成果の少ない長時間労働

次に、課や職員の仕事の目標が設定されていないことが、長時間残業につながります。課としての達成すべき目標があいまいなので、いつまでに何をしたらいいのか不明なのです。課としての目標が明確なら、みんなでそれを達成すれば、帰宅できます。また、その場合は、仕事の遅い人がいても、誰が達成して誰が遅いかは、ある程度見えます。仕事の速い人は、さっさと片付けて帰宅してよいのです。しかし、それができないとなると、だらだら仕事を続けることになります。
また、課としての目標があいまいだと、部下の達成すべき仕事は、課長の考え・仕事の仕方に左右されます。部下は、「うちの課長は、次は何をするのだろうか」と心配するのです。
自分の課の仕事に自信のない課長が座ったら、部下は悲惨です。目標が不明確ですから、いろんなことに手を出し、ありとあらゆる想定問答をつくらせます。課長自らが書けばいいですが、そんな課長は、たいがい自分では書きません。また、目標と期限を示さず、部下に作らせるのです。
このような状況下での良い課長は、逆をすればいいのです。課の目標と期限を決め、部下に明確に指示する人です。その際、設定した目標と期限は、その上司(局長など)の了解を得ていること、外部の人にも分かってもらうものであると、なお良いです。そうでないと、後で仕事が増えます。
(霞ヶ関の場合、国会待機、翌日の国会質問が判明するまで待機することが、これに輪をかけます。これは、政治家と公務員の仕事の分担が、うまくなされていないからだと思います。)