「生き方」カテゴリーアーカイブ

生き様-生き方

必要な新しい技能

5月2日の朝日新聞オピニオン欄「リスキリングの圧」、小島慶子さんの発言「自ら家事するスキルが先」から。

・・・私は、いま日本社会に「家事を自分でする」というスキルが欠けていると思っています。家事ができなければ衛生を保てず、おなかもすきます。それでは元気に働けません。家事や育児を私的な雑用とみなし、仕事よりも価値が低いとする考え方が今も根強い。特に男性は、母親や妻がやってくれるものと思いがちです。この発想を捨てなければ日本は変わりません。
加えて、「他者のケアをする」というスキルも大切です。ケアには自身の育児や身内の介護だけでなく、病気や障害のある人と共に働く、子育て世帯を社会で支えるなど、様々な形があります。人には支えが必要で、そのための仕組みが必要だという合意形成が重要です・・・

馮道

馮道って、知っていますか。「ふうどう」と読みます。中国の五代十国時代の政治家です。882年生まれ、954年死去。唐の後の時代と言った方が、わかりやすいですかね。日本では、平安時代です。

五代十国時代はその名の通り、唐の衰退後70年ほどの間に、支配者が次々と入れ替わりました。馮道は王朝が交代しても常に高位の地位で、それら王朝に仕えたのです。五朝八姓十一君に仕えたとして、有名です。
その行動から、大いに評価されるとともに、他方で売国奴や変節漢と呼ばれることもあります。王朝が交代すると殺されるのが常の時代に、生き延びるだけでも大変なことです。いずれにしても、大したものです。礪波護『馮道 乱世の宰相』(中公文庫、1988年)があります。
肝冷斎には、出てきませんかね。

私はそんな高官ではありませんが、自民党と民主党、さらには社会党の大臣や総理に仕えました。官僚の身分が守られる(左遷されることはあるようですが)時代でよかったです。「間近で見た平成の政権交代
この記事はそんなことを考えながら、数年前に書いたまま放ってあったのです。発見されたので、載せます。

追記
と書いたら、肝冷斎「救時拯物」で、取り上げられました。

使えば減るもの、増えるもの

ナゾナゾのようですが。
使えば減るものは、わかりやすいですよね。時間、お金、体力・・・。

では、使えば使うほど増えるものは何か。借金ではありませんよ。
体力も1日で考えると、使うほど疲れて減りますが、長期では訓練を積むと増えます。
頭脳も、鍛えるほどよくなります。それどころか、体力も知能も、使わないと劣化します。

修行が足りない

先日のことです。ある施設に行く用事があって、建物の1階でエレベーターに乗りました。後ろから若い女性が来たので、扉を開けて乗るのを待ちました。3階についたら、彼女は先に降りて、さっさと受付へ進み、窓口で手続きを始めました。私は仕方ないので、距離を空けて待ちました。

釈然としませんでしたが、我慢しました。若い頃なら、「あんた、私の方が先やで」と怒ったでしょう。その代わり、「この女性は、生きていきにくいだろうなあ」と同情しました。そのような教育を、受けてこなかったのでしょうか。

私の方は、我慢することまでは修行ができましたが、まだ内心で釈然としないところは修行が足りません。

がんは治る、ピンピンコロリ型の病気

2月1日の日経新聞夕刊、中川恵一・東京大学特任教授の連載「がん社会を診る」は、「病院嫌いにも、検診のすすめ」でした。
かつては、がんは怖い病気でしたが、大きく変わりました。

・・・がんによる死の最大の特徴は「死が予見される」こと。治らないとわかっても、年単位の猶予があり、比較的長い間、身体の機能は保たれ、最後の数週くらいで急速に悪化する経過をとります。つまり、痛みなどの症状をとって、うまくつきあえば、がんも「ピンピンコロリ型」の病気になるわけです・・・

・・・がんの場合、わずかでも症状が出たら、ほとんどの場合、進行がんか末期がんです。だからこそ、がん検診を受けて、無症状のうちに早期発見することが大切なのです。早期発見できれば、がんの95%近くは治ります・・・