12月1日から、国家公務員倫理週間が始まりました。昔も12月と1月は飲み会が多いので、規律保持の通達が出ました。さらに、20年ほど前から、公務員の不祥事が続いて、公務員倫理法が制定されました。職員用教材には、当時の事例がいくつか紹介されています。若い人たちは、具体事例を知らないでしょうね。
復興庁でも、全職員に、自己点検とe-ラーニングを義務づけています。私も取り組みました。判断に迷ったら、厳しい方を選択することです。そして、疑問があったら、担当職員に聞くことが一番安全です。少しの気の緩みで、給料や退職金が飛んでしまうのは、ばからしいです。
カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座
生き様-明るい課長講座
部下育ては、ほめること
朝日新聞11月26日の生活欄に、「ほめて叱って、職場円満。管理職向け研修盛況。語彙力アップ、短所は長所に変換」が載っていました。上手な「ほめ方」「叱り方」を、管理職に教えてくれる企業向けの研修が盛況で、「ほめる達人(ほめ達)」の検定試験もあるのだそうです。
・・講師は、社団法人「日本ほめる達人協会」の西村貴好理事長(46)だ。「ほめるとは、人の価値を発見して伝えること。価値は相手に伝えないと、存在していないのと一緒です」。
3時間の研修ではいくつかの課題をこなし、ほめ上手になるヒントを学ぶ。例えば、「すごい」「さすがだね」などのほめ言葉をできるだけ多く書き出してみる。ほめ言葉の語彙力をつけるためだ。また、部下の短所を長所に言い換えてみる。「決断力がない」といった短所は、「周囲の意見を聞ける」という長所ととらえることが肝心だ・・
部下を叱る場合については。
・・「怒る感情がコントロールできないと、人生で決定的な損をする」。講師の社団法人「日本アンガーマネジメント協会」の安藤俊介代表理事(42)が、約50人の参加者に語りかけた。安藤さんによると、イライラした瞬間に、怒りの感情をむやみに爆発させない工夫が大切だ。頭の中で6秒数えて待ってみたり、自分がどのくらい怒っているか、点数をつけてみたりする。冷静になる時間をつくれば、怒りすぎてしまう回数は減るという・・
上司たるもの、あるいは将来上司になる人は、必読ですよ。拙著『明るい係長講座』には、経験談に基づく実践例が書いてあります。これもお薦めです(笑い)。
直ちに実行してくれる職員
職員が、大臣報告資料を持って、説明に来ました。説明に入る前に一言、「資料の前に、何を言いたいか、紙を1枚付けました」と。11月5日の記事「上司への説明資料の作り方」を、読んでくれたようです。私は即座に、「100点、いや120点」と合格点を付けました。
上司への説明資料の作り方
私が失敗したことや、上司はどのような資料を作って欲しいかかなど、経験を元に、若手職員に仕事の仕方を伝授することは、先輩の務めです。『明るい係長講座』は、そう思って書いたものです。その後も、笑いながら(職員が萎縮しないように)、資料の作り方や説明の仕方を、「指導」しています。復興庁の職員は上達が早く、わかりやすい資料を作ってくれます。1枚にまとめること、結論を先に書くとか。
最近、さらに上級編を、指導しています。大臣説明資料を、事前に私に説明に来てくれます。資料は良くできています。パワーポイントを使ったりして。しかし、私に言わせると、それは「別添資料」なのです。その資料を基に、職員が口からつばを飛ばして説明してくれます。そこで、私は一言。「この資料は良くできている。でも、もう一声や」「今、私に言ったことを、この資料の前に1枚付けてくれ」。
この資料は、何を言いたいのか。すなわち、大臣に了解を得るのか、大臣に報告するのか。この資料は、大臣が会議などで使う資料なのか、単に大臣に理解を得るための資料なのか。発表事項なら、いつどのようなかたちで発表するのか。それらを1枚目に書いて、彼らが作った資料は「別添1」や「別添2」になるのです。
合格点をもらえるかどうかの判断は、簡単です。「大臣に説明する時間が取れないときに、大臣に渡して、新幹線の中で読んでもらって、わかってもらえるかどうか」です。口からつばを飛ばさなくても、目を通せばわかるかどうかです。パワーポイントの資料の前に、「送り状」が必要なのです。
相手に通じないカタカナ語、2
昨日書いた「相手に通じないカタカナ語」に、何人かの方から、反応がありました。
マスコミの方からは、「私も、現場で苦労しています」とのこと。なるほど、霞が関だけでなく、取材の現場でも、カタカナ語に振り回されているのですね。読者に伝わらないような記事では、没になりますわな。