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公共インフラの復旧状況

四半期ごとに、公共インフラ(14事業23項目)の本格復旧・復興の進捗状況をパーセントで示しています。今回、6月現在の数値を取りまとめました。着実に進んでいます。しかも、職員が見直しをして、図表をさらにわかりやすくしてくれました。うれしいですね、前回どおりでなく、改善してくれるのは。復興庁は、前例のないことをしているので、新しいことへ挑戦する、やっていることを改善する「宝庫」です。新しいことをしたい若手職員には、能力を発揮できるうれしい場所です。

平成27年夏の終わり

今日は8月31日、今年の夏も終わりました。前半、あれだけ猛暑だったのに、後半の涼しさと、ぐずついた天気は、がっかりです。泳ぎに行けなかった小学生が、かわいそうです。
さて、皆さんは、この夏をどのように過ごしましたか。ゆっくりできたでしょうか、それとも、夏ばてだったでしょうか。私は、8月に入ると早々に、夏休みをいただきました。しかし、暑さのあまり、計画していた書斎の本の片付けは、早々と断念。書こうと思っていた原稿は、半分くらいは進みましたが、半分しか終わらなかった、ということです(反省)。さらに、たくさん本を買い込んで・・。いつ読むのですかね。肝冷斎は、ぶつぶつ言いながら、野球を見に行っています。これは、かなりの根性です。
さて、涼しくなった秋を、どのような実りある秋にするか。私も皆さんも、それぞれ立てる計画と、その実行次第です。12月の大晦日には、どのようなことを書くでしょうか。

中国経済リスク、戦前日本との類似。2

朝日新聞8月25日、猪木武徳先生へのインタビュー「世界経済、不安の正体」の続きです
「戦後、世界経済は多くの制度が整備され秩序がつくられてきたのに、なぜこのように不安定要素が増えてきたのですか」という問に。
・・・経済の基盤である自由民主主義が次第に劣化しているからです。民主主義には内在的に財政赤字を生む構造がある。政治家の生きる道は、いかに多くの人を満足させて票を獲得するかにあります。その結果、政治は時に人々の欲望をより膨らませ、資源配分をゆがめてしまう。そして、何でも税金や国家に頼ろうとする風潮が広がります。健全財政で対応できるならいいが、どの国の政府も借金を膨らませて要望にこたえようとする。これではどの国もギリシャと似た運命をたどってしまう・・・
「財政赤字を生みやすい民主主義の弱点を克服する手段はないのでしょうか」
・・・国家対個人の対立軸だけで考えたら解はありません。二つの間を調和させる何かが必要です。税金への依存が比較的少ない米国や英国では、NPO、労働組合や消費者団体のような中間団体がその役目を果たしています。たとえば日本では各省庁が受け持つ各種の統計づくりも、米英では一部NPO組織が担っている。あるいは米国の地方自治の強さも、健全な民主主義をうまく機能させようというメカニズムの一例です・・・
「政府を動かすことだけが民主主義ではないのですね」
・・・自分たちの身の回りのことは自分たちで決める。お上や国家から言われてやるのではない。民主主義を堕落させないためには、そういう独立自尊の精神が不可欠なのです。
ただし大事なのは公共精神という土台も欠かせないことです。私も市場経済は尊重しますが、皆が私的な欲求を満たそうとするばかりではいい社会は生まれません。公と私のバランスが必要です・・・
詳しくは原文をお読みください。

避難者数、20万人

全国の自治体の協力を得て、毎月、避難者数の調査をしています。8月13日現在で19万9千人と、初めて20万人を下回りました。公営住宅建設や高台移転が進んでいて、順次、仮設住宅を出る人が増えています。もっとも、まだ20万人の方が、避難しておられるということです。
住宅建設を急いでいるので、これから2~3年の間に、多くの方には恒久住宅に移ってもらえます。住宅の建設を急ぐことと、仮設住宅での体と心の健康を支援することが、引き続きの課題です。現場では、引っ越しの支援や、新しい町でのコミュニティ再建も課題です。そして、身の振り方を決めていない方も、おられます。その方の相談に乗ることも、課題です。

中国経済リスク、戦前日本との類似

朝日新聞8月25日のオピニオン欄は、猪木武徳先生へのインタビュー「世界経済、不安の正体」でした。世界経済の主役に躍り出た中国。その変調が世界経済の不安要因になっています。
「世界経済の命運を握っている中国政府は、混乱なく治めていくことができるでしょうか」との問には。
・・・中国が自分でうまく処理するのかが心配です。いまの中国は1930年代、つまり第2次大戦前夜の日本にとてもよく似ています。第1次大戦後、日本は欧米列強に遅れて準一等国になったが、経済に行き詰まった。そこを何とか打開しようと軍事的膨張が起き、戦争へと突き進んだのです。中国も世界経済に組み込まれ、準一等国になりました。だが国内では格差や環境など多くの問題を抱えている。その摩擦や不満を抑えるため、国家主義に訴えて異様な軍事的膨張を進めています。中国の経済のリスクと軍事のリスクは表裏一体です。中国が戦前の日本のような愚かな歴史をたどる可能性を軽く見ることはできません・・
先生は、もう一つ戦前日本との類似を、指摘しておられます。戦前日本は、「大東亜共栄圏」という名で、経済囲い込みを目指しました。美名と実態とのズレです。
・・・AIIB設立の目的は、建前ではアジア諸国の道路や港湾などインフラ建設に手を貸すことですが、本当の狙いは、彼らが「一帯一路」と呼ぶ欧州との物流ルートを整備し、自国の利権を確保することでしょう。彼らは自分たちのために世界があるという驚くべき野望をもっています・・・
「ユーロに啓発されて数年前「東アジア共同体」やアジアの共通通貨の可能性が議論されました。それは幻想にすぎませんか」との問に。
・・・戦前にもそういう構想がありましたね。提唱したのは、日本を盟主にアジア統一を果たそうとするウルトラ国家主義者たちです。いま日中韓や東南アジア諸国の経済統合を唱えるのは、戦後の理想主義が先走った人々です。しかしわれわれは、そうした「共同体」や「国家連合」の難しさをEUの例からまず学ぶべきでしょう・・・