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中国製品なしの暮らし

8日の朝日新聞「ひと」の欄で、アメリカの作家である主婦が紹介されています。クリスマスのプレゼントで気づき、家の中のものを見たら、ほとんどが中国製。そこで、中国製品なしで1年間を過ごし、その体験を本にしました。家族も、大変だったようです。そして、中国製品なしでずっと暮らすのは、非現実的だそうです。
日本製品なしで1年間は、頭にないとのこと。「生涯、日本車以外には乗れないから」だそうです。ありがたいですね。

大店法緩和

8日の朝日新聞変転経済は、大規模小売店舗法緩和でした。中心市街地への、大型スーパー出店を抑える目的の法律でした。日米構造協議を受けて、徐々に緩和され、最終的には廃止されました。そして、郊外・ロードサイドに大型店ができ、中心市街地は寂れました。もちろんその背景には、地方の車社会があります。
市街地でのスーパー対商店街という対立が、市街地対郊外店の対立に変化していたのです。経済合理性と言えばそれまでなのでしょうが、車のない子供やお年寄りには冷たい社会です。また、町のにぎわいがなくなることは、町の再生産に失敗したと言うことでしょう。町のパンフレットを作るときに、「我が町の繁華街です」といって、ロードサイドの大型店の写真を載せるのでしょうか。
ヨーロッパでは、少々不便でも郊外型大型店を規制しているところもあると聞きました。まちづくりをどう考えるかということです。

リスク学と行政

大論文「行政構造改革」執筆のために、改めていろんなことを勉強しています。関係論文にあたったり、行政法の教授に教えを請うたり。随筆ではないので、それなりに大変です。平日の夜は懇談会があったり(今日は台風で中止。よって、これを書いています)、土日は疲れて・・。なかなか進みません。「副業」だから、仕方ありません。
三権分立を再確認するために、憲法の教科書を新しく買いました。昭和憲法は書き換えられていませんが、議論はどんどん進んで変化しているのですね。改めて、驚きました。
行政の新しい任務を考えている過程で、「リスク学入門」(岩波書店、2007年)を少しかじりました。現代社会で、リスク(危険・不確実性・不安)が増え、大きくなっています。もちろん原始時代の方が、人間の能力は小さく、自然災害や病気、飢えなどのリスクは大きかったのです。しかし、科学技術の進展で、それらのリスクが小さくなり、豊かになりました。ところが、その科学技術の発展が、新たな危険や不安を生んでいるのです。環境汚染、遺伝子組み換え、原子力発電所の事故、BSE、薬害。いじめや迷惑メールなどもあります。また、寿命が延びたことで、生活費・痴呆の不安も生じます。
「産業社会」が豊かさの光の面であるのに対し、リスク社会はその不安の影の面です。私の主張では、これまで政府は、産業振興で豊かさを増やす施策を行っていました。もちろん、その過程で、リスクを減らす施策にも取り組みました。社会保障・環境行政などです。しかしまだ、産業振興の方に重点が置かれ、生活の安全安心のための施策が少ないのではないか、ということです。その一端は、「再チャレンジ支援施策に見る行政の変化」月刊「地方財務」8月号に書きました。
さらに言うと、豊かさという目標に誘導するのが、これまでの行政でした。豊かさを達成し、各人の幸せが単一のものでなくなった時に、幸せの追求は各人にしてもらい、行政はそのための条件作り=障害除去が仕事になると思うのです。

単身赴任者の自炊

5日の日経新聞夕刊は、ミツカンの調査による「単身赴任サラリーマンの食生活事情」を紹介していました。それによると、7割の人が自炊しています。ということは、3割の人は毎食、外食あるいは持ち帰りだということですね。外食では、肉と油を使っていない料理を探すのが大変です。定食屋でもあれば良いんですがね。
私も、4年間単身赴任をしました。それまでは、リンゴどころかミカンもバナナの皮も剥かない怠け者でした。毎食を外食というわけにも行かず、料理を始めました。もちろん、簡単なものしかできませんが。県庁の女性職員が、お師匠さんです。「ご飯を炊いても、ほうれん草をゆでても、1回では食べきれないよ」と言っていたら、1食分ずつ冷凍することを教えてもらいました。彼女たちは共働きなので、仕事を終えて帰宅した後、てきぱきと料理を作らなければならないのです。おかげで、炊事も洗濯も、できるようになりました。「いつ一人になっても大丈夫」と、豪語しています。濡れ落ち葉にならずにすみそうです。