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悲しいカエル

今朝、わが家の前の道路で、大きなカエルが死んでいました。夜に出てきて、車にひかれたようです。昨日、時々雨が降ったので、外出してきたのでしょうか。カエルは、最近では6月26日に、このページに登場しています。

政治主導は政治家主導にあらず

日経新聞1面連載「戦後70年、これからの世界」8月11日は、佐々木毅・東大名誉教授の「政治主導、ルール明確に」でした。「官僚主導から政治主導に変わりました」という問に対して。
・・・政治主導とは政治家主導だと多くの政治家が思ってしまっている。問題は政権党が公約で約束したことに沿って行動するかどうかだ。
政治家と役所の役割分担は非常に難しい問題だ。大臣・副大臣・政務官チームと役所チームがどうつながるかをもう少しルール化しないといけない・・・
新聞記事と、インターネットの記事、さらには映像とは、表題も内容も一部異なっています。新聞(インターネット)の記事とともに、ネットの記事、映像での語りもご覧ください。

不正経理

『帳簿の世界史』にも、第13章「大恐慌とリーマン・ショックはなぜ防げなかったのか」として、不正経理を防げなかったこと、そしてそれが会社をつぶしただけでなく、世界経済を危機におとしいれたことが、書いてあります。『バランスシートで読みとく世界経済史』の第9章は、「会計専門職の台頭とスキャンダル」です。どうも、会計には、不正がつきもののようです。
エネルギー会社のエンロンは、帳簿の上では超優良企業でしたが、不正経理がばれて倒産します。それだけでなく、経営者は倒産の前に自社株を売り抜いて、大もうけをします。ご関心ある方は、お読みください。犯罪者と警察の追いかけっこと同じと思えばよいのでしょうが、企業会計、会計監査とは何なのか、疑問になります。まじめにやっておられる関係者の方には、申し訳ないのですが。どこに、問題があるのでしょうか。
さて、エンロンの事例では、電力価格を高値で維持するために、電力会社に発電を停止するように要請したり(それで住民はえらい迷惑を被ります)、森林火災が起きると、高圧線の鉄塔が焼け落ちるのを見ながら、職員が「燃えろ」とはやしたてたそうです。企業利益を優先し、モラルに欠ける行動に出るのです。これは、企業会計とは別の次元の問題です。

複式簿記はどこまで企業を表すか

先に、ジェイコブ・ソール著『帳簿の世界史』(2015年、文藝春秋)を読みました(2015年6月21日)。思い出して、積ん読の山から、ジェーン・グリーソン・ホワイト著『バランスシートで読みとく世界経済史―ヴェニスの商人はいかにして資本主義を発明したのか』(2014年、日経BP社)を発掘して、読みました。
これも、勉強になる本です。もっとも、表題は誤解を与えます。目次を見るとわかるように、複式簿記の発明と普及、それが経済の発展に不可欠だったことが書かれていますが、「世界経済史」までは書かれていません。原著は、「Double Entry – How the merchants of Venice shaped the modern world and how their invention could make or break the planet」という表題です。
ところで、本書でも書かれていますが、複式簿記が企業の財政状況をどこまで表しているのか。その発展系である国民経済計算GDPが、どこまで一国の経済を表しているのか。著者は、環境の価値や健康状態などが含まれていないことを指摘しています。金銭に評価できないものは、記入されないのです。
以下、会計学には素人の疑問です。
会社の場合、いちばんの価値である従業員は、どのように載っているのでしょうか。給与や退職金の引当金は計上されますが、従業員そのものの価値は計上されません(よね)。会社の経営が悪化し、従業員を削減する際には、減らすべき「負債」であり、よい商品を生みだす場合は「資産」でしょうか。
人数が少なくても、「有能な社員」「良質の労働力」と、人数が多くてもそうでない社員とは、金銭評価できないので、帳簿には載らないのでしょうね。従業員は、利益を上げる手段でしかないのでしょうか。もっとも、同じく利益を上げる手段である機械類は、資産として計上されます。また、その会社が持っている「評判」(ブランドとしての力)も、複式簿記では計上されないのでしょうね。 さらに、研究機関、大学、官庁は、企業会計だけでは、その価値は評価できないのでしょうね。
ところで、複式簿記って英語では、Double-entry bookkeeping system って言うんですね。