「豊かになるために働くと」の続きです。漁師の逆襲に笑ってしまいますが、「たくさん儲けたので、引退して悠々自適」という人は、あまり見かけませんねえ。昔は、ある年齢になると隠居するという風習もありましたが。定年で退職、再就職先も終わって仕事がなくなった状態が、それに当たるのでしょうか。少し違うような気もします。
幸せや満足とは何かを、考えさせられます。「人工知能で浮いた時間は仕事に」を考えると、人生に目標を持つのかどうか、足るを知るかどうかによるのかもしれません。目標がないと、いつまでも仕事を続けるのです。
人間は、じっとしていられない動物のようです。子どもを見ていると、特にそう思います。常に動き回る、先に進みたくなるのです。すると、手に入れた幸せ(現状)に留まらず(満足していても)、さらに先を目指して活動します。
ただし老人になると、さらなる活動が難しくなり、またおっくうになって留まります。そこで、満足を認識するのでしょう。
次のことも、思い出しました。
『新地方自治入門』(2002年)で、梶山静六・元官房長官が、大平正芳・元総理の次のような言葉を紹介しておられることを書きました(『破壊と創造』2000年、講談社)。
「梶山君、日本人はずっと貧しい社会を生きてきたから、貧困の中で美しく生きることは知っているが、豊かさの中でどう生きるかは知らないんじゃないか」