宮城県被災地視察3

宮城県被災地視察で考えたことの続きです。暮らしのためには、働く場と商業サービスとともに、人とのつながりが必要です。
これが、一番難しいです。住民の人とのつながりは、長年の暮らしでできたものです。近所づきあい、幼なじみ、お店や病院でのつきあい、ママ友たちなど。
町が流され、新しい町を作ったことで、つきあいを一から作らなければなりません。高齢者、働いていない人にとって、それは難しいことです。また、戸建てに比べ、集合住宅の公営住宅は、顔を合わす機会が減ります。
復興住宅での住民の体調悪化を、10月18日の朝日新聞「復興住宅 体調悪化の傾向」を伝えていました。

南三陸町高齢者生活支援施設「結の里」も、見せてもらいました。高齢者の孤立を防ぐため、地域での支えあいの拠点です。このような施設は、建物ができただけではダメです。活動が継続することが必要です。それには、お金より人が重要です。活動に期待します。

なお、前回紹介した八葉水産は、復興庁が出している「産業復興事例集」p28にも登場しています。そのご苦労がわかります。お読みください。

ところで、三陸自動車道が順次延伸され、便利になりました。ところが、岩手県視察の際に「浜辺の町が見えなくなった」と書いたのと同じことが、宮城県でも起きています。
南三陸町に行く際に、三陸道を使うと、山の方から町に近づくのです。「え、南三陸町って、山の町だったっけ」と思ってしまいます。