連載「明るい公務員講座」の第20回(5月9日号)が発行されたようです。「ようです」とは、私はまだ実物を見ていないので(笑い)。執務室の引っ越しの途中で、郵便物が行方不明になったようです。転送手続きはしてあったのですが。でも、読者から読んだ感想が送られてきたので、発行されたのでしょう。
今回は「やってみよ―職場の技能を磨く」の第3回目で、「話す技術」その2です。人前で話す、あるいは会話の途中や会議で自説を述べる。その際に、熱くなることはありませんか。アドレナリンが、多量に分泌されるのです。人前で話す際に上がってしまうことは、ありませんか。例えば結婚式の祝辞です。私は、このような場面では、上がることはありません。それでも、失敗したことがあり、その事例を本文で紹介しています(苦笑)。
実は、難しいのは話すことではなく、相手の話を聞くことです。私は、これが苦手です。結論がわかるので、相手の話をさえぎって、自説を言ってしまうのです。話しているときに「熱くなる」のも、話していることに問題があるのではなく、相手の話を聞いていない、聴衆の反応を無視して話していることが問題です。どうしたらよいか。それは、本文をお読みください。
これで、連載は半年続き、20回になりました。良く続いたものです。毎回、原稿に手を入れてくれる右筆にも、感謝しなければなりません。
月別アーカイブ: 2016年5月
連休明けの1週間
今日は金曜日、今週も終わりました。連休明けの仕事、皆さん、お疲れではないでしょうか。さらに、東京も暑くなって、これもこたえますよね。
私も、今週は泊まりがけの出張のほかに、次々と部下が報告や相談に来てくれて、商売繁盛=自分の時間は確保できない1週間でした。でも、喜ばなければいけません。報告に来てくれるのは、仕事が進んでいる証拠です。相談に来てくれるのは、「次官に相談したら、何か役に立つことを言ってくれる」と、思ってくれているからでしょう。「今日も、職員は誰も来なくて静かだった」は、困ったことなのです。
その中で、どのようにして、自分の時間を確保するか。それは、朝早く出勤することです。そして今日も、17時半過ぎには退庁し、18時頃には都内某所で、「他社の人」と冷えた生ビールを飲んでいました。「みんながまだ仕事をしている」と思うと、一層おいしいです(笑い)。なぜ、みなさん、8時半出勤、17時15分退庁にしないのでしょうか。自治体や民間では、当たり前のことですよね。そして、20時過ぎには、「もう帰るのですか。いつもなら、これから飲む時間ですよ」という批判を聞きつつ、逃げて帰りました。今、ホームページを更新し、これから本を読む時間が取れます。
社会科学による大震災の分析8、完結
日本学術振興会(村松岐夫先生ほか)による東日本大震災学術調査プロジェクト「大震災に学ぶ社会科学」の第8回配本、第1巻『政治過程と政策』が発刊されました。編者の辻中豊教授は、「危機をめぐる公的決定と非決定の政治」として「何が公的決定され、何が公的決定されなかったか」を掲げておられます。
第1部では、「震災下の国家基本三権能」について、次のような論考が並んでいます。
第1章 執政:福島第一原発事故と官邸の対応
第2章 行政:東日本大震災に対する中央府省の対応
第3章 立法:ねじれ国会下の立法過程
第4章 司法と行政の相克:弁護団調査からみる福島第一原発事故損害の賠償過程
第2部以下では、第2部 原子力の政治、第3部 社会アクターの政治、第4部 震災と選挙、が取り上げられています。かなり広い視点からの研究です。
この第1巻配本で、このプロジェクトは完結しました。社会科学の学界を挙げての研究は、後世に残る企画となるでしょう。それぞれの論考については、見る人によっていろいろな評価があると思いますが、これだけの幅広い研究は、なかなかできるものではありません。村松先生ほか関係者の皆さんに、感謝します。
個人で全冊そろえるのは高価でしょうが、自治体や議会の図書室、公立図書館に備えることをお薦めします。
第1原発視察
5月10日11日と、第1原発と原発被災地を視察してきました。第1原発は1年ぶりの視察ですが、現場は事故後の混乱した状態から、かなり平常化しました。炉は安定的に冷却されていて、汚染水も管理されています。最近、ニュースでも取り上げられなくなりました。現状については、東電のホームページ。事故からこれまでを要約したビデオがわかりやすいです(約8分)。
まず、ほとんどの区域が、普段着のままで立ち入ることが可能になりました。爆発を起こした1~4号機の周辺も、がれきも片付き、工事現場のようになっています。ただし、2、3号機の近くは放射線量が高いです。このあたりは、タイベックススーツとマスクをします。しかし、かつてのように面体(顔を覆うマスク)は、しなくて良いので、楽です。そもそもタイベックススーツは、不織布で全身を覆いますが、放射線を防ぐ機能はありません。放射線で汚染されたゴミがついた際に、それに触れないためのものです。敷地内は、雨水を地下に浸透させない(原子炉に近づけない)ために、全面的に舗装されています。建屋の中に入って作業をしない限り、高濃度のゴミに触れることはないのです。
大きな事務棟もでき、作業員も食堂で温かい食事を取ることができます。休憩もでき、コンビニでアイスクリームや甘いものを買うこともできます。去年これができるまでは、狭い空間でコンビニ弁当を食べていたのです。現在でも6千人の作業員が働いています。
今後、1~3号機の融け落ちた燃料を、取り出す作業に入ります。現在でも安定的なのですが、より安全にするためです。その作業を実感するために、事故を起こさなかった5号機の中を見せてもらいました。格納容器の中、サプレッションチェンバー、燃料制御棒の下なども。その巨大さに驚くとともに、パイプ(計測の電線などを通すもの)のジャングルのようでした。5号機6号機は平常なので、通常の作業ができますが、1~3号機は燃料が溶け落ちて、放射線量が高く、人が入ると死ぬそうです。そのために、遠隔操作のロボットで作業を進めます。
同じ型の原子炉の実物大模型(ただし、8分の1だけ。ケーキを8分の1にカットしたものと考えてください)を、楢葉町に作りました。それも、見てきました。日本と世界の知恵と技術を集めて、挑戦します。日本原子力研究開発機構、楢葉遠隔技術開発センター。このページの左下にある動画が、わかりやすいです。それぞれ5分ほどです。
経済界のオリンピック支援
先日、経済界による社会貢献、東京オリンピックと復興(4月15日)を紹介しましたが、その記事が経団連のホームページに載りました。「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会開催-レガシー形成に向けたアクションプラン決定」(週刊経団連タイムス4月28日)。当日は、詳しいよくわかる資料が配られたのですが、まだホームページでは見ることができないようです。