NHKスペシャル、復興予算の検証番組

3月12日夜に放送されたNHKスペシャルは、「シリーズ東日本大震災 “26兆円” 復興はどこまで進んだか」でした。これまで5か年の予算を分類分析し、成果や関係者の言葉など現場からの報告を入れた、かなり力のこもった番組でした。「さすがNHK」と思わせる、分析と映像でした。私たち役人では、こうはいきません。盛岡のホテルの部屋で見たのですが、感慨無量でした。私が特に意義があると思ったのは、次の点を取り上げてくださったことです。
・番組の構成が、インフラ復旧だけでなく、産業再生とコミュニティ再建の3つから成っていたこと。そして、後ろの2つが復興に必要だということを指摘していたこと。これが、今回の復興の一番の特徴であり、私たちが力を入れたことなのです。
・そのために、産業再生とコミュニティ再建について、政府がこれまでにない支援に取り組んでいること。
・これまでにない復興事業に、市町村長が苦労していること。
・すべてがうまく行っているわけではありませんが、現地の人たちが、感謝してくださっている映像があったこと。
私たちが5年間やってきたことがまちがいなかったと、うれしかったです。報道は、とかく政府に批判的ですが、この番組は進んだところ、うまく行っていないところ、評価できる点、今後検討が必要な点を、バランスよく取り上げてくださったと思います。
見逃した方も、いずれ再放送があるでしょうから、ぜひご覧ください。オンデマンドでも、見ることができます。
私も、最後の部分に登場しました。先日、取材を受け、30分ほどお相手をしました。政府で最初から5年間携わっているのが、私だけだというのが、出演した理由のようです。使われたのは1分ほどですが。「うまく切り取るものだなあ」と感心しました。鎌田キャスターは、お上手ですね。かつて、「週刊こどもニュース」のお父さん(池上さんに続く2代目)でした。
番組を見た知人や職員から、「見たよ」と、携帯電話にたくさんメールが入りました。その中に「いつもは次官室の扉を開け放してあるのに、あの日は閉じたのですか」という、鋭い指摘がありました。鎌田さんが、次官室の扉をノックして、開けて入ってこられる映像だったのです。笑い。