月別アーカイブ:2026年8月

家庭内孤立6%、独居より不良

2026年8月13日   岡本全勝

7月26日の朝日新聞に「同居人いるのに…家庭内孤立の深い孤独 会話1日15分未満 子や孫と時間合わず、ご飯も独り…」が載っていました。

・・・家族と一緒に暮らしているから精神的にも大丈夫、だとは限らない――。家庭内で孤立している人は、主観的健康感や、うつ状態、ウェルビーイング(幸福感)、孤独感のいずれもよくなく、独居者と比べても不良な傾向が見られたことが、東京都健康長寿医療センター研究所のチームの調査で明らかになった。

社会的孤立は様々な心身の病気と関連することが知られているが、従来の研究では、同居家族との関係にはあまり焦点があてられてこなかった。
そこで研究チームは、同居者がいるが家族との会話時間が1日15分未満で、家の中で1人で過ごすことが多い人を「家庭内孤立」と定義。東京近郊の埼玉県和光市にすむ、独居を含む40歳以上の8824人(男性44・7%、平均70歳、要介護3~5の人を除く)に2023年、主観的健康感とうつ状態、ウェルビーイング、孤独感について国際的な指標に基づいて尋ね、家庭内孤立との関係を調べた。

その結果、家庭内孤立にあたる人は全体の4・7%で、同居者がいる人の5・8%。年代が高いほど、女性より男性で割合が高い傾向が出た。
心の健康との関連を、性別、年齢、婚姻状態、市内の居住年数、就労状況のほか、飲酒、運動などの生活習慣、持病、近所づきあいや地域活動などの影響を取り除く手法で分析した。
すると、家庭内孤立の人は、家庭内で孤立していない人よりも、主観的健康感が低い割合が1・33倍、うつ状態の疑いが1・48倍、ウェルビーイングの低い割合が1・56倍で、孤独感も高かった。独居者と比べても家庭内孤立の人は主観的健康感が低い割合などが1・2~1・29倍で、孤独感も高く、精神的健康がよくなかった。

65歳以上で家庭内孤立だと、うつ状態との関連が強まった。ただ、近所づき合いや同居家族以外との交流が多いと、孤独感が弱まる傾向も見られ、家庭外のつながりが支えになる可能性があるという。
研究をとりまとめた村山洋史・研究部長(公衆衛生学)によると、従来の孤立対策では、独居者や家庭外の交流が少ない人に焦点があたりやすく、家族と同居している人は支援の対象として見落とされる可能性があるという・・・

増える役所の仕事2

2026年8月12日   岡本全勝

増える役所の仕事」の続きです、5月に自民党行革本部に呼ばれた際に、使った資料を紹介することを忘れていました
関係者に数え直してもらうと、2001年の省庁再編時に各府省設置法に列記されていた929の所掌事務は、2026年度には1157に約2割増えています。

この40年近く、我が国は、「小さな政府」を目指して、新自由主義的改革として業務を民間に切り出したり、規制を緩和したりしてきました。その努力はほぼ行き着いたように見えます。他方で新しい社会の課題が発見され、行政需要は減るどころか、増えています。各政策について事業量を減らす努力は続けられていますが、政策課題の数の方が増えているのです。

行政学では、近代国家の変遷を次のように説明してきました。
まずは、市民生活や経済活動を自由に任せ、政府の介入は最低限にとどめる夜警国家から出発します。しかし、19世紀半ばから、新しい社会問題や都市問題への対応が必要となり、サービス国家へ転換します。その動きは20世紀に入ってさらに加速し、政府の役割が生存権の保障にまで拡大します。また、景気変動への介入を求めるケインズ経済学も採用します。このような国家は福祉国家と呼ばれ、財政規模と公務員数が膨張しました。

第二次世界大戦後、世界は経済成長に恵まれ、行政サービスはさらに拡大しました。ところが二度にわたる石油危機で、先進各国経済は不況になり、財政危機に見舞われます。1980年代には、行政活動を見直し縮小する行政改革が、先進各国の共通の政治課題となりました。新自由主義的改革は、この流れにあります。

ところが、成熟社会ではこれまでにない新しい問題が生まれ、政府の役割は再度、広がっているように見えます。この点について、行政学が分析と理論化をして、そして対処の方針そ提示することを期待しています。

