8月20日の朝日新聞が、「テロ容疑者 どう報道するか」として、次のようなことを伝えています。
・・・テロ事件が相次いでいるフランスで、容疑者の写真や名前の報道をやめるメディアが相次いでいる。プロパガンダの映像や宣伝文句を取り上げる際に十分な注意をはらうことに加えての対応だ。一方で、写真などの掲載の重要性を改めて表明したメディアもある・・・
・・・報道がテロ集団のメッセージを広め、結果的に彼らを利しているのではないか、との議論も起きた。
ルモンド紙は身分証の写真などに限って掲載することにした。笑顔を浮かべたような写真を広く報じることは「聖戦に命をかけた」などと英雄視に利用される可能性があるためだ。ラジオのヨーロッパ1は「名前も報じない」と決めた・・・
考えさせられる事例ですね。社会に大きな影響を与えた事件は、事実を詳しく伝えるべきですが、それが犯罪者を利することになっては問題です。正解はなく、みんなで試行錯誤しながら「結論」を見いだすのでしょう。
投稿者アーカイブ:岡本全勝
アメリカの反知性主義
朝日新聞8月18日オピニオン欄、アメリカ外交問題評議会上級研究員、マックス・ブートさんの「米共和党 愚かな党のふり、現実に」から。
・・・1950年代には、民主党の大統領候補だったスティーブンソンは「エッグヘッド(はげ頭の知性派)」、共和党の大統領候補だったアイゼンハワーは「まぬけ」、という図式が定着した。この見方は、リチャード・ホーフスタッターの「アメリカの反知性主義」でお墨付きを得た。
民主党は米国の知性派の代弁者だという印象が固まるなかで、共和党員は、政治目的のために、反知性のレッテルを受け入れた。だが、少なくとも最近まで、それは、見せかけのものだった。アイゼンハワーは安全保障問題に比類なき知識を持ち、レーガンは無能な役者に見えて、何十年も公共政策を磨き、演説原稿を自分で書き続けた。ニクソンはキッシンジャーらハーバード大学教授に内外の政策を託した。
レーガン政権時代、共和党は、アメリカンエンタープライズ研究所やヘリテージ財団のような保守系シンクタンク、ウォールストリート・ジャーナル紙、コメンタリー誌などを効果的に活用し、「政策政党」として知られるようになった。
だが、共和党と政策分野のつながりは徐々に弱まっている。かつてはアービング・クリストルやジョージ・ウィルなどの思想家が果たしていた役割を、ラジオトーク番組の司会者やテレビタレントが担うようになった。見境なく、軽率で、すべてを消耗させる怒りの感情が真っ先に漂うようになった・・・
イギリスのイラク参戦、その検証
朝日新聞8月19日オピニオン欄「イラク参戦、英の誤り」、英王立統合軍防衛研究所前所長、マイケル・クラークさんのインタビューから。
「報告書の指摘の中で何が最も重要だと考えますか」という問に。
・・・英政府全体が組織的機能不全に陥っていた、という点です。特に内閣の機能不全です。後世の歴史家はそこに着目するでしょう・・・
「中東を熟知した英情報将校「アラビアのロレンス」は21世紀にはもういないのですね」という問には。
・・・その通りです。西側情報機関はイラク軍、共和国防衛隊の指揮官らの携帯電話番号をつかみ、彼らの居場所をつかんでいた。一方でイラクの電力や上下水道などの社会基盤がいかに劣化していたかに考えが及ばず、戦後も国家機能が維持できると考えた。イラクの経済状況を全く把握していなかったのです。植民地時代には現地に長年滞在し、人脈を持ち、地域に精通した行政官が何世代も生み出されていました。植民地主義の是非はともかく、彼らは極めて有能で物事を進めるのが得意でした・・・
・・・開戦前の計画は優れたものではなかったが、適切な戦後計画を欠いたことで事態はさらに悪化した。この点について(占領政策を主導した)米国には英国以上に重大な責任があります・・・
・・・重要なのは、戦略的観点で政策を判断することです。イラク戦争の最大の勝者はイランでした。そのために英米の中東における権益維持はより困難になった。イランは域内での米英の最大の敵対相手なのですから。独裁者の除去が倫理的に正しいかどうかは別に、戦略的な計算では行動の結果、域内がより安定したかどうかが問われます。戦略的には米英が目指したものと全く逆の効果になりました・・・
トヨタ財団の復興支援
トヨタ財団が、大震災の発災以来、復興の支援をしてくださっています。例えば、「復興(災害)公営住宅におけるコミュニティづくり」をテーマに、入居者自らによってコミュニティづくりを行うことの支援です。行政では、ここまで目が行き届きません。
「2015年度国内助成プログラム東日本大震災特定課題助成対象一覧」
また、「2015年度年次報告書」(2016年7月31日発行)最終ページに、奥田前会長の「退任のご挨拶」が載っています。
その中で、「・・・私が願っている二つのことを、ここに記しておこうと考えます。一つは、進取の気風に富んだよき伝統を発展・継続してほしいということです・・・」のあと、次のように書いておられます。
・・・この未曾有の自然災害に対応するために、トヨタ財団では2011年度に東日本大震災特定課題プログラムを立ち上げ、かなり大規模な復興支援を行いました。すでに、発災から5年以上の時間が経過した訳ですが、被災地の真の復興までにはまだまだ時間を要するように感じます・・・トヨタ財団ならではの独自の支援を行うためにも、予め期限を定めるのではなく、復興庁や被災地のフェーズに即した、有意義な助成プログラムを立案していって欲しいものです・・・
ありがとうございます。
補助犬
補助犬って、ご存じですか。厚生労働省、社会・援護局、障害保健福祉部、自立支援振興室の品川 文男補佐から、「政府広報番組に出演したから、岡本のホームページで広く世間に紹介しろ」との指示が来ました。品川君は、復興庁で被災者支援を担当し、これまでにない分野、これまで付き合いのない人たちと、新しい取り組みを試みてくれました。ありがとうございました。
フットワーク良く、現場に出かけるのです。もちろん、現場に行くと、新たな課題を拾ってきます。でも、それが行政の新たなフロンティアなのです。霞が関に閉じこもっているだけでは、新たな課題はわかりません。
番組は「身体障害者補助犬」についです。インターネットビデオで、約20分だそうです。開始直後35秒の頃に、当の本人である品川補佐が出演します。紺の上着を着て、まじめな顔で説明しています。