カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

専門家でも難しいオンライン会議接続

4月23日の朝日新聞夕刊に、「あっ「マイクがミュート!」 気候変動サミット、トラブルも」が載っていました。
・・・世界40カ国・地域の首脳らが参加する、気候変動サミットが22日、始まった。会議はコロナ禍のため、オンラインの開催だ。冒頭に行われたあいさつでは、各国・地域の首脳らが画面の切り替えやマイクのオン・オフなど、オンライン会議ならではのトラブルに見舞われる一幕もあった。
サミットは冒頭、ハリス米副大統領のあいさつから始まった。だが、マイクの不調のせいか、音声が二重で聞こえてきた。次いでバイデン米大統領が登壇。音声の不調はあいさつの開始50秒近くまで続いた・・・

・・・ドイツのメルケル首相があいさつをしている際、画面が突如切り替わり、25の小さな画面が表示された。映し出された参加者はメモを取ったり、タブレットを触ったり。マスクはつけている参加者とつけていない参加者に分かれた。空席となっている画面もあった。菅義偉首相はすでにあいさつを終えた後だったからか、日本の画面には別の人物が映っていた。
再度、別の首脳のあいさつの時に複数画面に切り替わると、スマートフォンをいじる人の姿もあった。

画面の切り替えトラブルに見舞われたのは、フランスのマクロン大統領とインドネシアのジョコ大統領、ロシアのプーチン大統領だ。録画してあったマクロン氏のあいさつが流れる途中、突然ジョコ氏が映し出された。その後、画面はマクロン氏に戻ったものの、あいさつ動画は途中で終了。
次いで順番が回ってきたのはプーチン氏だ。司会者の音声がうまく伝わらなかったのか、1分半近く無音で画面に映り続けたが、何事もなかったかのようにあいさつを始めた。
豪州のモリソン首相はマイクのスイッチを切ったまま発言を始めたようだ。主催する米国の担当者とみられる人が「マイク! マイク!」「(マイクが)ミュートになってる!」と焦る音声が漏れ聞こえてきた・・・

在宅勤務やインターネット検索では出てこない企画案

4月20日の日経新聞夕刊「Bizワザ」は、「企画案が浮かぶ思考整理法」でした。

・・・企画・アイデアを提案したいのに、考えがまとまらないときがあるだろう。リモートワークで出会いや雑談が減り、ヒントも得にくい。そんなとき一定の手順に沿って思考を整理し、新たな発想につなげる手法が知られている・・・
・・・連想ゲームのようにマス目を埋めながら考えを整理していく「マンダラート」は気軽に取り組める代表的なもの。まずは縦横3マスずつ、計9マスからなる表を用意する。中心のマスに何かキーワードを書き込み、そこから連想される言葉で周囲の8マスを埋めていく。さらにその8マスの言葉を別の9マスのそれぞれの中心に転記し、再びそこから連想を展開する・・・
図も載っています。

出社するのと在宅勤務とは何が違うか。新規事業・アイデア創出に詳しい東京大学教養学部特任教授の宮沢正憲さんの説明です。
――なぜリモートワーク中はアイデアが浮かびにくいと感じるのでしょうか。
「無意識のうちに通勤中や勤務の合間の雑談からアイデアの種を得ている人が多いからだと思う。家にこもると、そうした情報源が一気になくなってしまい、何もひらめかないと感じるのではないか。リモートワーク環境においては自ら意識的に情報を取りにいく姿勢が重要になる」

――リモートワークをしていると、雑談での情報収集がしにくくなります。
「リモートでの会議は決められた仕事をこなすという面では非常に効率がいい。ただ一見無駄にみえる雑談のような時間は削られてしまいがちだ。意図的に雑談の時間を設定するのも大事だと考える。例えば雑談だけ1時間する会合を定期的に設けたり、会議中に雑談のための時間をつくったりするのもいい」

