アメリカ抜きの国際制度

朝日新聞7月19日、藤原帰一・東大教授の「「アメリカ第一」の皮肉 弱まる世界への影響力」から。
・・・トランプ政権が発足してから半年が経った。その間に明らかになったのは、トランプ大統領の下におけるアメリカが国外への影響力を失いつつあることである。
その一面は、アメリカ政府の自発的な行動の結果である。「アメリカ第一」を掲げるトランプ政権は、政権発足直後に環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱し、二ログイン前の続きつの首脳会議、G8とG20においてアメリカ以外の諸国が反対を明示したにもかかわらず、環境保護に関するパリ協定からも離脱した。各国がアメリカを追い出そうとしたわけではないから、アメリカが意図的に退いたわけだ。
だが、アメリカが抜けた後にも国際的制度や機構は揺らいでいない。日本は欧州連合(EU)と経済連携協定について大枠合意に達し、TPPについてはハノイでアメリカ抜きのTPP11実現を目指す閣僚会合が開かれた。パリ協定についても、アメリカを除くG8・G20諸国は支える方針で一致している。貿易でも環境保護でもアメリカの撤退はアメリカなき国際合意への道を開いたのである。もしアメリカ政府が、アメリカが国際協定から離脱すれば各国が動揺し、国際協定の再交渉に合意するのではないかと期待していたとすれば、その期待は裏切られた・・・
・・・問題は、トランプ氏が政策遂行を専門家に任せようとしないことだ。この情勢が変わらない限り、つまりトランプ氏がトランプ氏であり続ける限り、アメリカの後退は続き、日本もEUも、アメリカ抜きの国際体制を作ることを強いられる。トランプ氏はアメリカを弱くした指導者として歴史の中で記憶されることになるだろう・・・
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政官関係、代理人としての官僚

日経新聞7月24日の経済教室「政官関係の課題」は、曽我謙悟・京都大学教授の「官僚、専門性・透明性高めよ」でした。
・・・代理人としての官僚制の実態は4つに大別できる。第1は政策執行者としての官僚制だ。官僚制が政治家のコントロールの下で政策の実現に専念する。第2は逆に超然的な国士型官僚制だ。代理人が自律的な政策決定をしており、エージェンシー・スラックが発生しうる。第3は委任により本人が時間や労力を節約する場合だ。第4は委任により本人が知識や情報を補う場合だ。第3と第4は、第1と第2の両極の中間に位置する。
日本の官僚制は明治国家の成立以来、第2次大戦後もしばらく第2の類型に位置してきた。だが自民党長期政権の下で第3の類型に移行した。社会や野党との調整を含む多くの政策形成時の作業が官僚制に委ねられてきた。2000年代以降の政治主導の流れは第1の類型への転換を迫る面もあったが、実態は第3の類型から変わっていない。

学部認可問題を巡り、文部科学省の前事務次官は「公平、公正であるべき行政のあり方がゆがめられた」と記者会見で述べた。根底にあるのは第2類型の国士型という理想像だろう。しかしその時代は遠く過ぎ去り、政治家の労力と時間を節約するための第3類型の代理人が現実なのだ。
第3類型の本人・代理人関係で軽視されるのは、国民に対してアカウンタビリティー(説明責任)を果たすことだ。学部認可問題では文書の存否やその位置づけを巡る水掛け論が続いた。それは政府としての決定プロセスを記録・保存し開示することが制度化されていないからだ。政治家と官僚制の双方とも、いかなる政策決定をいかなる理由で行ったのかを、正確に国民に伝えることができていない。
また第4類型の本人・代理人関係は現実に遠い。現在の獣医学部の設置状況がどのような社会的、経済的な帰結を生み出しており、規制緩和でどう変化すると予測されるのか、データや客観的事実に基づく議論がなされていない。官僚制が知識や情報に優れるからこそ、委任を受ける存在となっていないのである・・・
原文をお読みください。

2600000番達成

今日7月23日に、カウンターが260万番を達成しました。ゲットした、秋田県のSさんが、画像を送ってくださいました。試行錯誤の末に、画像を貼り付けることに成功しました。
ある友人からは、「中国出張中のためキリ番を踏み損ね、2600065番でした。 残念です」というメールが来ました。残念でしたね。
拙い記述を読んでくださる読者の方に、感謝します。250万番が、昨年の12月19日でした。これまでの記録のページ

強すぎる冷房

暑い日が続いています。冷房はありがたいです。
しかし困るのは、公共の場で冷房がきついことです。新幹線に乗る際には、上着は必需品です。年を取ったこともあるのでしょうが、あの寒さはいけません。
昨日の土曜日、午前中に30度です。ある企画を見るために、銀座の大きなホールまで出かけました。「ちょい悪おやじ風」で、カラフルな半袖シャツで行こうとしたら、キョーコさんに叱られました。「絶対寒くて、風邪を引くから」と。で、上着を持っていきました。
持っていってよかったです。ギンギンに冷房が効いています。客席を見渡したら、周囲の人も、持ってきた上着などを途中で羽織っておられました。中には、ビニールカッパに近いものを鞄から出す人も。私だけじゃなかったのですね。
主催者は、寒くすることがサービスだと考えているのでしょうか。料理店などでは、お願いして「弱」にしてもらうのですが。

カエル

先日、カルガモ親子を書きました(7月20日の記事)。昨晩、帰宅途中に、Hさんご夫婦に会って、その話で盛り上がりました。
「次回は、カルガモ親子が安心して住めるように、庭に池をつくって、道路から入っていけるようにしてください」と言ったら、奥さんが「考えましょうか」と(笑い)。「池は小さなのがあるのよ。カエルも住んでいるし」とのこと。
「ほら」と指さされた先には、あの大きなカエルがいました。さらにご主人が、「もう一匹いるから、入って見てください」と。照明を付けてくださって、庭に入れていただくと、早速もう一匹が出てきました。

これで、「池もないのに、どうして生きているんだろうか」という疑問は解けました。「どのようにして繁殖しているのでしょうか」という問には、「昔から住んでいるのよ」との答えでした。

今日、キョーコさんがH婦人に会って、その話をしたら、「あの後、もう1匹出てきたのよ」とのこと。合計3匹棲んでいるようです。

(追記)
お向かいのSさん(生き物博士)に報告したら、「うちの庭には、もっとたくさん棲んでいますよ」とのこと。夜になると、いっぱい出てくるそうです。(7月23日)