年別アーカイブ:2026年

若年層の政治参加促進に向けた国際動向

2026年2月10日   岡本全勝

自治体国際化協会の機関誌『自治体国際化フォーラム』436号(2026年2月号)は「若年層の政治参加促進に向けた国際動向と政治教育の在り方」でした。世界各国における若年層の投票行動や若年層への政治教育の取り組みについて紹介しています。若年層の政治参加意識を高めることが共通の課題となっています。選挙権を16歳に引き下げる動きもあるようです。

連載「公共を創る」第123回第124回第125回で、若者の政治・社会参加の問題や主権者教育について、西欧諸国との違いを論じました。政治参加意識を教えるのは学校教育ですが、日本の学校では民主主義の制度は学びますが、「政治的中立性」の名の下に、政治には深く立ち入らないようです。それでは、現実の政治や社会の問題に関心が向きませんよね。それでいながら、突然に選挙権をもらっても、困るでしょう。

明治以来の日本は、政治制度、法制、政府の組織、技術や教育などについて、出来上がったものとして「輸入」してきました。これ自体は大したものです。ただ、そこには限界があります。中央政府や地方自治体がつくることができる「制度」「施設」なら輸入は比較的簡単なのですが、その制度を住民が自分のものとして動かすことは、簡単には輸入できません。国民の主体的な行動を伴う「運用」は輸入しにくかったのです。各国における政治・社会参加は、制度や施設の問題でなく、まさに運用の問題に当たります。

有限な資源としての時間

2026年2月9日   岡本全勝

日本人がつくった社会通念・時間厳守2」の続きになります。織田一朗著「日本人はいつからせっかちになったか」の第Ⅵ章は「資源としての時間が見直されてきた時代」です。

・・・「時間に使われる」のではなく、「自分の時間を〈自分で決めて〉使う」ことが大切なのだ。つまり、本当の豊かさは自分の生活、人生の中で「自分で自由になる時間がどれほどあるか」だとする。確かに幸福とはモノの豊かさで充足されることではなく、精神的な充足感である。
「モノが足りなかった時代」にはモノを手に入れるための金が大切だったが、モノが余ってきた現代に、人生の価値の基準を「金持ち」であることから「時持ち」へと進化させたのだ・・・(p181)とあります。

192ページ以降には、情報化社会になって情報量が加速度的に増えたこと、単位時間当たりに接する情報量の多さ、その摂取と処理・利用にますます時間が取られることを指摘しています。
しかし、過剰な情報は流れていても、処理と利用はされない「無駄なモノ」でしかありません。それに振り回されていると、有限な時間を浪費する「有害物質」でしょう。
この本が書かれたのは、1997年。まだスマートフォンは、世に出ていません。注意と時間泥棒であるスマホによって、さらに自由時間はなくなっているようです。

ところで、162ページに、マーキングペンの生産額が昭和63年(1988年)に急増したことが書かれています。それ以前の7年間は800億円前後で横ばいだったのが、一気に10倍以上の約9000億円に達したのです。「人々が大量の情報を処理するためにマーキングペンを活用し始めたものと推定される」と分析しています。
へえ・・・。印刷機で印刷した資料に、色で線を引いたのでしょうか。その後、印刷せずに画面で見ることが多くなると、マーキングペンは売れなくなったのでしょうか。

事業承継による地域活性化

2026年2月9日   岡本全勝

地域活性化センターの機関誌『地域づくり』1月号の特集は「事業承継による地域活性化」です。
地域の活力は、住民であり、その人たちが暮らしていける産業と生業が鍵です。企業の呼び込み(企業誘致)や、新しい事業(起業)も重要ですが、すでにある企業を継続させることも必要です。何と言っても、すでに何年も営業してきた実績があるのです。
売れ行きが悪化したり、跡継ぎがいなかったりと、廃業が増えます。それをどのようにてこ入れして、経営を継続してもらうか。
地域の資源と伝統の蓄積を生かしてもらいたいものです。
中小企業庁の考え方と支援も載っています。

投開票時間の繰り上げを

2026年2月8日   岡本全勝

今日2月8日は、衆議院議員総選挙の投票日でした。各地で豪雪になっています。選挙事務も大変だったと思います。東京も、久しぶりに雪が積もりました。私は、期日前投票を済ませてありました。

2025年4月10日の時事通信社「コメントライナー」への寄稿で、「選挙投開票にも「働き方改革」を」を書きました。
現行制度では、投票時間は午後8時までと公職選挙法で定められています。これを午後5時までに繰り上げてはどうかと提案しました。かつて投票時間は午後6時までだったのです。投票率向上のため、1997年に午後8時までに延長されました。
2003年に期日前投票制度が導入され、投票に行く自由度は広がりました。前回の衆議院選挙では、投票者数のうち約4割が期日前投票でした。投票日はたいてい日曜日です。わざわざ日曜の夜に投票に行かずとも、昼か期日前投票に行けばよいのです。

特に投票日はもっと早く、例えば午後3時に閉じれば、4時から開票作業を開始できます。
開票作業に携わる関係者は、約20万人だそうです。その人たちのことを考えても、なるべく早く済ませるべきでしょう。開票結果を少しでも早く知りたいのが人情です。候補者の陣営はもちろん、報道関係者や見守っている有権者も早く寝たいですよね。

幸福の一番の要素は自己決定

2026年2月8日   岡本全勝

生涯の生活設計」の続きです。掲載論文の中で、菅原圭さんの「幸福の基盤はひとり力を高め自分の居場所をつくること」もお勧めです。

日本の経済力が高いのに幸福度が低いことを指摘した上で。
・・・では、幸福ってどんな状態を言うのでしょうか。
まず健康であること。経済的不安がないこと。まわりの人との人間関係が良好なこと・・・・などがあげられます。
れ以上に、幸福であるためのいちばん重要な要素は「自己決定」なのです。
「世界幸福度調査」の評価軸は1人当たりGDP、健康寿命などのほか、望む生き方を自己決定できるかどうか、「ひとりひとりの人生の自由度」も採択しています。日本はこの「人生の自由度」が世界79位と、かなり低いことが注目されます。
しかも、日本人自身、幸福とは自分が望む生き方ができることだとわかっています。2020年、 経済産業研究所が日本人2万人を対象に行った調査でも、所得や学歴より「自己決定」が幸福度を高めるという回答が最多。 「自己決定」の幸福度は学歴の満足度の約9倍、年収の満足度の1・5倍も高いという結果が報告されています・・・

続いて、次のように書かれています。
・・・この経済産業研究所の調査結果で気になるのは、 中年期になると幸福感がぐんと落ち込むことです。うなずく人も多いのでは・・・
「自己決定」どころか、思いどおりにいかないない現実に、自分を抑えて毎日を過ごしている。そんな人が増えてくる。それらが、中年期になると幸福度が大きく落ち込むという結果をもたらすのでしょう・・・

こんなことも。
・・・福度を引き上げることはけっして難しくありません。 誰にでも簡単にでき、 お金も時間もかかりません。
その方法とは、何でも最終的には「自分ひとりで決める」。とくに「大事なことは自分自身で決める」。これだけです・・・

もちろん、自分で決めたことは、うまくいかなかっても他人のせいにはできません。関心ある方は、原文をお読みください。
幸福度高い人は主体的に行動