柏市役所職員研修

今日午後は、柏市役所に呼ばれて、管理職研修の講師を務めてきました。
秋本市長と、先日から、どのような点を話すかを詳細に打ち合わせしていたので、重点を絞って話すことができました。
私は、若くして管理職になりました。本を読んだり、先輩に聞いたりして、管理職のあり方を勉強しました。でも、一番身についたのは、自分でやったこと、特に失敗です。その基本的なことは、本には書いていないのですよね。

いま、「明るい公務員講座」の第3巻「課長編」を編集中です。課長さんたちがどのような点で困っているのか、良い実地調査になりました。
第3巻には、それらも反映させましょう。

伝わっていないカタカナ語

文化庁が発表した「国語に関する世論調査結果」(2018年9月25日)を新聞各紙が伝えていました。特に、官庁が使うカタカナ語です。例えば、9月26日の日経新聞「お役所カタカナなじみは薄く・・・」がわかりやすいです。

コンソーシアム、インバウンド、フォローアップ、パブリックコメント、ガイドライン、ワーキンググループ。漢字で言えば、共同企業体、訪日外国旅行者、追跡調査、意見公募、指針、作業部会。漢字の方が、わかりやすいですよね。

カタカナで言うと、なにか格好良いと思っている人が多いようです。困ったものです。特に役所で使う場合、伝えるべき相手は住民です。住民がわからないような言葉は、使ってはいけません。
しかも、これらは主に英語を日本語にしたものです。外国人には通じないのです。そして、国語辞典に載っていません。詳しくは『明るい公務員講座』p112。

これに関して。パスモなどの電子マネーの入金機械の表示が気になっています。「チャージ金額を・・」と音声と表示が出るようです。チャージなんて言わずに、入金といえばすむのに。チャージ(入金)と表示してある場合もあります。電車内での電光掲示によるお知らせも、気になることがあります。なるべく文字数を減らす工夫をしています。それなら「車両トラブル」と言わず「車両故障」と言えばわかりやすく文字数も減るのに。
インターネットなどパソコン操作の際も、カタカナ語が多いですね。これは、日本語への翻訳を怠っているのでしょう。
明治人だったら、漢語に置き換えたり、新しい日本語を作ったでしょうね。「カード」も「札」と訳しておけば、使い勝手が良かったでしょうに。

井上亮・オリックス社長、部下に「やりたい」と言わせる

井上亮・オリックス社長「私のリーダー論」(9月26日)の続きです。9月27日の日経新聞夕刊「部下に「やりたい」と言わせる」から。

・・・井上さんはほとんど残業をしたことがないそうですね。
「しなかった理由は単純です。入社したときに私がマージャンができるということで、先輩からどんどん誘われたからです。だいたい夜6時15分にジャン荘集合ですから、必死で仕事を終わらせていました(笑)」

――生産性を上げるコツは何でしょうか。
「自分で仕事をコントロールして、他人にコントロールされないことです。上司からは期日を指定されるでしょうが、それまでの進捗管理は自分で責任を持ってやる。その代わり自由にやらせて下さいと言えばいいんです」
「逆に、上司の側は、部下にやらせるんじゃなくて、『やりたい』と言わせないといけない。もし部下に稟議(りんぎ)書の作り直しを指示して嫌そうな顔をされたら取り上げて、上司が自らやると言えばいい。そうするとたいていの場合は、『やらせてください』と言ってきます。私も管理職になってからはそうしてきました。部下が自分でやるという責任感を持つことが大事です。能動的にやる意識がないと成長しないんです」・・・

会社の飲み会2

会社の飲み会」の続きです。9月30日の朝日新聞オピニオン欄から。

・・・上司と部下では飲み会で話したい話題に違いがある――。クラフトビール製造の「ヤッホーブルーイング」(長野)が今年、社会人800人に実施した「飲み会実態調査」で興味深い結果が出ました。
上司が話したい話題は「趣味」(38・6%)がトップなのに対し、部下が最も聞きたいのは「会社の展望・将来」(49・6%)でした。部下から見ると、上司は自分より1・7倍多く話していると感じているという結果も・・・

三菱総合研究所プラチナ社会センター・松田智生主席研究員の発言から。
・・・僕の本業は地域活性化や地域創生です。企業や自治体、大学や地域の人たちと関わる中で、職場によって飲み会の雰囲気が違うことをこれまで実感してきました。
ダメな飲み会は上司が主に発言し、皆がヨイショ。「あいつは」「あの部署は」と主語は他人で、述語は過去形の会話ばかりです。他人へのダメ出しや愚痴、過去の自慢話が多く、不毛な気分になります。
良い飲み会での会話は、主語は自分で、述語は未来形か現在形。発言者は偏らず、出席率も高いのが特徴です。仕事の意味や理想について、青臭い議論もされたりします。
良い飲み会が開かれる職場は、仕事への姿勢も未来志向で会議も有意義ですが、悪い飲み会になる職場は、その反対でした・・・

この点も、反省します。いつも、私一人でしゃべっています。

「今夜一杯どう?」という誘い方は、なくなりつつあります(9月30日の記事で、タラコさんと書きましたが、穴子さんの間違いです。読者から指摘を受けて訂正しました。指摘ありがとうございました)。
県庁に勤務した際、このように誘うと「車通勤なので、事前に予約してください」と言われました。ある女性職員は「夫とどちらが先に帰って、子どもの面倒を見るかを決めているので、予約制です」とも。
企業の方に、「どのようにしているの?」と聞いたら、「毎月、課の人たちと飲む日を決めてあります。課員は、それにあわせて予定を組みます。当然、出席できる人だけです」という職場もありました。

「職員に義務づけずに、可能な人、好きな人だけ参加すれば良い」という説もありますが、これも問題を生む可能性があります。参加したくても、家庭の事情で参加できない人がいます。参加する顔ぶれが固定すると、親密度に差が出ます。飲み会で仕事の話で盛り上がり、翌日職場でその話が出ると、参加できない人は疎外感を持つでしょうね。

最も多いのは、単身・無職世帯

9月24日の日経新聞に「単身・無職が最多 しぼむ4人家族」が解説されていました。
・・・ 日本の「世帯」の姿が大きく変化している。夫婦と子ども2人の家族構成は今や少数派で、もっとも多いのは単身世帯だ。さらに仕事の状況も合わせて分析すると、直近では「単身で無職」の世帯が2017年に最多になったとの調査もある・・・

・・・大和総研の是枝俊悟研究員は、世帯と仕事との関係を時系列で分析した。世帯を人数だけでなく、働いている人がいるかどうかによって分類した。すると17年は「単身・無職」が最多になっているという結果が出た。30年前には全体の7%にすぎなかったが、17年には17%まで上昇した。5世帯のうち1世帯は「働いていない人の一人暮らし」になったという・・・

記事には、人数別、有業者別の世帯数割合が、グラフになって示されています。もう一つ衝撃なのは、1974年、1988年、2017年の変化です。この40年間の急速な変化に驚きます。
例えば、単身・無職世帯は、1974年には4%でした、それが2017年には17%になっています。4人世帯で1人が働いているのは、1974年は15%あったものが、5%に減っています。2人でともに無職という世帯も、14%に急増しています。
このような変化は、日本の社会を大きく変えることになります。それは、税収や財政支出という財政への影響や消費行動だけでなく、社会の活力、地域の力をです。
詳しくはグラフをご覧ください。