第197国会総理演説、復興関係

今日10月24日に臨時国会が始まりました。総理大臣が所信表明演説をされました。その中から、復興に関する部分を、紹介します。
「二 強靱な故郷づくり」に出てきます。

(震災からの復興)
熊本を訪れる外国人観光客は、昨年、熊本地震発生前の水準を回復しました。来年秋に向けて熊本城天守閣の再建を進め、この流れを加速してまいります。
東北の被災地でも、震災前の二倍近い観光客が海外から訪れるようになりました。本年も全国平均を上回る伸びとなっており、東日本大震災からの復興は、一歩一歩、着実に進んでいます。
原発事故で大きな被害を受けた福島では、避難指示が解除された五つの町や村で、この春、小学校・中学校が再開しました。帰還困難区域でも、間もなく、葛尾村で除染が始まり、全ての復興再生拠点の整備がスタートします。南相馬市では、この夏、最先端のロボットテストフィールドが動き始めました。
東北の復興なくして、日本の再生なし。この決意の下に、「創造と可能性の地」としての東北を創り上げてまいります。

ピンピンコロリとはいかない

10月18日の朝日新聞オピニオン欄「最期は好きにさせてよ」。

上野千鶴子さん(社会学者)の発言から。
・・・現場を歩いてきた経験から断言しますが、施設や病院に進んで入りたいお年寄りはいません。お年寄りは住み慣れた「おうち」が好き。でもそれは「家族と一緒にいたい」という意味と同じではありません。自分以外に誰もいない「おうち」でもおうちが好き。目をつぶっていても、電灯スイッチの位置がわかるとか、住まいとは身体の延長のようなものです。
施設を選ぶお年寄りは、子どもに迷惑をかけたくないという理由から。親を施設に入れる子どもは自分の「安心のため」。親の幸せのためではありません・・・
・・・いま、独居高齢者の数が増えています。2017年の厚生労働省の調査では65歳以上の高齢者世帯のうち、独居世帯は26・4%、独居予備軍の夫婦世帯は32・5%です。以前は死別してひとりになった親を子ども世帯が呼び寄せて同居するケースが多かったですが、独居になっても世帯分離が定着してきました。それ以前から世帯内での家計分離が起きていました。この変化のスピードは私の予想を超えています。
理由は単純です。「独居」はやってみると親にとっても子にとってもラクなことがわかってきたから・・・

遠矢純一郎さん(内科医)の発言から。
・・・ピンピンコロリが実現できるのは、せいぜい1割ほどの方たち。ほとんどの方は様々な病気とつき合いながら、老いていくのが現実です。だれもが「我がこと」として考えないと間に合いません。急に脳卒中になる可能性だって、あります。
私も鹿児島にいる母を自宅で看取りましたが、いざ当事者になると知らないことだらけでした。必要な窓口がどこにあるかを含め、戸惑いました。慌てず、望ましい最期を迎えるために、家族と意思を早めに話し合うことが大切です・・・

ケアレスミスを防ぐ

先日、ケアレスミスを防ぐ話を書きました。「電子メール誤送信防止・フールプルーフ」(9月14日)。
では、なぜ、ケアレスミスが起きるのか。ケアレスミスは、不注意による誤り、注意していれば防げたはずの失敗です。「不注意をなくしましょう」というだけでは、なくなりません。その不注意はなぜ起きるか。そこが、問題です。私の経験では、次のような原因です。

1 他のことに気を取られていた。
これが、一番多いですね。皆さんにも、納得してもらえるでしょう。
例えば、電子メールの案文を入力していた途中に、来客があって中断されます。案文を入力している時は、「次はあの用件を入れて、宛先は××さんと○○さんとに」と頭で考えています。しかし、中断されたことで、それらを忘れて、送信してしまうのです。
新聞紙を広げて、弁当を食べています。片手におにぎりを持って、新聞のページをめくって、その拍子におにぎりを落としてしまいました。これは、悲しいです。新聞記事に気を取られて、おにぎりへの注意が散漫になったのです。この時、優先すべきは、おにぎりです。新聞は、あとでゆっくり読めば良いのですから。食事中に、コップを倒す、食べ物を落とすのは、話に夢中になっているからですよね。

2 慣れたことなので、いつもと変わっていることに気がつかず、いつも通りに処理した。
例えば、よく電子メールをやりとりをしている人への返信です。送られてきた電子メールのCCに、いつもとは違う人が入っているのに気がつかず、送ってしまうことがあります。

3 お酒を飲んでいた。
これは、詳しく説明するのが恥ずかしいので、項目だけにしておきます。

4 そのほか集中力を欠いていた。
風邪を引いて調子が悪い。他に悩み事があって、そちらに気が行っていたなどなど・・

この項続く。

宮城県被災地視察3

宮城県被災地視察で考えたことの続きです。暮らしのためには、働く場と商業サービスとともに、人とのつながりが必要です。
これが、一番難しいです。住民の人とのつながりは、長年の暮らしでできたものです。近所づきあい、幼なじみ、お店や病院でのつきあい、ママ友たちなど。
町が流され、新しい町を作ったことで、つきあいを一から作らなければなりません。高齢者、働いていない人にとって、それは難しいことです。また、戸建てに比べ、集合住宅の公営住宅は、顔を合わす機会が減ります。
復興住宅での住民の体調悪化を、10月18日の朝日新聞「復興住宅 体調悪化の傾向」を伝えていました。

南三陸町高齢者生活支援施設「結の里」も、見せてもらいました。高齢者の孤立を防ぐため、地域での支えあいの拠点です。このような施設は、建物ができただけではダメです。活動が継続することが必要です。それには、お金より人が重要です。活動に期待します。

なお、前回紹介した八葉水産は、復興庁が出している「産業復興事例集」p28にも登場しています。そのご苦労がわかります。お読みください。

ところで、三陸自動車道が順次延伸され、便利になりました。ところが、岩手県視察の際に「浜辺の町が見えなくなった」と書いたのと同じことが、宮城県でも起きています。
南三陸町に行く際に、三陸道を使うと、山の方から町に近づくのです。「え、南三陸町って、山の町だったっけ」と思ってしまいます。

武蔵野市役所研修会

今日は、夕方から、武蔵野市役所部課長研修に行ってきました。ご注文は、大震災の経験と、管理職の心得を話せということでした。それぞれのテーマで1回分あるものを、2つ合わせて1回で話しました。やや無理があったですね。
あとで、「もう少し、管理職の心得を聞きたかった」「職場の3大無駄の話を聞きたかった」との意見をもらいました。すみません、ご関心ある方は、「明るい公務員講座 仕事の達人編」をお読みください。
皆さん、熱心に聞いてくださいました。中には、自治大学校の卒業生も。

武蔵野市は、上品な住宅街。財政力も強く、行政でも先導役を務めてきました。西尾勝先生が行われた、市民参加の実践の市でもあります。
吉祥寺駅はわが家から中央線で4駅。近くなのですが、近年は降りたことがなく。夕方の駅前は、大変な人出でした。東北の過疎地を主に見ている私には、うらやましい限りです。