平成時代から引き継ぐもの

平成時代が終わろうとしています。平成時代を、どのように評価し位置づけるか。いろんなメディアが、平成の30年を振り返っています。
もちろん、社会の変化は、天皇陛下の在位によって、区切られるものではありません。しかし、ここで、30年を振り返ることも意義があると思います。
メディアがこれだけも、平成の30年を振り返るのは、国民もまた自分たちの30年を、平成の歴史に重ねて振り返っているのだと思います。

平成時代が、どのような時代だったか。それを考えていたのですが、現時点で平成の30年を位置づけることは、難しいと感じます。なぜ難しいか。
その時代で完結しておれば、評価や位置づけは簡単です。しかし、日本は平成時代の後も続きます。次の時代の種は、平成時代にまかれているのです。
平成時代は、バブル経済とその崩壊から始まりました。その種は、昭和時代に生まれ育ったものです。私がよく取り上げる「明治以来150年のこの国のかたちが、続かなくなった」は、平成時代に顕在化しましたが、昭和時代にその基礎があったのです。

すると、平成の次の時代「令和」の日本社会がどのようになるかによって、平成時代の評価が定まります。将来、例えば10年後から見た際に、平成時代はどのようなものだったか。それを、予測する必要があるのです。
内外の諸条件が変わらないなら、その予測は簡単です。しかし、平成30年間の変化は、国内条件以上に国際条件が変わったことによるものです。その変化は止まらないでしょう。この項続く

歴史教育と歴史学

4月20日の日経新聞教養欄、本郷和人・東大教授の「細川頼之(上) 京都中心の新国家像描く」に次のような話が、書かれています。
・・・面接官が尋ねる。あなたは大学で、社会に役立てる何を学んできましたか? 理系は楽に答えられよう。法学部・経済学部も容易に答えを作成できそうだ。問題は文学部である。とくに実学とは縁遠い歴史学は結構つらい・・・

続きは、原文を読んでいただくとして。以前から考えていたことを、書いてみます。素人の考えなので、皆さんの意見をいただきたいです。
まだ、結論を見出していないのですが。歴史学の持つ意味です。
多くの学問は、大学での学問や研究者の最先端と、高校までの授業内容・大学入試問題がつながっています。しかし、歴史学だけは、違うような気がするのです。

中学や高校で歴史(日本史と世界史)を学びました。当時の私の感覚では、「歴史(の授業と試験)は覚えるものだ」ということでした。その覚えた事実を基に、何か思考するということは、ありませんでした。覚えることが多くて、それどころではなかったとも言えます。
何を言いたいか。他の学問分野では、基礎知識は覚えなければなりませんが、それを基に応用があります。ところが、学校の歴史(学)には、それがないのです。
算数や数学も公式や定理を覚え、問題を解きます。3+3=6は覚えますが、それだけを覚えるのではなく、足し算とは何かを覚えます。そして、いろんな数字が出てきても、足し算できるようになります。理科系の学問はそうでしょう(もっとも、私が学生の頃の生物学は、覚えることばかりでしたが)。

文化系の学問でもそうです。国語も古文、漢文も、取り上げられる小説や文章を丸覚えするのではなく、そのような文章の読み方や理解の仕方を学びます。よって、大学入試には、これまで読んだこともないような文章が出てきますが、質問には答えることができます。
ところが、歴史(学)は、応用が利かないです。私の偏見かもしれませんが。
なぜだろうと、考えました。この項続く

洋書の背文字

気になっていたことを、インターネットで調べました。
アルファベットは、縦書きの際にどのように書くのが正しいのか。そして、アラビア語の場合は、どうするのか。

日本語や中国語は、縦書きも横書きもできます。本格的な書物は縦書きだと教えてもらいましたが、仕事などでは横書きも多いです。その場合は左から右へと書きますが、扁額などは右から左です。これは実は縦書きで、各行が1文字という設定なのです。

アルファベットは、横書きで、左から右へ書きます。では、本の背表紙のように、縦に文字を並べる場合はどうするか。インターネットでいろいろ探したら、次のページを見つけました。
本棚に立てられた洋書の背文字は読みにくい」。かなり研究しておられると、見受けました。

アルファベットの場合、縦書きはないようで、横書きを90度傾けるのです。その場合に、上から下へ書くのか(書き下げ)、下から上に書くのか(書き上げ)。どちらもあるようです。本屋に行くと、首を右に傾けたり、左に傾けることになります。その点、日本語の縦書きは、優れものです。
アルファベットの本でも、古いものは横書きがあるようです。幅がないと、たくさんの文字は入れることができません。このことについても、解説されています。読むとなるほどと思います。
ちなみに、私の本棚を見ると、Enid Welsford著『The Fool: His Social and Literary History』(1935年、London)は横書き、Michael Sandel 著『Public Philosophy』(2005年、USA)は書き下げでした。

で、アラビア文字です。アラビア文字は、右から左への横書きです。これを、本の背表紙にはどう書くか。90度左へ傾け、上から下へと書く(書き下げ)とのことです。

復興庁結の場。大手企業による被災企業支援マッチング

復興庁が、「結の場から生まれた成果」を公表しました。「結の場」は、被災地企業の経営支援のため、大手企業などが持っているノウハウなどで助言する場です。
復興庁が場を設営し、賛同する企業が職員を派遣してくれて、被災地企業の悩みを聞き、助言してくれます。支援する企業は、必ずしもその課題を本業としている会社とは限りません。
今回公表したのは、平成28年度の相談による成果です。相談だけに終わらせず、成果が出ていることを検証しています。
詳しくは記者発表資料を見ていただくとして、いくつかを紹介します。

三井住友海上が、食品加工会社などの、経営計画と人事労務研修を支援した例。
東急電鉄が、食肉会社などの、インターネット販売を支援した例。
富士通が、段ボール製造会社の、新商品開発を支援した例。

ユーチューブ、問題ある投稿を削除する作業

4月21日の日経新聞「未来に挑む」インタビュー、スーザン・ウォジスキ、ユーチューブCEOの「ネットの暗部技術で克服」から。

「動画共有サイト「ユーチューブ」は2005年にシリコンバレーで誕生した。06年に米グーグル傘下に入り世界規模で事業を拡大し、テレビに取って代わるほどの巨大動画サービスになった。一方、不正投稿の拡散で批判も浴びることもある。先端のテクノロジーの役割、その担い手である企業の責任についてスーザン・ウォジスキ最高経営責任者(CEO)に聞いた。」

・・・社会的な責任は私が今年最も力を注ぐ事項だ。私たちにはコミュニティー規範があり、アダルトコンテンツのようにユーチューブでは許されないものを明示している。常に各国の法規を追っているが、それでもヘイトや暴力、ドラッグなどは最新の規範が求められる。昨年だけで規範は30回以上変えた。
毎分500時間分の動画が投稿され、管理するには人と人工知能(AI)の組み合わせが欠かせない。18年には議論を呼びそうな投稿をチェックする要員として1万人を雇った。AIがこうした投稿の発見にとても有効なことも分かってきた。18年10~12月は800万もの動画を削除し、70%はAIによるものだ。大半は誰も視聴しないうちに削除している・・・

・・・ネットで社会が変わることは担い手である企業の責任と裏腹だ。いつの時代でも課題はある。最善のやり方は私たちがテクノロジーをよい方向に使うことを理解し、正しく適用すること。そしてオープンな視点を持ち、どんな課題にも対処することだ・・・