女性社長の失敗と失敗と成功2

女性社長の失敗と失敗と成功」の続きです。

で、第2の黒です(11月2日)。
・・・帰宅は毎日終電、週末も出勤という広告会社で取締役をしていた岩崎裕美子さん。「残業をやめて売り上げが落ちたらどうするんだ」という社長の一言に愛想を尽かして退職し、2005年に化粧品会社ランクアップを設立した。
こんどは子育て中の人も活躍できる会社にしたいと、残業を極力しない働き方に心を砕いた。でも、広報部の近藤良美さんは、5年ほど前までの会社の雰囲気を「あれは暗黒時代でした」と振り返る。

とにかく、社長の岩崎さんが一から十まで決めたがる会社だった。社員が作成した会員向け冊子は、細かく変更を求めた。文章から文字の色、フォント、「!」マークの数まで。会員向けに企画したイベントを岩崎さんが土壇場でひっくり返すこともあった。
社員たちは休憩室で顔を合わせては、愚痴をこぼしあった。それを岩崎さんも感じていた。「休憩室の存在が恐怖だった。みんながあそこで私の批判をしているんだろうなって」

12年、社員に行った満足度調査の結果を見て、岩崎さんは言葉を失った。
「意思決定に従業員を参画させている」と答えた社員は11%、「仕事に行くことを楽しみにしている」は0%だった。
一致団結するには運動会だ、と言い出してみたが、社員の反応は冷たかった。
そんなとき、2泊3日の社員合宿があった。岩崎さんが不在のなか、最終日の話し合いのテーマは「会社のために自分たちができること」。ついに社員たちの不満が爆発した。
「この会社で働く目的がわからない」
「認められていないから貢献なんてできない」
合宿に参加していた講師は、会社にいた岩崎さんを呼んだ。そこで、あらためて社員たちの気持ちを思い知らされた。

ほどほどの給料と休みやすい職場があれば、社員は幸せだと思っていた。社員の給料を自分が稼がなくちゃという思いが強すぎた。残業もないが、やりがいもない。そんな会社になっていた。経営者失格だ。変わるべきは私だった・・・

さて、この会社がどう変わったか、いえ社長がどう変わったか。それが「黒、黒のち白」の白です。
そこは、続きをお読みください