年別アーカイブ:2023年

仕事で必要な能力

2023年4月27日   岡本全勝

4月12日の日経新聞夕刊「グローバルウオッチ」に「インドネシア 日本の規律性、教育に導入」が載っていました。

・・・地元で「就職率100%校」として人気になっている職業専門学校がある。ジャカルタ郊外の「ミトラ・インダストリMM2100」だ。日本の工業高校と商業高校を組み合わせたような私立校で、丸紅を退社した小尾吉弘さん(64)が2011年に現地の元仕事仲間と共同で創設した。
同校は仕事で必要な能力を「知識(知っている)」「技能(できる)」「態度(やり切る)」の3つに分ける・・・

鋭い分析です。知っている(筆記試験でよい成績を取る)だけでは、仕事はできないのですよね。頭がよく他人の仕事を批判するのに、自分ではできない職員。やらせればできるのに、積極的には取り組まない職員。みなさんの職場にもいませんか。

生成人工知能2

2023年4月26日   岡本全勝

生成人工知能」の続きです。
では、どのような悪影響があるか。自分で計算せず電卓を使って算数の答えを書いた人は、日常生活で簡単な計算ができず、電卓なしでは暮らせなくなります。でも、電卓を持ち歩けばよいのでしょう。

人工知能で答案をつくって試験を通った人は、どうなるか。仕事場に人工知能を持っていけば、文章を作ることができます。電卓で計算することと同じです。すると経営者は、人工知能を持って出勤する労働者を雇う必要はありません。人工知能の機械を買えば、安上がりです。
当面、コンピュータ・人工知能にできないことは、過去の蓄積を超えて、新しいことを考えることです。人の能力は、機械に置き換えることができるような従来の延長ではなく、何か新しいことを付加することに使うべきです。

これに関して、「人間ワープロ」と私が読んでいる事象を指摘しておきます。会議の際に、出席者のおつきの人たちが、後ろに座って一生懸命メモを取っています。記者会見でも、記者たちが一心不乱に発表者の発言をワープロで打っています。これは、現時点でも、機械に置き換えることができるでしょう。

かつて部下が出席した会議の報告を求めた際に、「結論だけ言ってよ」とお願いしました。ところが。「今、全文を文字に起こしているので待ってください」「要旨をまとめるのは大変なのです」との答がありました。
そうです、単純な速記は機械にでもできる作業で、要旨をまとめるのは頭脳が必要です。あなたは、機械にもできる「人間ワープロ」ではなく、要旨をまとめる「頭脳」になってください。

負担増はいや

2023年4月26日   岡本全勝

4月10日の朝日新聞に世論調査結果が出ていました。「負担増「よくない」60% 「異次元の少子化対策」財源 朝日新聞社世論調査

・・・ 8、9日に実施した朝日新聞の世論調査で、政府の少子化対策の費用にあてるために国民負担が増えてもよいかを尋ねたところ、「増えるのはよくない」が60%で、「増えてもよい」の36%を上回った。岸田文雄首相の唱える「異次元の少子化対策」の実現には膨大な財源が必要となるが、国民負担の行く末には厳しい視線が注がれている・・・
・・・防衛費の大幅な増額と、そのために1兆円の増税をする方針への賛否も尋ねた。防衛費の増額は賛成41%、反対50%と割れたのに対し、増税方針には反対68%が賛成26%を大きく上回った。防衛費増額に賛成の人でも、増税には4割が反対と答えた・・・

では、財源はどこから調達するのでしょうか。

「公共を創る」連載4年

2023年4月25日   岡本全勝

連載「公共を創る」が、2019年4月25日から掲載を始めて、4年になりました。5年目に入るということです。あと2回で150回になります。最初の頃は毎週木曜日に、最近は毎月3回木曜日の掲載です。よく続いたものです。お付き合いいただいた読者の方々に感謝します。

当初の予定が狂い、こんなにも長編になったことは、「「公共を創る」連載3年」をお読みください。私の問題関心は変わっていないのですが、書き進めていくうちに、社会の課題の項目が広がりました。また、読み物とするために具体事例などを豊富に入れるようにしているからでもあります。

若い人が知らないであろう「昔の話」を書くことも意識しています。私の経験や考えたことを、伝えたいという思いがあります。
国家行政論は、書かれたものが少ないのです。特に最近は、官僚がものを言わなくなりました。私はありがたいことに、自治省・総務省だけでなく、省庁改革・再チャレンジ政策・首相秘書官・大震災復興など、行政を考える仕事をさせてもらいました。
原稿に手を入れてくれる右筆が、私の主張を理解してくれて、間違いの訂正だけでなく、違った意見も書いてくれるのです。

去年の今ごろ「あと半年くらいかかりますかね」と書いたのですが。ようやく結論の部分に入ったので、あと半年で終わるでしょう。

生成人工知能

2023年4月25日   岡本全勝

生成人工知能や対話型人工知能が、報道を賑わしています。
いくつかの要素を入れると、それに沿って文章を書いたり、応答してくれるとのこと。それが、かなりの水準に達したのです。学校での作文の宿題や試験に、本人に代わって答えを書いてくれます。大学でも、論文を代筆してくれます。

その開発を止めたり、規制してはどうかといった議論も、出ています。でも、開発は止まらないでしょう。人間は便利なものは、使いたくなります。
「電卓を禁止しろ」とは言わないでしょう。ただし、数学の試験には持ち込みが禁止されます。便利になることと、試験や宿題に利用しないこととは、別問題です。
代筆なら、人工知能に頼らなくても、大学入試で学外の人に作ってもらい、携帯電話で送ってもらう事件が出ています。作文や論文の代筆は、しばしばあるようです。

作文にしろ答案にしろ、「いくつかの要素を入れて文章を作れ」という条件なら、いずれコンピュータが書いてくれるようになるでしょう。学生が教科書を学んで、それらの知識から文章を作るのと同じ作業ですから。外国語の翻訳も同じです。よく似た構文を選び、訳語の中から適切なものを選べばよいのです。この点では、かなり進んでいるようです。

役所でもよく作られる上司の挨拶文、「本日ここに××が開催されるに当たり、一言お祝いの言葉を述べます・・・」などは、人工知能に任せるのがよいですね。あれほど、聞いていて、あほらしい文章はありません。
結婚披露宴の祝辞も同じです。そして、機械がつくってくれる祝辞は似たり寄ったりになって、面白くないでしょうね。話者の体験談や、新郎新婦との関係といった、機械が知らない話を入れることが、受ける話のコツですから。