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酒票、その2

威徳輝宇宙」(2月24日)で、清酒瓶に貼ってあるラベルを「酒票」と呼ぶと書きました。知人が、雑誌「dancyu」3月号「王道の日本酒」に「クラッシック酒ラベルの来た道」が載っていると教えてくれました。
読んでみると、明治編、大正・昭和(戦前)編、昭和(戦後)編、平成・令和編の4つに分けて、それぞれの時期の代表的な酒票の写真と、その傾向が説明されています。石田信夫・比治山大学名誉教授の説明です。40年にわたってコツコツ集めて、コレクションは2万点とのこと。

明治期は、木樽に貼ったB5ほどの大きさでした。戦後になってガラスの一升瓶がほとんどになると、ラベルは小さくなります。写真を見ると墨一色のものから、色刷りの絵もきれいな鮮やかなものへと進化しています。そして、平成になると、銘柄だけの簡素なものへと変化します。
世の中は、さまざまなものに歴史があり、それを研究する人がいるのですね。

事業縮小議論、人物が見える

日経新聞「私の履歴書」4月は、三村明夫・日本製鉄名誉会長です。11日の「大合理化」から。
1985年のプラザ合意によって、円高が急速に進み、日本の鉄は国際競争力を失います。1970年に富士製鉄と八幡製鉄が合併してできた新日鉄は、それまでも過剰な生産設備を削減してきましたが、大胆な削減はしませんでした。しかし、いよいよ避けて通れなくなりました。三村さんは計画づくりの事務局責任者になります。6万8千人いた社員を1万7千人、すなわち4分の1に縮小し、12基あった高炉のうち5基を閉めます。

・・・半年足らずのSPC(注、合理化検討会議)だったが、そこで得た学びは米国留学より何倍も大きかったように思う。ひとつは危機は組織再生の好機でもあることだ。長年引きずった課題に決着をつける絶好の機会であり、逃げずに立ち向かえば、企業は再び躍動する。
もうひとつは「聖域なき合理化」とはよくいわれるフレーズだが、実際は侵してはならない聖域が厳然としてあることだ。当社の聖域とは品質や職場の安全だが、これについては後述したい。

最後に人を見る目だ。14人のSPC構成員はいずれも私の上役だが、真剣勝負のやり取りの中で各人の実力や人格が浮き彫りになった。日ごろは偉そうに振る舞う人が急におとなしくなったり、地味な人が誰もがうなずく正論を堂々と開陳したりする場面がしばしばあった。
「上から3年、下から3日」という言葉をご存じだろうか。人を判断するのに上からみれば3年かかるが、部下として仕えれば上司の長所も短所も3日で分かるという格言だ。この言葉はいまに至るまで私自身への戒めでもある・・・

富山テレビに出演しました

4月7日の富山テレビ「シンそう富山 未知の被害…液状化」に出演しました。千葉市の市町村アカデミー学長室からの参加で、画像は粗いです。番組はインターネットで見ることができます。

能登半島地震で、富山県内でも液状化による大きな被害が出ました。家が傾いたり壊れただけでなく、地盤を改良しないと家を再建できません。その点では、東日本大震災で津波被害を受けた地域と同じような条件だと言えます。現在地を改良するのか、ほかの地域に移転するのか、そしてそれを各家庭でなく地域全体で考える必要があることです。

国際クルーズ船、入国者名簿を紙で提出

3月23日の日経新聞夕刊に「国際クルーズ船、また来て! 入港手続き軽減や港湾整備」が載っていました。そこに、次のような話が出ています。

クルーズ船の外国人観光客が日本に入国する際、船長または代理業者が入国前に、人数や船の名称を記載した申請書と、乗客の氏名や生年月日をまとめた名簿を、出入国在留管理官署に提出します。名簿は電子データで送ることができますが、申請書は紙で窓口に持って行く必要があったのです。
業者や審査官の負担軽減のため、オンライン化の要望があり、電子メールで送ることができるようにするとのことです。
「え~、今ごろ」と思うのは、私だけでしょうか。