カテゴリーアーカイブ:社会

ミスりんごはなぜ終了するのか

2026年10月13日   岡本全勝

「自治体のツボ」、10月9日は「ミスりんごはなぜ終了するのか」でした。
かつて「ミス××」は流行りましたが、もう男女共同参画の時代に合わなくなりました。ミスりんごも、そのような理由だと思っていたのですが。この記事を読むと、背景にはもっといろんな理由があるようです。

・・・③ゆるキャラという強力なライバルの出現。地方振興の旗振り役としてひっぱりダコなのはこちら。女の子をベタベタ触るわけにはいかないが、ゆるキャラならちょっと倒したところでさして問題にならない。その人気は軽く県をも超える。

最後は背景⑤人口減社会。そもそも地元にとどまって地域のアピールをしたがる若い女性、相当探さないと見つからない。みんな長じたら都市へ行く。応募者も減り、この中から選ぶのは困難、となった可能性はある・・・

ところで、「ミスター××」という言葉もあります。ところが、ミスター××とミス××は対応していません。私は長く復興に携わったので「ミスター復興」という異名もいただいたのですが、もし私が女性だったら「ミス復興」と呼ばれたのでしょうか。ちょっと違いますよね。

ピンクのシャツを着たら「目立ってはいけない」

2026年10月13日   岡本全勝

日経新聞夕刊「人間発見」、10月5日の週は、高橋秀仁・レゾナック・ホールディングス社長でした。10月6日の「アジアで経営者の夢抱く」に、次のような話が載っていました。

・・・1986年に三菱銀行に入行した早々、気骨のある先輩に感銘を受ける。
私は人と同じがイヤで、新人研修にピンクのボタンダウンシャツで臨みました。同じグループの20人は全員白のワイシャツだったと思います。そこでメンターをつとめていた先輩が人事部に呼ばれて、「1人だけ目立つのはよくない」と小言をいわれました。銀行の人事部というのは重箱の隅をつつきたがります。
ところが、その先輩が硬骨漢で、「分かりました。明日から全員にピンクのシャツを着せます」と返したそうです。10歳ぐらい上の人でしたが、すごい人がいるな、と素直に驚きました・・・

1986年は昭和61年です。銀行も公務員と同じく、いやそれ以上に「お堅い職場」でした。
私は1990年代半ばに、クレリックシャツ(襟と袖口が白で身頃は色つき。この言葉は日本語です)を着たら、職場で変に思われました。色つきのシャツも珍しい時代です。後に、紺のスーツをやめて、上下そろいでない服を着たら、いろんな人から指摘を受けました。「どうしたの」と。「いや~貧乏で、上下を揃えられなかったのです」と言っていました。スーツより高かったのですが。
クールビズは今世紀に入ってからです。

単身世帯4割

2026年10月12日   岡本全勝

9月30日の日経新聞に「単身世帯が初の4割超え おひとりさま時代、社会保障や企業の対応遅れ」が載っていました。
1世帯当たり2.1人です。かつて20~30年ほど前に講演会で、「平均2.5人ですが、そんな世帯があるのではなく、1人世帯と4人世帯が多く、その平均が2.5人になっています」と話していたことを思い出しました。

・・・総務省が29日公表した2025年の国勢調査の基本集計によると、単身世帯の割合は41.4%と初めて4割を超えた。一人暮らしが社会の中心となる流れに社会保障制度の改革や企業の対応は追いつけていない。

世帯数は前回20年調査から149万4465世帯増え、5732万4619世帯だった。比較可能な1970年調査以降で過去最多を更新した。1世帯あたりの人員は2.10人と最少になった。都道府県別で最少の東京都は0.07人減って1.85人だった。北海道が1.94人、大阪府が1.99人と2人を割った。
世帯構造の変化は一人暮らしの増加が主因だ。単身世帯は253万7982世帯増の2368万9024世帯に達した。特に増えたのが65歳以上の高齢者で、単身世帯の34.4%を占めた。男性は24.6%、女性は44.7%が65歳以上だった。
価値観が多様になり、結婚しない人も増えている。配偶者がいる割合は53.3%と1.9ポイント下落した。1920年の国勢調査開始以降で最低となった。未婚率は男性が1.7ポイント上昇の36.3%、女性が1.5ポイント上昇の26.4%だった。

日本の社会保障制度はもっぱら男性が稼いで妻子を養う「標準世帯」を前提としてきた。高度経済成長期にはこうした家庭が主流だった。現在は異なる。夫婦と子がいる世帯の割合は1985年に40.0%だった。25年は23.3%に下がった。
旧来の制度は現実に合わなくなってきている。会社員や公務員が扶養する配偶者が保険料を負担しなくても年金を受け取れる「第3号被保険者制度」が典型例だ。同じ世帯年収で同じ保険料を支払っても、単身だと夫婦の世帯に比べ年金の受取額が少なくなり、不公平との声がある。
所得税などが一部減免される配偶者控除も独身は対象外だ。民間企業でも家族がいる社員への支援策に比べ、独身向けの福利厚生を手厚くする機運はまだ乏しい・・・

