カテゴリーアーカイブ:人生の達人

人に会うのが仕事2

2016年8月10日   岡本全勝

今週は月曜日に官邸で復興推進会議が開かれました(資料)。それに出席してから福島へ。月火水と夜の異業種交流会も終えて、先ほど東京に帰ってきました。福島ではホームページの加筆ができないので、その間はこのページも更新していません。見てくださった方には申し訳ないです。
福島でもいろいろな方が、尋ねてきてくださり、誘ってくださいます。ありがたいことです。昼夜と意見交換に努めています。人に会うのが仕事ですから。もちろん、会って飯を食べているだけではなく、重要な話をし、信頼関係作りに努めているのです。
若い頃は、官僚は机に向かって紙と鉛筆で仕事をするものだと、考えていました。話をしたり聞いたりするのは、職場の上司同僚と仕事に関係ある他省庁と自治体の人くらいだと思っていました。
上に行くに従い、会う人が広がり、それが仕事なんだとわかりました。私たちの仕事は、対象は国民で、仕事をする際の相手は人(議員、公務員、マスコミ・・・)で、紙と鉛筆と法令は道具なのですよね。

自らコントロールできることに集中する

2016年8月7日   岡本全勝

朝日新聞8月7日、望月秀記・元日本水連広報委員の「メダル目標 公表しない米国競泳」から。アメリカ競泳チームは、メダルの獲得目標を公表しないのだそうです。
・・・米専門誌スイミングワールドのブレント・ルートミュラー編集長は「ここ一番で最高のパフォーマンスを発揮する考え方を、ジュニア時代から教え込まれているからだろう」と見る。
その考え方とは、いたってシンプル。自らコントロールできることに意識を集中する、というものだ。相手によって結果が変わり、自分でコントロールできないメダルの数や色が個人の目標の1番目に意識された時、「競技力が落ちる可能性がある」とも話す。
ロンドン五輪。米国選手は出場種目の約6割で、1カ月前の国内選考会のタイムを上回った。11個のメダルを獲得した日本が選考会の記録を上回った種目は、3割に届かなかった・・・
オリンピックなど競技を、国威発揚や周囲の期待から見るか、ベストを尽くすといった本人の視点から見るかの違いです。テレビの前の応援団は、お気楽に好きなことを言いますからねえ。マスコミも、周囲の人の代表です。もっとも、オリンピックは「記録会」ではなく、勝負の場ですが。

在宅勤務が上司に迫るもの

2016年8月3日   岡本全勝

7月31日の日経新聞「日曜に考える」は「広がる在宅勤務 成功のカギ」でした。日本マイクロソフトの平野拓也社長の発言が、勉強になりました。日本マイクロソフトは、在宅勤務を含め働き方の改革に取り組んでいます。その結果、5年間で残業時間が5%減り、女性の離職率も40%下がったとのことです。そして社員1人あたり売上高は26%向上しています。働き方の改革は、社員の意識改革や職員評価制度の改革につながり、社風の改革になります。
・・・残念ながら欧米と比べて日本企業の生産性は低い。組織の融和を重視しすぎるあまり、根回しや上司のメンツを立てるといったことが生産性を下げている。夜遅くまで残って仕事をしている部下を高く評価する上司も多いとも聞く。生産性を上げるためのテレワークや在宅勤務では、管理職クラスで新しいスキルが求められるだろう。オフィスで働く社員が少なくなるなかで、どのように仕事ぶりを評価し、相談に応じたりするかといった技能が必要になる・・・
納得です。「古典的職場」である役所で勤務した人間にとっては、このような改革はお手本にしたいです。私は、残業をなくし、また働き方を柔軟にする際には、次の点などが課題になると思います。
一つは、職員評価です。残業時間や、職場での仕事への熱中度といった「投入量」で評価はできません。もちろん、上司へのごますりもです。「成果」で評価すべきなのですが、なかなか難しいことです。そのためには、職員への仕事の命じ方をはっきしりて、評価基準(何を達成したら合格とするか)を明確にして、部下を納得させなければなりません。すると、仕事を命じる上司の任務が重要になります。期末の評価でなく、事前の指示(目標と評価基準)と面談が、重要なのです。
もう一つは、職員の教育です。一般的な職場の技能は、本を読んだり、研修で学ぶことができます。しかし、その職場特有の「仕事の技術」たとえば「上得意さま」「よく接触のある相手(よい人も困った人も)」とのつきあい方(傾向と対策)などは、職場で上司や同僚の振る舞いを見ながら身につけることも多いです。在宅勤務やテレワークでは、この教育は難しいです。

東芝の不正経理

2016年7月31日   岡本全勝

小笠原啓著『東芝 粉飾の原点―内部告発が暴いた闇』(2016年、日経BP社)を読みました。考えさせられる内容です。以下、この本の内容が事実だという前提で書いています。
名門企業の東芝の歴代社長が、業績を良く見せるために、経理の不正を部下に指示し、部下もそれに答えます。そして、さらにその部下に、無理な作業がしわ寄せされます。無力な中間管理職と、犠牲になる部下。
取締役も監査法人も、歯止めをかけることができません。発覚したあとにつくられた第三者委員会も、全容を解明しません。不正に関与した幹部職員が居残るので、真実の全体は明かされません。内部通報制度も、それを利用した調査も、上司に見られることを恐れて、機能しません。不正の中心になった幹部は、マスコミからの取材を拒否し、自らの責任もまた潔白であることも明らかにしません。
たぶん、私たちにはわからない「守らなければならないこ」とがあるのでしょうが・・・・。

ゴーン社長のリーダー論、4

2016年7月30日   岡本全勝

昨日の続きです。順序が逆になりましたが。「CEOが後継者を決めてはダメだ」(2016年7月20日)。
・・・自分でいくら「私はリーダーだ」といっても意味がありません。周りに「あなたがリーダーだ」といわれなければならないのです。本人が決めることではありません。役員や幹部に指名されたとしてもリーダーにはなれません。
リーダーシップとは主観的なもので、人との「心の通いあい」で生まれます。「この人には魅力がある、ひきつけられる」というような思いがあることです。そして本当のリーダーになれるかどうかは、どれだけの結果や実績を出せるかにかかっています。厳しい状況の下で成功すれば、周りの人は認めてくれます・・・
・・・私は上司から多くを学びました。キャリアを重ねる上で、決断力がなかったり、話に一貫性がなかったりする「悪いリーダー」に当ってしまったらどうしよう――と考える人もいるかもしれません。しかし、それも悪くはないのです。「悪いリーダーになってはいけない」と反面教師として学ぶことができるからです。
優れた上司だけから学ぶわけではない。ですから、私は様々な人たちから学んできました。悪い例もいい例も見てきた。いい例からはインスピレーションをもらい、悪い例からはやってはいけないことを学べます・・・