初夏の福島の風景

復興の仕事に携わって、東北地方、特に地方を見ることが多くなりました。
沿岸部の被災地域とともに、新幹線の駅からそこまで移動する間の景色です。もちろん、新幹線の窓からも、季節の移り変わりを見ることができます。東京で仕事をしているだけでは、わからない景色です。
野山の緑、田んぼの稲の生長のほか、花がきれいです。桜は、枝垂れ桜の立派な木が多いです。朴の木(ホオノキ)の大きな白い花は、目立ちます。

昨日、楢葉町での会議の帰り、いくつかの場所を見てきました。
常磐自動車道が開通し、相馬福島道路がほぼ開通したので、これを使うと早くて快適に福島市まで帰ることができます。ところが、それでは、これまで通っていた飯舘村、浪江町津島地区、川俣町などを通らなくなるのです。視察する場所があれば行くのですが、他の町の行き帰りに通ると、復興の状況も見ることができます。
で、県道を通ってもらい、遠回りをして、小高区、飯舘村の交流館や住宅などを見てきました。

窓の外を見ていて気がついたのは、バラの美しさと、ひなげしの鮮やかさです。いくつもお宅が、バラを育てておられます。白やピンクの他に、深紅のバラが目立ちます。きれいです。
そして、真っ赤なひなげしです。飯舘村の田畑に、たくさん咲いていました。植えておられるようです。
先月、ハンガリー平原で、牧草地に咲く真っ赤なひなげしを見てきました。ひなげしの花は、アグネス・チャンの歌に出てきました(古いですね)。40年間、「まあ、芥子の花だ」とくらいに思っていました。ひなげしにもいろんな色があるようですが、ハンガリー平原で見た花は、真っ赤でした。
ポピー、アマポーラと呼ばれていることを知りました。ベルギー平原に咲くポピーは、第一次世界大戦で戦場に散った若者の象徴であることを、かつて本で知りました。緑の草原に咲くあの赤は、確かにそれを想像させます。虞美人草だとは、知りませんでした。

福島12市町村の将来像検討会議

今日は、福島12市町村の将来像検討会議に行ってきました。これまでは、福島市や東京で開催していたのですが、今回は、楢葉町、Jヴィレッジで開催しました。Jヴィレッジは、サッカー場だけでなく、ホテルや会議室も備えているのです。

将来像検討会の第1回は、平成26年です。5年近くが経ちました。あの頃と比べると、現地の復興は進みました。順次、避難指示が解除されています。
復興が進むと、地域内での状況の差が、目立つようになりました。早く解除されて住民の戻りが早い町、解除されたが住民の帰還はこれからの町、まだ避難指示が残っている町です。
12市町村を一括りに、議論できなくなりました。これからは、12市町村全体の議論とともに、市町村ごとの状況に応じた対応が必要です。

強いぞ楽天

楽天イーグルスが、調子がよいです。
事前予想では、多くの評論家は下位を想定していました。4月初めに首位に立ち、連休には負けが込みましたが、この3連戦でホークスに3連勝。首位を守っています。

則本、岸の両エースを、欠いてです。岸は復帰しましたが。
二人がいない分を、みんなで頑張ろうという雰囲気。そして、少々の点差でもめげずに逆転する力。頼もしいです。このまま、いえそう高望みせず、もうしばらく頑張ってください。

価値のある書評、無責任な書評

5月25日の日経新聞読書欄「半歩遅れの読書術」、楠木建さんの「プロの書評は最良の情報源 事後性を克服するため読む」から。

アマゾンが薦めてくれる本が「頓珍漢」であることを批判した次に、
・・・さらに役に立たないのが、ユーザーのコメントだ。ほとんどが匿名で、内容は玉石混交。もちろん玉より石のほうがはるかに多い。評価の星の数となるといよいよ意味がない。本は究極の嗜好品。不特定多数の評価の平均値を本選びの参考にする人の気が知れない。
僕にとっての最良の情報源は、結局のところプロの書いた書評である。ネットでの匿名の評価とは質の次元が異なる。知識・見識はもちろん、自分の名前を出す仕事であるからして、気合とサービス精神が違う。
僕が絶対の信頼を置くのはフランス文学者の鹿島茂。フランス文学には関心がないのだが、氏の人間と社会を視る眼とそこから生まれる大胆不敵な論理展開にいつも深く共感している。あっさりいえば、「面白がりのツボ」が合う・・・

鹿島茂先生の書評は、このホームページでも紹介したことがあります。

インターネットは便利な反面、困ったことも起きます。誰でも、何でも投稿できるのです。嘘も。
匿名の投稿は、書評に限らず、とんでもないのがありますね。匿名だと、大胆になるのでしょうか。書いた人の人間性を、疑いたくなります。閻魔様の前どころか、世間に説明できないような発言は、しない方が良いです。

連載「公共を創る」第5回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第5回「想定外が起きた─政府の役割を考える(3)試された官僚の能力」が、発行されました。
前回の被災者生活支援本部の立ち上げに続き、今回は、どのように仕事を軌道に乗せたかを説明しました。
組織を作っただけでは、仕事は進みません。誰が、何を、どのように判断し、処理するのか。その仕事の流れを作り、職員が共有しなければなりません。
一般に役所では、文書決裁規定と組織訓令で定められています。もっとも職員はそれを意識することなく、前任者から引き継いだ、また同僚や上司に教えられて、前例通りに仕事をしています。
しかし、急きょ立ち上げた支援本部は、前例がありません。規定を作る前に、試行錯誤しながら仕事の流れを作っていく必要がありました。