人工知能があなたのすべてを見ている

2026年10月5日   岡本全勝

9月24日の朝日新聞に「私の全部、見透かされてる? AIとの対話から資産、趣味、心の内側までも」が載っていました。他人には言わないこと、家族にも言わないことを、機械には入力してしまいます。「資産運用の見直しを相談したり、不動産購入の契約書をチェックしてもらったりした時だ。子どもの年齢も、旅行先のホテル探しを頼んだ際に伝えていた」とあります。すると・・・。

・・・日本人の約半数が利用したことがあるといわれる生成AI(人工知能)。ふと気がつけば、仕事や人間関係、健康上の悩みまで相談できる「心の友」と化している。「友」は私が何に悩み、何を好み、どんな価値観を持っているか熟知しているかのようだ。だが待てよ。AIが知っているということは、その向こうのAI企業にも知られているってことでは? 何を知っているのか、AIで探ってみた。

実験に協力してくれたのは、データ保護のためのサービスを開発している株式会社データサイン社長、太田祐一さんだ。
太田さんは、グーグルのジェミニを使い始めた昨年8月31日から約1年間のチャット履歴をダウンロード。これをオープンAIのChatGPT(チャットGPT)に読み込ませ、会話の人物像をプロファイリングさせた。データ量は96MB。文字にして新書約320冊分に上った。

「うわー。全部、当たってる」。結果を見た太田さんは苦笑いした。
チャットGPTが言い当てたのは、氏名、住所、年齢、両親や妻の氏名、子どもの年齢、年収、資産、よく使うホテルに趣味。健康の悩みまで当てている。
「これだけの情報があれば、僕を詐欺にひっかけるのは簡単だな」と太田さん。だが、チャット履歴を見直すと、ほとんどは自ら入力した内容だった。
資産運用の見直しを相談したり、不動産購入の契約書をチェックしてもらったりした時だ。子どもの年齢も、旅行先のホテル探しを頼んだ際に伝えていた。
「予想以上にたくさんの情報を入れちゃってましたね」と、恥ずかしそうに頭をかく太田さん。「生成AIには、検索とは比較にならないほど大量の機微に触れる情報を渡しがちだ」と分析する・・・

日本人の内向き化、統計での裏付け

2026年9月28日   岡本全勝

9月22日の朝日新聞に「日本人の「内向き化」に裏付け 年齢に限らず、経済停滞など影響か 青学大」が載っていました。なるほど。

・・・若者の海外留学や海外赴任の減少、職場でコミュニケーションをとりたがらない姿勢――。日本人は以前より内向きになっていると近年懸念されているが、本当にそうなのか。
青山学院大学の研究グループが2010~21年に実施された性格特性の調査を集めて分析したところ、活動的で社交的さを示す「外向性」が男女いずれも年々低下傾向にあることが確認された。「日本だけ国際的に特異な可能性も考えられる」という。研究成果が専門誌に掲載された。

研究グループは、性格分析での5大要素の一つの「外向性」に着目。国際的な指標を使い、2010~21年に実施され、日本人計4万8905人について外向性を1~7点(真ん中が4点)で評価した48研究(75データ)を、年齢や性別を考慮しながら分析した。
その結果、10年以降、外向性の平均値は年々低下。例えば10~15年は平均4・05点で、16~21年は同3・82点と、「内向き化」が裏付けられた。新型コロナウイルス感染が流行する前の19年まででみても同じ傾向がみられた。
10~21年でみると、女性の外向性は平均4・07点で男性(3・80点)より高いが、性別によらずこの10年ほどで同じように低下していることがわかった。海外では年齢が上がるほど外向性は低下する傾向がみられるが、日本では年齢の影響はみられなかった。

一方、欧米や中国では調査年の違いはあるが、すべての国で外向性は年々上昇している。なぜ日本だけが低下しているのか。
研究グループのメンバーで、現在は東京大大学院生の秋元涼之介さんによると、経済的な要因が候補の一つとして考えられる。中国では1人当たりのGDP成長率が高い地域ほど外向性の上昇率が高い。一方、日本は「失われた30年」などと指摘されてきた。
心理学的な要因も考えられる。日本では個人主義の傾向が年々高まっているが、もともと日本に存在していた集団主義と相いれず、その結果、欧米とは異なり「他人との関係を断つ個人主義」が広まっていると指摘されているという。
また、SNSの普及も考えられ、外向性が高い人がSNSを使うと外向性がより高まるが、低い人がSNSを使うとより低くなるという報告があるという・・・