今どきの夫婦茶碗

長年使っていた湯飲みにひびが入ったので、新しいのに取り替えました。かつて講演に行ったときに、お土産にいただいた夫婦茶碗があったので、それを出しました。
その夫婦茶碗は、当地の名物の焼き物です。いただいたときに(箱に入っているので中身を見ずに)、「大きさは同じですか。大小があるのですか」と聞いたら、「大小があります」との答えでした。「男女共同参画の時代に、同じ大きさでないのは、時代遅れですよ」と申し上げました。

使おうと思って箱から出したら、確かに2つの大きさが違います。黒っぽいのが小さくて、赤いのが大きいのです。で、小さい方を私のにしました。最近の夫婦茶碗は、女性上位になっているようです。
それとも、わが家の力関係を知っていて、この組み合わせを選んでくれたのでしょうか。まさか。

赤いのを女性用と決めるのが、間違いかもしれませんが。そのように、なじんでいます。公共のお手洗いなども、そのような表示ですよね。

追悼、岡本行夫さん

岡本行夫さんが、お亡くなりになりました。
ニュースを聞いたときは、「嘘だろう」「誤報であって欲しい」と思いました。岡本さんの業績は、各紙が伝えているとおりです。ここでは、個人的な思い出を書かせてください。

私は、湾岸戦争の時の官僚らしからぬご活躍(砂漠で活動する日本製四輪駆動車を手配すること)から、尊敬しました。東日本大震災では、「希望の烽火」でその発想力と実行力に驚かされました
その頃から、親しくしていただきました。仕事でも、励ましてもらいました。大先輩に褒められ、評価してもらえることは、とてもうれしかったです。後輩を育てようという、親心だったのでしょう。

私とは10歳違い、また外交と内政と畑が違うのですが、とてもかわいがっていただきました。海に音楽にと、いろんなことに誘ってもらいました。
異業種の先輩たちがたくさんおられる会合で、突然「全勝さん、あいさつしてよ」とご指名を受けました。そんなときに、私は勝手に「行夫の弟です」と名乗っていました。行夫さんも、「似てない弟です」と笑っておられました。

2月から、春陽堂のウエッブ小説に、「スーパーフィッシュと老ダイバー」を連載しておられました。初めての小説で、長年撮影してきた海中と陸上の写真を入れる「フォト小説」とのことでした。「見るように」とのご指示がきて、きれいな写真とともに楽しみにしていました。行夫さんにしか書けないような、内容です。

ややはにかんだような、相手に気配りをした話しかけ方。大先輩とは思えない物腰に、ついつい甘えてしまいました。高倉健さんに似た男前。広い視野と冷静な考察、そして熱血漢。時差をものともせず、また夜遅くでも元気な体力だったのに。
もう、お目にかかれないかと思うと、残念です。ご冥福をお祈りします。

在宅勤務が変える仕事の仕方4

在宅勤務が変える仕事の仕方」の続きです。会社や役所で、在宅勤務が行われています。なかなか踏ん切りがつかなかった職場も、今回のコロナウィルス対策で、踏み切ったところも多いようです。これをきっかけに、在宅勤務や仕事の仕方の見直しが進むとよいですね。

在宅勤務をやってみると、いろいろなことが見えてきます。
1 向いている仕事と向いていない仕事がある。
新聞記者さんは、記事はどこでも書けて、本社に送ることができるそうですが、肝心の人に会っての取材ができないのだそうです。
事務職の仕事(デスクワーク)の多くは、自宅勤務もできないことはないけど、すべてができるわけではありません。
例えば翻訳や執筆は、どこでもできます。接客業は、客と会わないと仕事になりません。事務職は、この仕事の混合なのでしょう。

2 仕事の仕分けが進む
すると、家でもできる仕事と、そうでない仕事の振り分けが進みます。
それはまた、1日自宅にいて、何ができたか。その成果を上司に報告しなければならなくなります。その前提は、上司が部下に「明日はこれとこれをしてください」と指示を出すことです。指示がない場合は、家で寝ていてもよいことになります。
無駄な仕事が減るでしょう。特に会議です。

3 労働者の評価が進む。
自宅勤務が進むと、労働者に給料を払う際に、2つの働き方の区分をしなければならないのでしょう。
・時間に対して払う=工場労働者、一般の職員
・成果に対して払う=管理職や専門職
というのが、わかりやすい分類ですが、一般の職員も家で何をしたか、成果を問われます。すると、これまでお気楽に「職場に行くだけで給料をもらっていた人」は、給料をもらえなくなります。

4 管理職の仕事が明確になる。
部下にどのような指示を出すか。そして、その成果を評価することが、管理職に問われることになります。
「前例通りにやっておいて」とか「周りの人に聞いてやってください」では、すまなくなります。

ある民間企業幹部は、「これまで考えていたけれど進まなかった、仕事のやり方の見直し、職員削減を進めることができます」と語っています。なるほど、そのようなよい機会かもしれませんね。

薄れゆく方言、私の場合

薄れゆく方言」の続きです。笑い話として読んでください。

35年ほど前に鹿児島県で、職員から「鹿児島弁に慣れてください」としかられました。そこで、努力しましたが、ぜんぜんものになりませんでした。教育界の重鎮である新納先生(「にいろ」と読みます)に尋ねたら、「18歳までに習得しないと、無理でしょう」と言われました。それで、努力を止めました。

私は、その後も、関西標準語を通しています。総理大臣との会話でも、意思疎通に苦労したことはありません。ただし、何かの会議で「全勝さんも、(東京)標準語を話すことがあるんですね」と、参加者から指摘されたことがあります。「不覚だった」と反省しました(笑い)。

NHKテレビにも、雨の予想を伝える予報士さんに向かって「アメと違う。アメや」と叫んでいます(前のアメは東京アクセント、語の後ろが低い↓。後ろのアメは関西アクセント、語の後ろが高い↑。これに、疑問の場合の後ろ上がりのイントネーションが入ると、さらにややこしくなります)。「関西弁は奥深い
とはいえ、私も奈良の実家に帰ると、親族たちの話している奈良弁と、私の言葉が違っていることに気づきます。

過去の記事「皇太子殿下の前で」「清朝の高官との違い」「シャンポリオン」「去年も同じ話題」。何度も同じことを言っていますな。反省しなはれ。

大型連休終了

今日は5月6日。春の大型連休が、終わりました。皆さん、どのように過ごされましたか。といっても、お互いに、だいたい想像がつきますよね。

例年なら、あなたもあなたの家族も、私も私の家族も、行楽地に出かけたり、ゆっくりしたりと、連休を楽しんだものです。ところが、今年はコロナウィルスで、外出ができません。特に行楽地や買い物、食事に行けないのは、つまらないですね。家でゆっくりも、毎日続くとしんどいです。

私は、孫の相手をする以外は、原稿執筆と読書で時間を潰しました。原稿はそこそこ進みましたが、読書は時間があるので集中できず、余り進みませんでした。仕方ないですね。

ふだんの普通の暮らしがありがたいことを、痛感します。明日から仕事です。といいながら、在宅勤務の人も多いでしょう。気持ちの切り替えが、難しいですね。
外出自粛が延長される一方で、解除の検討が始まりました。一気に解除とはならないでしょうが、早く終息して欲しいです。そのためには、辛抱しなければなりません。