突然の病、死と向き合うには

6月14日の朝日新聞夕刊「こころのはなし」、鎌田東二・京大名誉教授の「突然の病、死と向き合うには」から。

 最近、記者(42)の周りでは病気で手術を受ける人が増えた。30、40代のがんも多く、ひとごととは思えない。突然、死を意識せざるを得ない病が降りかかったとき、どう向き合ったらいいのだろう。心の痛みを対話などで癒やすスピリチュアルケアの専門家で、宗教学者の鎌田東二(とうじ)・京都大名誉教授(72)は自身もステージ4のがんが見つかり、治療を続けている。京都の自宅を訪ねた。

――スピリチュアルケアの専門家として、どんなことを考えましたか。
「がんを受け入れて生きる」とは、どういうことか考えました。アメリカの精神科医のキューブラー・ロスが1969年、死にゆくプロセスを科学的にとらえています。
病を告げられてから五つの葛藤があり、最初は「否認」です。頭では理解しようとしても、何かの間違いだと否定します。次に「怒り」です。もっと悪いことをしている人はいるのに、なぜ自分が、と考えます。
3番目は「取引」です。信仰心がなくても神仏にすがり、これをやり切るまで生かして、と取引します。4番目が「抑うつ」です。もうだめ、神も仏もいない、とあきらめの気持ちになります。
最後が「受容」です。死は自然なことと考えられるようになり、静かな時間を過ごすことができます。

――ご自身はいかがですか。
宗教や死生観を50年近く研究し、普段から死を意識してきました。そのせいか、5段階目の「受容」が強いんです。いきなり「受容」したという感じです。
それでも健康を失うと、絶望したり、うつになったり、負の感情が連鎖します。私は合併症による2週間の絶食療法がきつかった。このまま体力が落ちて死ぬかもしれない。治っても今までのように動けるのか。患者が抱く不透明感に直面しました。
このとき、詩を作りました。自分のなかに起こる心の叫びを言葉にすることで、自分自身を支えることができました。
生きていれば必ず逆境が訪れます。逆境は暗く長いトンネルです。しかし、トンネルは必ず抜けられます。抜けたら、大きな光が与えられ、その人の人間性に強い力が加わります。
ただ、信仰心のある人のほうが逆境に強いことは間違いありません。

人事院初任研修

今日7月3日は、人事院の初任研修「行政政策事例研究・政策課題研究」で、基調講義をしてきました。北区西ヶ原の研修合同庁舎です。対象者約700人が8班に分かれて受講します。今日の組は約90人です。「2022年の研修

東日本大震災での経験を、話しました。彼ら彼女らは、当時小学生です。知らないことが多いでしょう。皆さん熱心に聞いてくれました。質疑の時間も超過しました。仕事の進め方、職場の風土づくりなど、公務員らしい質問も。
そして、課題を与えます。参加者は、いくつかの班に分かれて議論し、次回にそれを発表します。

今日の補足
1 仕事で悩まないコツは、「明るい公務員講座3部作
2 失敗をした場合の対応については、「お詫びの仕方」「責任をとる方法

累計1万記事

このホームページに書き続けている記事の数が、1万を超えました。
この画面左側についている、カテゴリー別の記事数の合計です。作成ソフトは、合計なども数えてくれます。累計8000記事が、2020年10月でした。9,000記事到達は、気づきませんでした。

もっとも、パソコンを買い換えて記録を移し替える際に、過去記事をいくつかまとめてしまったこともあり、正確ではありません。まあ、たいした問題ではないです。
平日はほぼ2本、休日は1本書いているので、1年で650本程度でしょうか。

自治体のツボ、分権30年の評価

先日紹介した「自治体のツボ」が、分権決議から30年を機に、振り返って評価をしています。
分権決議30年を考える①意識」から始まって、財界人、知事、合併、国地方と、なかなか思いつかない、多角的な分析です。これは、この30年間、分権を追いかけていないと書けない内容です。参考になります。

街の国際化

平成時代から、国際化が一つのはやり言葉になりました。海外に行く国際化と、海外の人が日本に来る「内なる国際化」がありました。一つは観光客の増加で、もう一つは外国人労働者の増加です。

京都などで海外からの観光客が増えて、「これが国際化か」と思うことがありました。「そういえば、かつてパリやロンドンに行ったときに、外国からの観光客ばかりだなあ」と思いました。
外国人労働者の増加は、特定の市町村(工場のあるところ)とともに、東京でもコンビニや飲食店でたくさん働いています。

もう一つ、最近外国人が増えたなあと感じたのが、高円寺の商店街です。観光地とは言えない商店街です。特徴と言えば、古着屋と居酒屋が多いことです。だから、私が入るような店が少ないのです。その商店街に、外国人観光客と思われる人が増えたのです。
6月19日の日経新聞1面コラム「春秋」が、高円寺を取り上げていました。
東京観光財団が、訪日観光の目玉の一つに推しているとのこと。「東京の素顔にふれられる」と好評で、高円寺体験を組み込んだ日本ツアーができたのです。
へえ、そんなことが売りになるのですね。