見波利幸著「心が折れる職場」(2016年、日経プレミアムシリーズ)が、勉強になります。
あなたも、職場で鬱になった人や、症状が昂じてやめた人を見たことがあるでしょう。私も、残念ながら、そのような部下を、何人か見てきました。連載「明るい公務員講座」を書いている趣旨の一つも、そのような人を出さない、そのような職場にしたくないことです。
この本の著者は、その道の専門家です。個別ケースは匿名としつつ、生々しい実例が紹介されています。同じ職場でも、鬱になる人ならない人。次々と部下を不調に追い込む上司。切れ者なのに、部下が壊れてしまう上司。長時間勤務がうつ病と比例しないこと。中途半端な研修が、逆効果であることなど。通説と逆のことが、たくさん紹介されています。その点でも、勉強になります。
部下指導に悩んでいる中間管理職には、必読です。「明るい公務員講座」と共通することも書かれています。もっとも、「自分は大丈夫だ」と自信がある上司が、危ないのですが・・。
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金田安史君
7月10日の日経新聞、「日曜に考える」は、「遺伝子操作と生命倫理 どうバランス」です。金田安史・大阪大学教授・日本遺伝子細胞治療学会理事長が、大きな写真付きで出ています。奈良女子大附属高校の同級生です。医療研究の最先端で活躍しています。うれしいですねえ。
私と違い、まじめで温厚な生徒でした。写真も、当時(45年前)と変わらない風貌です。
去年会ったときも、若いときそのままでした。私の方は、すっかり風貌が変わったのに。自分のからだに、若返りの治療をしたのかな。次回会ったら、私も治療してもらいましょう。
霞が関の治外法権?
昨日書いた、復興庁が「これまでが異例だった。普通の役所に戻ったということですよ」(2016年7月8日)について。
一つには、5年経って復興事業が軌道に乗り、当初の頃のような、次々とこれまでにないことをする役所ではなくなったことです。復興はまだ道半ばですが、大きな筋道は立っています。その路線に従って、役所らしく着実に事業を進めれば良いのです。もっとも、原発事故からの復旧は、状況が違います。
もう一つは、これまでにないことを次々としてきた復興庁と、私のやり方への評価です。「賛辞」と理解しましょう。私たちが取り組んでいるのは、千年に一度の大津波と、初めて経験する原発事故です。前例通りでは国民の期待にこたえることにはなりません。次々とこれまでにないことをしました。それは、新しい施策を作っただけでなく、その進め方についてもです。平時の流儀では時間がかかり、間に合わないのです。
それができたのは、国民や政治家が、巨大な災害で異例の対応が必要だと理解してくださったからです。各省の官僚たちも、これまでの延長ではダメだと考え、普段していない、そしてできないことに取り組んでくれたからです。
私は、関係者の前で旗を振り、後ろから押しただけです。時々、理解が少ない人たちをラッセル車のように強引にかき分け、押してもダメなときは自分で書いてしまうという、強引なこともやりましたが(苦笑)。
職員たちが、私のことを「霞が関の治外法権」と呼んでいます。物騒な表現ですが。「それは私の所管ではありません」と言わない、ほかの組織の所管業務と思われることでも口を出す、それらを象徴したニックネームです。
ある人は「霞が関だけでなく、永田町の治外法権だろう」とも言ってくださいました。与野党を問わず、政治家の方にも本音で議論する、そして政治の力を借りて実現することを、「褒めてくださって」いるのだと解釈しています。これまでにないことを実現するためには、知恵と技、そして力技も必要です。
復興庁は普通の役所に
7月4日の時事通信社の「官庁速報」に、「最後まで岡本節」という記事が載ったそうです。
・・・6月21日付の復興庁人事で事務次官の岡本全勝氏が退任し、後任に西脇隆俊氏が就いた・・・
・・・退任会見では、「・・・一方で歯に衣着せぬ発言で知られた岡本氏らしく、震災後5年間の復興事業費について、「自治体の負担をゼロにしたことには賛成していない。5%でも3%でも負担を残すことで、県も市町村も身の丈に合った規模の復興を(当初から)考えてくれたのではないか」と語る一幕も
後任の西脇氏に対する庁内評は「手堅い方」(職員の一人)というのが一般的で、別の職員は「これまでが異例だった。普通の役所に戻ったということですよ」と苦笑い・・・
う~ん、喜んで良いのやら・・・。
役割がある人が元気
読売新聞オンライン6月30日、石川善樹医師の「地域で役割ある高齢者は長生き」が、興味深かったです。詳しくは記事を読んでいただくとして。
・・・私たち(千葉大、東大、米ハーバード大の研究者チーム)は、地域で役割を担っている高齢者は、長生きするのか、調べてみました。愛知県で、自治会などの組織に参加している65歳以上の高齢者1万271人を約5年間(2003~08年)追跡し、役員(例:会長、世話役、会計係など)かどうかで、死亡状況が異なるかを検討しました。
その結果、通常メンバーと比較して、役員の死亡リスクは12%減少していることが分かりました・・・
まあ、元気な人が役員を引き受けているのだという考えもありますが。面倒なことを引き受けて、仕事をしている人が、健康で長生きするのでしょうね。現役会社員でも、退職後の人でも、同じでしょう。受け身で楽をしていてはダメなのです。納得します。