――雑談以外でどのように情報収集するといいですか。
「情報収集というと、インターネットでの検索が思い浮かぶと思うが、あまりおすすめできない。ネットでみつかるものは既にある程度広まっている場合が多いからだ。リモートでも何でもいいので、他人と話すなど手軽でない、手間がかかる情報収集に挑んでみてほしい。そうすることによって、自分の頭の中になかった新たな発見や情報が集まってくることになる。自ら動くこと。徹底的に情報を取りにいくことがアイデアを生む早道になる」

企業の受付対応、2

企業の受付対応」(4月20日掲載)に、読者から反応がありました。一部改変して、紹介します。出てくるA社は、私も知っている会社です。

・・・「企業の受付対応」を拝読しました。全く、同感です。
A社の受付は委託ですが、しっかりと訓練されており、レベルは高いと思います。
私が部長をしている職場では、来客者を入口でお出迎え、お見送りをする習慣がなかったので、私が率先して、お出迎えお見送りをするようにしました。
お客様からは、他の会社では、こういう対応はなかったと評価いただきました。
会社に対する好感度向上のためには、商品やサービスだけでなくこういうことの積み上げも大切だと思いました。
これが、当たり前の文化として定着してくれることを願うばかりです・・・

市役所の評判を高めるには、政策の善し悪しとともに、職員の接客態度が重要だと、拙著『明るい公務員講座』171ページに書きました。

企業の受付対応

打ち合わせや講演に呼ばれて、企業や大学などに行くことがあります。最近はコロナの影響で、減ってはいるのですが。受付の対応に、2種類ありますね。

一つは、玄関や受付まで、担当者が出迎えてくれるところ。あるいは、受付で名乗ると、「お待ちしておりました。直ちに担当者を呼びます」と対応してくれるところ。
もう一つは、名前と用件を名乗っても、「この用紙に、名前と住所と電話番号を書いてください」という受け付け。名刺を出しても、用紙に記入しろと言われた場合もあります。

後者の場合、せっかちな私は、名前を記入することは応じますが、「おたくの用件で、呼ばれて来たんやで。××さんを呼び出してください」と「抗議」します。たいてい、そのような申し立ては却下され、「決まりですから」と言われます。派遣の職員と思われる女性や、警備会社のおじさんとおぼしき場合が多いです。

職員は、この対応に気付かないのです。自分では、受付を通したことがないから。あなたの職場は、どちらですか。外食産業で、社長が覆面で自社のお店を調査する話を聞いたことがあります。あなたが自分の会社や役所の受付態度を「覆面調査」をしてもバレるので、誰か知人に頼んで一度調査してみてください。
受付って、その組織の「顔」ですよね。委託に出すのは、考え物です。委託に出す場合は、十分な教育か対応要領を用意すべきです。

ドイツの社会的能力

先日紹介した、高松平蔵著「ドイツの学校にはなぜ『部活』がないのか」に、「社会的能力」の説明があります(156ページ)。
子ども向けスポーツの広告に、運動能力と並んで、社会的能力が促進されることが書かれています。では、社会的能力とは何か。商工会議所が掲げる説明が紹介されています。

1 自己認識と外部認識
自分で自分のことをどう捉えているか。他人は自分をどう見ているかを認識する能力
2 コミュニケーションスキル
まざまな人と関係をつくっていく能力です。
3 異なる視点から見る能力と共感する能力
これも、他者と仕事をしていくために、相手を理解するために必要な能力です。
4 摩擦、批判の能力
仕事がうまく行かないとき、批判されることも批判することもあります。その摩擦、ストレスに耐える能力です。
5 チームワーク
上に述べた1~4の能力は、これに収斂されます。

著者は、日本企業がしばしば求める「体育会系」との違いを指摘します。特に4は、先輩の指示を聞くだけの人物ではダメだということです。
なぜ、商工会議所の解説が取り上げられているか。ドイツでは、日本と異なり、教育と職業がかなり密接です。そして、どの会社に属するかでなく、どのような職業かが重要です。大学に進学しない場合は、職業学校への就学が義務づけられています。職業教育を終えると、試験が行われ、商工会議所が職業資格を発行します。職業人に求められる資格が、定義づけられているのです。