ネット匿名投稿の開示請求1万件

2026年8月12日   岡本全勝

7月24日の読売新聞に「ネット匿名投稿の開示請求1万件超、2年間で2・5倍に増加…SNSでの中傷など悪質投稿後絶たず」が載っていました。

・・・インターネット上の匿名投稿で名誉を傷付けられたなどとして、被害者が投稿者情報の開示を求める裁判の申し立てが、2025年に初めて1万件を超えたことが最高裁のまとめでわかった。2年間で2・5倍に増えた。SNSでの中傷など悪質な投稿が後を絶たないことが背景にある。
ネット上では長年、自らの氏名を明かさず、虚偽や私生活を暴露する情報を書き込んだり、著作物を無断で拡散したりして、他人の権利を侵害する投稿が問題となっている。

プロバイダー責任制限法(現・情報流通プラットフォーム対処法)は、匿名投稿の被害者が、投稿者の情報開示を裁判所に求める権利を認め、投稿者を特定して損害賠償を求める手続きが設けられている。
従来は、▽SNS事業者などへの裁判を申し立てて投稿者のIPアドレス(ネット上の住所)を特定▽それを基にプロバイダー(接続業者)に氏名や住所などの情報の開示を求める――の2段階の手続きが必要だった。22年10月施行の改正法で、裁判所に1回裁判を申し立てれば、SNS事業者とプロバイダーに同時に開示を求められる新制度が加わった。

被害者による手続きが簡単になったことで申し立てが促されたとみられ、最高裁によると、新制度に基づく開示の申立件数は、23年の3959件から24年に6779件と1・7倍となり、25年は1万72件に達した。2年間で2・5倍に増えたことになる・・・

鎌田先生解説、熊本地震と今後の巨大地震

2026年8月12日   岡本全勝

鎌田浩毅先生が、8月6日のテレビ朝日「モーニングショー」に出演して、「“大地変動の時代”突入?熊本地震も一環か 専門家「南海トラフの前兆」指摘も」を解説しておられます。ウェッブで見ることができます「大地変動の時代 南海トラフ地震関連は?」。約30分あまりの番組です。
すごくよくわかる説明でした。

「週刊エコノミスト」の連載「役に立つ地学」第261回の熊本地震の解説(8月12日掲載)も、無料で読むことができます。

物価指数からネクタイが外れた

2026年8月11日   岡本全勝

8月8日の日経新聞に「物価算定からネクタイ除外、消費の変化映す 新たにプロテイン追加」が載っていました。
・・・総務省は7日、基準年の見直しを反映した消費者物価指数の改定値を公表した。家計の消費実態を踏まえ、新たにプロテインパウダーやペット保険料などを対象品目に加えた。ネクタイや婦人用ストッキングなどは除外した。
たこ焼きや通信教育なども対象に加えた。ネクタイや婦人用ストッキングのほか、ビデオソフトレンタル料なども除外した。一部品目の名称も変えた。「男子」「婦人用」はそれぞれ「男性」「女性」に改めた。「男子用コート」は「男性用コート」に「婦人用上着」は「女性用上着」とした・・・
総務省統計局資料「消費者物価指数2025年基準改定の概要

社会人になって、スーツを着てにネクタイを締めたときは、何かしら一人前になった気になりました。それまでは、学生の下宿暮らし。きちんとした服も持たず、楽な(だらしない)格好でした。
その後は、仕事に忙しく、スーツとパジャマとスポーツウエアだけで過ごしたことは、いくつかのところで書きました。その3つしか生活の場面がなく、仕事着は紺のスーツが「制服」でした。
あるときから「世間」に反抗して、クレリックシャツや上下そろいでない洋服を着るようになりました。みんなから変に思われましたが。それでも、ワイシャツ(色物でも薄い色)、ネクタイ、上着は必須と考えていました。
クールビスが導入されたとき、よいことだと思いました。ただし、私の基準から外れた「だらしなく見える服装」には違和感がありました。その後、どんどんと基準が緩くなりました。ネクタイが売れなくなるのは、当然ですね。

検索したらネクタイの話題は、何度も書いていました。「ネクタイ、8割減」「ネクタイはなくなるか」「ネクタイとスーツは伝統衣装になるか