新聞に紹介されていたので、『「過情報」の整理学 – 見極める力を鍛える』(2012年、中公選書)を読みました。それについての感想は別に書くとして、そこに、IBMの社員がブログを書く際のガイドライン(決まり)が紹介されていました「ソーシャル・コンピューティングのガイドライン」。ガイドラインには、次のような記述があります。
・ブログ、ソーシャル・メディアまたはその他のユーザー参加型メディアにおいて、自分が掲載した内容に個人的に責任を持ちます。あなたが書いたものが長期間公開されることになることに留意し、自身のプライバシー保護に努めると共に、ルールを守ってサービスを利用してください。
・IBMやIBMに関連した事柄(製品やサービスなど)について書く際には、身元(氏名、必要に応じてIBMでの職務)を明らかにしてください。人称は一人称を使います。書かれたことは、自分の個人的見解でありIBMの意見を代弁するものではないことを明確にしてください。
・承認を得ずにお客様、パートナー、サプライヤーを引き合いに出したり、言及したりしてはいけません。また言及する場合においては、ソースへのリンクを張ってください。憶測を呼び、その結果お客様を困惑させる、あるいは損害を生じさせるような情報を公表してはなりません。
・喧嘩を仕掛けてはいけません。自分の間違いがあればいち早く訂正しましょう・・
これからは、このようなルールやマナーを、学校の国語の授業で教える必要がありますね。手紙の書き方と同じように。
また、その中でも引用されていますが、社員が遵守すべき行動基準を、「ビジネス・コンダクト・ガイドライン」として公開しています。官庁でも国家公務員法、倫理規定など、さまざまな「決まり」があります。いろんな機会に研修がありますが、新入生・途中採用者だけでなく、全体を統一的に教えてもらっていない職員が大半なので、全体がわかる統一的な資料と研修が必要でしょう。
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生き様-知的生産の技術
今どきの日本語
今日、NHKニュースで、次のような表現を見つけました。「バック前進繰り返す」です。「前進と後退」とは言わず、また「バックとフォワード」とも言わないのですね。
画面の文章は読みにくい
私は、パソコンの画面で文章を読むのが嫌いで、少し長めのメールやページは、紙に印刷して読んでいます(もったいないので、使用済みの片面印刷の紙の裏を使っています)。
画面では読みにくいのは、ディスプレイと紙との違いだけでは無さそうです。酒井邦嘉著『脳を創る読書』(2011年、実業之日本社)が、参考になりました。表題につられて買ったのですが、内容は副題にある「なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか」でした。「なぜ画面上では見落とした誤字が紙の上では見つかるのか」「それでも「電子」より「紙」の辞書の方が便利」「紙の本にはどんな強みがあるか」という見出しを見ると、想像していただけるでしょう。
スクロールを続け、どこまで行ったら終わるかわからない、今どのあたりを読んでいるかわからない書類は、困りものです。
パワーポイントが嫌いなことは、かつて書きました(2011年11月6日)。もっともパワーポイントは、紙に印刷しても嫌いです。
ウィキペディアの迅速さ
インターネットの威力の一つに、ウィキペディアがあります。私も、活用させてもらっています。今日、たまたま別のことを調べていて、「復興庁」に至りました。なんと、もう載っていました。さらに、「統括官」の項にも、復興庁の例が出ています。大したものです。ウィキペディアに協力して、記事を書いている人がおられるのですね。しかも、内容はかなり詳しくかつ正確です。
ところで、私の子どもの頃は、各家庭には百科事典がありました。有名なところでは、平凡社の世界大百科事典でしょうか。知識の倉庫であり、ステイタスを備えた「家具」でもありました。情報の少ない村の小学生は、ページをめくり、見知らぬ世界を知ったものです。それは「宝箱」でした。
日本語表記の難しさ
毎日、文章を書いていて、句読点の打ち方に悩むことがあります。
例えば、今書いたばかりの「毎日、文章を書いて・・」です。点を打たずに「毎日文章を書いて・・」では、わかりにくくなりますが、意味は通じるでしょう。では「毎日、新聞を読んで・・」では、どうでしょうか。「毎日新聞を読んで・・」では、違う意味に取られることがあります。
「今」や「・・の場合」「・・の後」といった漢字のみの修飾語や単語が、くせ者です。その次に漢字が続くと、次に来る漢字とつながって、2つの語が1語に読まれる恐れがあるのです。次の語がひらがなで始まる場合は、その恐れはありません。「今」は、「今は」にすると、次に漢字の単語が来ても、つながって読まれる心配はありません。「・・の場合」は「・・の場合には」とします。
「五月、雨が降る」と「五月雨が降る」「五月に雨が降る」という例を、挙げておきましょう。五月雨では、「さみだれ」になってしまいます。
助詞のひらがながつかない場合が、読みにくくなります。英語や分かち書きは、単語がつながらないので、こんなことはないのでしょう。
もっとも、ドイツ語を翻訳した文章では、単語をそのまま漢字に移し替えた場合があって、理解しにくいものがあります。名詞がつながった複合名詞です。例えば、「存在非拘束性」。大学時代に、難儀しました(笑い)。どう見ても、日本語ではないですよね。漢文では、漢字が連なるので、どこで区切るかは、もっと難しいです。
私はこのホームページを書く際に、この注意も含めて、句読点を多用するようにしています。画面では、文字が続くと、読みにくいですから。
出版社の編集者さんは、毎日、このようなことに(毎日このようなことに)、注意を払っておられるのでしょうね。