「経済停滞の30年」の続きです。10月20日の朝日新聞13面の「置き去り、米と339万円差 424万円、日本の平均賃金」には、次のような指摘もあります。
・・・そもそも、春闘による団体交渉と関係ない労働者は、ちゃんと賃上げ交渉ができているのだろうか。
リクルートワークス研究所の調査では、入社後に個人で賃上げを求めたことがある人は日本では3割だが、米国では7割だった。「日本には忍耐を美徳とする企業風土がある。個人が賃上げを主張すると『空気を読まない強欲なやつ』とみられがち」と話すのは、連合総研の中村天江主幹研究員。だが、労組が弱体化し、個人の賃金交渉が根付かない現状では、労働者は賃金の決定に関与できず、受け身の姿勢から抜け出せない。「働き方が多様になるなか、個人のボイス(声)を届ける環境づくりが重要だ」と訴える・・・
日本人の忍耐という美徳、企業に処遇を委ねる「会社人間」、転職しにくい労働慣行が、負の機能を果たしています。