月別アーカイブ:2023年12月

顧客からの嫌がらせ、カスタマーハラスメント

2023年12月6日   岡本全勝

11月27日の日経新聞夕刊に「「カスハラ」経験64.5% 土下座強要や居座りも クレーム対応担当者を調査」が載っていました。
・・・顧客からの嫌がらせや迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を直近1年間に受けた人は64.5%に上るとの調査結果を危機管理コンサルティング業「エス・ピー・ネットワーク」(東京)が27日までに発表した。土下座強要や長時間の居座りなどを経験した人もいた。
同社は「従業員を守れないと、人材確保に大きな影響を及ぼす」と指摘している・・・
取り上げられている行為は、執拗な言動や威圧的な言動で、「土下座を強要」「2時間近く居座り」「3時間以上の拘束」などが挙げられています。
カスハラの影響の質問(複数回答)では「メンタル・モチベーション低下」49.2%、「本来の仕事への圧迫」28.3%、「従業員の離職」20.9%です。

12月1日の読売新聞には「カスハラ被害経験52% 人材サービス会社調査 大声で威嚇、謝罪を要求」が載っていました。
求人サイトに登録している女性640人に、客から理不尽な要求などを突き付けられるカスタマーハラスメントの経験を尋ねたところ、52%が被害を受けていたとのことです。
「大声でどなられたり罵倒されたりする」「長時間しつこく問いただされる」「暴言をはかれる」などです。「お客様は神様ではないということを幅広い年代に理解してほしい」という期待や、「理不尽な要求など、正当性のないカスハラはもはや犯罪なので、どんどん警察に通報すべきだ」「法律で取り締まる方がいい。監視カメラなどでチェックが必要だ」と、毅然とした対応を求める意見もありました。

厚生労働省は昨年2月に対応の手引を策定しました。今後これを実効性あるものにすることが必要です。
役所では、早い時期から、行政対象暴力が問題になりました。

好調「自治体のツボ」

2023年12月5日   岡本全勝

何度か紹介している「自治体のツボ」です。毎日、欠かさず、地方行政の話題を取り上げています。
東京や他県の新聞には載らないようなニュースが紹介されています。かなり労力をかけているようです。例えば12月3日

また、筆者独自の視点、それもしばしば辛口の評価が書かれています。新聞やテレビでは発言されないような、思い切った意見もあって、興味深いです。例えば11月25日11月27日。
一度、見てください。

転職希望者1000万人

2023年12月5日   岡本全勝

11月28日の日経新聞に「転職希望者1000万人突破 転職実績は横ばい」が載っていました。
・・・転職はしたいが、実際にはなかなか踏み切れない。総務省の労働力調査によると、そんな就業者の実態が浮かび上がる。2023年7〜9月平均の転職希望者は初めて1000万人を上回った。一方、実際に転職した人はほぼ横ばいだ。人手不足は深刻だが企業もやみくもに採用に走っているわけではない。
労働力調査によると、23年7〜9月平均の全国の就業者が6768万人。このうち15%にあたる1035万人が転職希望者だ・・・

しかし次のような指摘もあります。
・・・リクルートワークス研究所の調査によると、転職希望者の1年後の転職率は2割未満だ・・・

連載「公共を創る」目次7

2023年12月5日   岡本全勝

目次6」から続く。「目次1」「目次2」「目次3「目次4」目次5
全体の構成」「執筆の趣旨」『地方行政』「日誌のページへ

(2)官僚のあり方
12月7日 170政府の役割の再定義ー官僚の人事政策─その現状
12月14日 171政府の役割の再定義ー官僚に求められる能力─その変化を巡る考察
12月21日 172政府の役割の再定義ー官僚に求められる「交渉能力」とは
(2024年)
1月11日 173政府の役割の再定義ー成熟社会において官僚に求められる能力とは
1月18日 174政府の役割の再定義ー課題解決型思考と構想力
1月25日 175政府の役割の再定義ー官僚の職場を巡る課題─その解決に向けて
2月1日 176政府の役割の再定義ー官僚の長時間労働を減らす三つの方法
2月8日 177政府の役割の再定義ー官僚の「やりがい」を巡る考察
2月15日 178政府の役割の再定義ー職員育成の見直しに向けて
3月7日 179政府の役割の再定義ー公務員の「身分」を巡る考察
3月14日 180政府の役割の再定義ー管理職、どう育てるか?
3月21日 181政府の役割の再定義ー管理職が果たすべき「役割」とは?
4月4日 182政府の役割の再定義ー幹部官僚の職責
4月18日 183政府の役割の再定義ー「蟻と鷹の目」で見た幹部官僚の職責
4月25日 184政府の役割の再定義ー戦後日本の転換点を巡る思索
5月9日 185政府の役割の再定義ー広く日本の在り方を考える必要性
5月16日 186政府の役割の再定義ー幹部官僚としての心構え
5月23日 187政府の役割の再定義ー震災復興、政治主導の在り方と官僚の仕事
6月13日 188政府の役割の再定義ー重ねた被災地訪問と信頼関係の醸成
6月20日 189政府の役割の再定義ー原発事故への対応と復興庁の発足
6月27日 190政府の役割の再定義ー復興庁の「社風」と「これまでにない危機」への心構え
7月4日 191政府の役割の再定義ー幹部官僚の自覚と教育訓練
7月11日 192政府の役割の再定義ー行政組織のパラドックス
7月18日 193政府の役割の再定義ー日本全体の中長期的な課題と対策の検討を
8月1日 194政府の役割の再定義ー幹部官僚に必要な能力と企業幹部との違い
8月8日 195政府の役割の再定義ー官僚への信頼を取り戻すには
8月29日 196政府の役割の再定義ー転換を迫られる公務員の人事政策
9月5日 197政府の役割の再定義ー成熟社会の到来と変化する国のかたち
9月12日 198政府の役割の再定義ー官僚という職業を選んでもらうために
目次8へ続く」

キッシンジャー氏死亡

2023年12月4日   岡本全勝

キッシンジャー氏が亡くなりました。100歳だったそうです。夏には中国を訪問しておられました。最後まで元気だったのですね。

アメリカと中国との国交正常化の時、私は高校生でした。自由主義陣営と共産主義陣営が対立するという国際構造を教えられていた、そしてそれが強固なものと思われていたときに、米中が手を握るとは、驚天動地でした。後から考えると、それが成り立つ国際条件はできていたのです。でも、誰もそんなことを考えず、企画しませんでした。構想力の強さを考えます。

20世紀後半の歴史を変えた、それも誰も予想をしないことをやってのけたのは、キッシンジャー氏とゴルバチョフ氏でしょう。戦争なしで成し遂げたのです。
キッシンジャー氏はその後も影響力を保ったのに対し、ゴルバチョフ氏は政権を追われその後は不遇でした。
ゴルバチョフ氏の場合は、共産主義を変えるという構想は実現したのですが、現実はそれを追い越してソ連や共産主義国家の崩壊まで進んでしまいました。今となっては、「必然」とも見えますが。彼が自由化を進めなければ、そして東欧諸国の自由化を阻止したら、大きな被害を生んでいたでしょう。
もっとも、キッシンジャー氏の作った「共存」する世界は、レーガン大統領がソ連を解体に追い込むという「力でねじ伏せる」政策で、終わったようです。

キッシンジャー氏の『外交』 (1996年、日本経済新聞出版)も勉強になりました。これも、古くなりました。世界情勢は驚くほど早く変化しています。