投稿者アーカイブ:岡本全勝

きれいなビルの汚い窓

2020年2月8日   岡本全勝

霞が関の官庁街。合同庁舎の建て替えが進み、きれいな高層ビルが増えました。ところが、気になることがあります。
外から眺めると、窓際に書類が積み上げられている窓があるのです。執務室が狭く、置き場所のない書類や印刷物を、窓際に置いているのでしょうね。
執務している方からは、きちんと並べてあるのかもしれませんが。外から見ると、醜いです。

なぜ、今日こんな話題を書いているか。
東京国立博物館に行った際に、平成館の窓が、その状態にあるのです。
平成館は、展示室は2階までですが、どうやらその上に執務室(研究室?)があるようです。1階と2階は窓がないのに、その上はガラス張りなのです。そこから、書物と覚しきものの山が見えます。
建物の前で写真を撮っている人がいたので、改めて建物を見て、気づきました。職員の方に説明して、「やめた方が良いよ」と話しましたが、どこまで通じたか??

美を扱う仕事をしている人たちには、もう少し注意して欲しいですね。もちろん、霞が関が汚くても良い、ということではありません。
かつて、「大部屋と雑然とした職場」を紹介したことを、思い出しました。

冬の1日、展覧会巡り

2020年2月8日   岡本全勝

暖かい今年の日本列島、先日から寒波が来ています。今朝の東京も、寒かったです。とはいえ、行っておかないと、展覧会が終わってしまうので、決心して出発。
駅の近くの薬屋さんの前には、行列ができています。聞くと、マスクを買う人の列だそうです。私も人混みに行くので、マスクは持っては行きました。「武漢インフルエンザ」の影響ですね。

まずは、上野の東京国立博物館の「出雲と大和展」へ。明日香村出身の考古学好きとしては、行かないわけにはいきません。
さて、どのように話を組み立て、展示品を選んだのか。なにせ、展示する品は、たくさんあります。話題を絞りこまないと、発散しますよね。
開催趣旨には、「日本書紀成立1300年」とあります。「その冒頭に記された国譲り神話によると、出雲大社に鎮座するオオクニヌシは「幽」、すなわち人間の能力を超えた世界、いわば神々や祭祀の世界を司るとされています。一方で、天皇は大和の地において「顕」、すなわち目に見える現実世界、政治の世界を司るとされています。つまり、古代において出雲と大和はそれぞれ「幽」と「顕」を象徴する場所として、重要な役割を担っていたのです」とも。
その点で、今回の展示は、成功したかな?

続いて、広尾の山種美術館「上村松園と美人画の世界」へ。広尾に移転して、もう10年が経つのですね。
展示品は、既に何度も見たものばかりですが、これはこれで納得。

次に、六本木の新美術館で、「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」。去年夏に、ブダペストに行ったのですが、美術館でゆっくりと見る時間はありませんでした。日本にいる方が、ゆっくりと見ることができるのです。
古いもの、良い作品がたくさん並んでいました。

管理職、中間管理職、職員の区分、2

2020年2月7日   岡本全勝

管理職、中間管理職、職員の区分」の続きです。

日本の管理職の養成は、これまでは、「昇進の過程で身につけよ」というのがほとんどだったでしょう。前例通りの職場なら、見よう見まねで身につけることができます。また、部下たちも心得ていて、みんなで助け合って進めます。
ところが、管理職としての訓練を受けていない問題点は、新しい仕事に取り組む際、また方向転換する際に顕在化します。
管理職の任務は、いつまでに何をするかを職員に指示することです。それは、職員に任せてはいけません。あるいは、職員と会議をして決めることではありません。それでは、改革は進みません。

普段においても、いつまでに何をするか。それを決めて職員に指示するのも、管理職の任務です。多くの管理職は、それをしていません。「職員の自主性に委ねている」といえば、聞こえはよいですが。このような、部下任せ(すわり型)の上司は、いなくても一緒ですよね。
大部屋制や稟議制と相まって、責任の所在が不明確になります。管理職と職員が、「なれ合い」になってしまいます。「みんなで一緒に考え、働く」では、いけないのです。

日本の職場の生産性の低さは、管理職が管理職の仕事をしていないことから生まれます。決められた時間内に仕事を仕上げること。部下に過度な残業をさせないこと。それは、管理職の任務です。
働き方改革は、管理職に管理職の仕事をさせることだと、私は考えています。
この項さらに続く

孫が知らないこと

2020年2月6日   岡本全勝

5歳の孫と65歳の私とでは、2世代、60年の差があります。5歳の幼子は、好奇心の塊で、次々と新しい知識を吸収しています。いろいろと質問され、世間のことを教えます。
その際に気づきました。孫が幼くてまだ知らないことの他に、孫の世代は知らないことがあります。正確には、体験したことがないことです。

孫と遊んでいると、「そうか、こんなことを知らないのだ」と気づかされます。
1 駅で切符を買う。駅員が、切符に、はさみを入れることを知らない。
2 お店で現金を出し、お釣りをもらう。
3 公衆電話をかける。
4 マッチを擦って、火をつける。ある知人は、孫が訪ねてきたとき、神棚と仏壇に蝋燭と線香を立てたら、孫に「もっとやって」と何度もマッチに火をつけさせられたそうです。
皆さんも、思い当たるでしょ。
現金払いが少なくなり、硬貨や紙幣を見る機会が少なくなりました。貯金箱はどうなるのでしょうか。

2002年に、東大に教えに行ったとき、47歳の私と20歳過ぎの学生や大学院生との「時代の差」に、衝撃を受けたことを思い出します。
昭和30年(1955年)、奈良の田舎生まれで、経済成長以前の日本を知っている私と、その後に生まれた若者との違いです。彼らは、豊かでなかった日本、不便だった日本を知りません。そして、明日が今日より豊かになるという実感も知りません。

管理職、中間管理職、職員の区分

2020年2月6日   岡本全勝

フランスの経済エリート2」の続きです。
日本の職場の生産性の低さは、職員、中間管理職、管理職の3分類(職場での階級)が明確でないことによると、私は考えています。それは、次のような意味です。

日本の職場でも、この3区分はあります。しかし、その区分による職務の違いが、明確でないのです。
日本では、職員は会社に採用され、平職員から、中間管理職、管理職と昇進していきます。もっとも、これは大企業や役所に当てはまり、例外も多いのですが。
この昇進の仕組みは、現場を知って、管理職になるという長所を持っています。問題は、管理職の訓練を受けていないことが多いことです。「この昇進の過程で、身につけよ」が、これまでの職場の流儀だったのでしょう。
私もそうでしたが、多くの人も同じだったでしょう。

管理職には、職員とは違う職務が求められています。それは、職員たちと一緒に仲良く仕事をこなすことではありません。その組織は何を求められているのか、そのためには職員に何をさせるのか。それを考えるのが、管理職の仕事です。
拙著『明るい公務員講座 管理職のオキテ』では、野球やサッカーの監督と選手の違いを例に説明しました。また、良くできる課長補佐が良い課長になるとは限らないこと、鬼軍曹が良い課長にならないことを説明しました。
このようなことが、課長になる際に、しっかりと教えられていないのです。
この項続く