクジョッキー)の発言から。
・・ソニーの衰退を決定的に示しているのが、インターネットの時代に、素早く対応できなかったことだと思います。アップルのスティーブ・ジョブズが、携帯デジタルプレーヤー「iPod」とネット音楽配信事業「iTunes」で、ネット時代の音楽の聴き方を提示して見せた。ソニーのウォークマンの市場を一気に奪いました。
一方、ソニーは90年代に発表したミニディスク(MD)の普及に成功しました。メディアの技術革新は進んだが、ネットへの対応がうまくいきませんでした・・自社で開発したMDを否定したくない、と思っていたのかもしれません・・
ネットと消費者指向への遅れは、日本の製造業に共通した病気です。「日本はものづくりに秀でている」という過信が招いたのではないかと思います。私の母国、英国は50~60年代に植民地が次々に独立し、70~80年代に大きく落ち込みました。ただの小さな島国になってしまったのに、まだ実力があると勘違いして没落しました。日本の製造業の現状が、かつての英国の姿に重なります・・

日本的経営の強み

先日22日の「弱み」に対して、今日は、日本的経営の「強み」を。3月19日の読売新聞「一家言」、小池和男法政大学名誉教授の発言から。
・・日本の貿易収支が赤字となり、「ものづくり大国」の将来に不安が持たれているが、私はそれほど心配していない。
高賃金の先進国の企業が海外に工場を移していくのは自然な流れで、イギリスなどの欧米企業は、海外直接投資を増やし、海外に工場を建設したりサービスを展開したりして、そこで稼いだお金を国内に環流している。日本も海外での稼ぎを国内に持ち込み、国内経済を支えていくしかない・・
工場が海外移転しても、現地に技能を伝える日本人は必要になるから、全ての工場や店舗が海外に移ることにはならない。むしろ外国人を指導できる日本人人材の需要は、これからますます増すだろう。
問題は日本企業が海外で他国企業に勝てるかどうかだが、日本企業には強みがある。「職場の中堅層」を生かす現場が、海外工場でも実現していることだ。日本企業には、非エリートの「庶民」からなる職場の中堅層が積極的に発言し、生産工程を改善したり、商品の形状を変更したりして、高品質を作り出していく伝統がある・・欧米企業は、日本企業ほど現地の「庶民」を活用できていない。
ただし、「発言できる」だけの技能のある中堅層を育てるには、長い時間が要る・・グローバル化が進んでも、現在の金融資本主義のように短期的収益に振り回されるのではなく、産業やサービスの長期低な発展を重視する経済社会の構築が求められる・・