カテゴリーアーカイブ:人生の達人

女性社長の失敗と失敗と成功

2018年11月12日   岡本全勝

11月1日、2日の朝日新聞経済欄「黒、黒のち白」が興味深かったです。化粧品会社ランクアップ社長の岩崎裕美子さん(50)の話です。

まず第一番目の黒です。
・・・岩崎さん自身、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が大嫌いだった。
〈仕事も私生活も充実させたいなんて、売り上げをあげられない社員の言い訳だ〉
30代前半で取締役営業本部長に抜擢された。仕事に使命もやりがいも感じていた。

でも社員は居着かず、長くても3年で辞めてしまった。優秀な女性たちは「この会社では結婚も、出産もできない」と去っていった。「辞めないで」とは言えなかった。結婚はまだしも、出産はあり得なかった。残業できない社員は、ここでは戦力ではないのだから。「育休から復帰したいなんて言われたら面倒だとすら思っていた。女性を使い捨てにしていた」

創業時から一緒にやってきた管理職がそろって辞め、そこで岩崎さんも目が覚めた。社員は機械じゃない。こんな生活は男性でも、女性でも続かない。会社を変えたいと、残業を減らそうとしたら、社長からこう言われた。
「残業をやめて売り上げが落ちたらどうするんだ」
限界だった。そしてこう考えた。
「会社を変えるより、自分で会社を作った方が早い」・・・

この項続く

佐々木雄一著『陸奥宗光』

2018年11月11日   岡本全勝

佐々木雄一著『陸奥宗光』(2018年、中公新書)が、コンパクトで読みやすかったです。
陸奥宗光は、皆さんもご存じでしょう。不平等条約改正を行った、明治期の外務大臣です。とはいえ、学校で習った知識は、そこまでです。一度、勉強しようと、『蹇蹇録』なども買ってはあるのですが、他の本を読むのが忙しくて、本の山の中に埋もれています。

幕末は志士で坂本龍馬の右腕、新政府に仕えつつ西南戦争の時に政府転覆計画に関与して投獄、その後復活して大使や大臣を歴任します。波瀾万丈の人生です。藩閥政府におりながら、議会の力を活用します。彼が生きていたら、政党政治はもっと早く実現したでしょう。

単に「不平等条約を改正する」といった高邁な理想だけで生きた人ではありません。政治上の成果も、権力を求める途中での成果です。もちろん、権力だけではよい成果は残らず、政策志向だけでは権力を持てずに実現できません。
「自他ともに認める才子であり、能吏であり、策士であった」(はじめに)。その権力志向、権力闘争はすさまじいものがあります。権力を目指す政治とはそのようなものだと、改めて思います。
かつて書いた「社会はブラウン運動4 指導者の意図も行き当たりばったり」を思い出しました。

知っていることが書かれた本を読む

2018年11月8日   岡本全勝

本を読んで「知っていることばかり書かれていた」と述べる人がいます。残念ですね。
もし、「知っていることばかりで、新たに得るところがない」と気づいたら、読むのをやめるべきです。時間の無駄です。
それでも、最後まで読んだのなら、「私の知っていることばかりだった」と安心を得るべきです。すると、無駄にはなりません。何か調べ物をして、知っているとおりだったら、安心しますよね。それと同じです。

拙著『明るい公務員講座』は、多くの経験ある公務員や会社員なら、知っていることばかりです。あとがきにも、そう書いておきました。
この本は、駆け出しの公務員に読んでもらうために書いたものです。この人たちは、職場で悩んだときにどうすればよいかわからない。そこでつまずきます。それを防ぎたかったのです。私も若いときに悩んだので、その経験を書いたのです。多くの人も自分で乗り越えるのですが、この本を読んだら、一人で悩まずに乗り越えることができるでしょう。

次に、中堅職員が読んで、「知っていることばかりだ」と思ったら、あなたの仕事ぶりに安心してください。そして、後輩たちを導いてやってください。
また、それに満足せず、「私ならこう書く」と、あなたなりの「仕事講座」を書いてみてください。そして、後輩たちに教えてください。仕事の仕方は人それぞれですから、いろんな仕事術があって当然です。私の「公務員講座」だけが正解ではありません。

もう一つ、「知っていることばかりだ」で満足しては困ります。もし、賛成なら、実践してください。理解することと、実践することとは別のことです。

匿名の投稿2

2018年11月4日   岡本全勝

先日の「匿名の投稿」について、知人が教えてくれました。
「このような人たちは、インターネットに載せる際に広告を載せて、広告料収入を得ています。閲覧回数が多いほど、収入が増えるので、なるべく人目を引くような記述をします。すると、まっとうな意見を書くより、極端な意見を書く方が、目立つのです。褒めるよりけなす方が、見てもらえるようです」と。
なるほどね。残念なことですね。

あなたにとってかけがえのないもの、お国柄の違い

2018年11月4日   岡本全勝

10月25日の朝日新聞国際面「サマータイム ドイツの憂鬱」。この記事は、ヨーロッパで実施されていたサマータイムが、来年で終わる見通しになったこと、特にドイツでは嫌われていたことを紹介した記事です。紹介したいのは、その本筋とは異なった部分です。次のような文章がありました。

・・・世論調査会社フォルザが3年前「あなたにとって、かけがえのないものは何か」とドイツ人に複数回答で尋ねた。最も多かったのが「時間厳守」で90%の人が選び、2位以下の「子ども」(73%)、「セックス」(68%)、「クリスマス」(67%)を大きく引き離した・・・

ふ~ん、ドイツ人にとっては、こうなるのですね。夫や妻が上位に出てこないのは良いのでしょうか。
では、日本人ではどうか。国際比較、年齢別比較などを見てみたいですね。そして、私やあなたならどうでしょうか。

また、この質問の興味深いのは、時間厳守、子供、クリスマスなど、信条、行為、ものなど、およそ比較対象としては同一に並べられないものを、比べていることです。
しかし、日常生活そして人生では、比較不可能なものを選択しなければならないことがしばしばあります。「難しい判断、比較不能なものの選択