今日は夕方から、復興支援に取り組んでくれている、あるNPOの職員40人との意見交換会でした。
私は、NPOが、これからの日本を変えてくれると期待しています。『新地方自治入門』第8章、『被災地から見える「町とは何か」』など。彼らと彼女たちに期待を込めて、どのようにして日本を変えるかを、しゃべってきました。
被災地の復興は、行政にとっても社会のあり方を考えるにしても、貴重な場です。千年に一度の災害なのですから、「前例がありません」は通じません。通達をいくら出しても、予算をいくらつけても、現地で効果が出なければ、していないと同じです。そして、町の暮らしを再建するには、行政の力だけではできません。
明治以来150年、行政と企業が、豊かになるために欧米を追いかけた「日本モデル」は大成功しました。しかし、その役割は終わりました。次の社会は、行政と企業と並んで、NPOなど非営利の中間団体が、大きな担い手になると思います。大げさに言えば、被災地でのNPOの挑戦は、日本社会改革への挑戦でもあります。もちろん、日本にしみこんだ意識や社会の仕組みを変えようというのですから、そう簡単には進みません。
今日のメンバーは、大企業を辞めてきた人など、志の高い人たちです。話が通じるので、どんどん自説を述べ、さらに脱線しました(反省)。質問も、高度なものばかり。楽しかったです。でも、私のこれまでのいろいろな経験を、少しでも伝えたかったのです。
月別アーカイブ: 2014年6月
国会質疑など
昨日17日には、自民党復興加速化本部が開かれ、最近の復興状況などを報告しました。出席議員からは、地元でのさまざまな課題が取り上げられました。これから整理して、対応します。
今日18日は、衆議院復興特別委員会が開かれ、質疑がありました。中間貯蔵施設や放射線の健康不安など、原発事故関連の質問が多かったです。
性同一性障害の子ども
各紙が取り上げていましたが、文科省の調査で、小中高校1,400万人のうち、性同一性障害の子どもが600人いることがわかりました。そのうち約6割の学校では、服装、トイレ、更衣室、水泳などの際に、配慮をしているようです。
かつては認知されなかった「悩み」が、理解されるようになりました。しかし、対応する側も経験がないので、苦慮しているようです。
子どもに限っても、いじめ、虐待、貧困、食物アレルギー、日本語が不自由な(外国からの)子どもなど、新しい課題が生まれています。学校現場だけでなく、社会人に対しても、系統だった学習や教育が必要だと思います。
ヨーロッパの国会議員への復興の説明
今日は、NATO加盟国会議員会議訪日団の方々へ、復興の説明をしました。そう、あの北大西洋条約機構のNATOです。オランダ、フランス、イタリア、アイスランド、トルコ、ベルギー、ギリシャ、ポルトガル、チェコなど各国の、30名の国会議員です。
軍事同盟の方々ですから、事前に、「ご関心は、原発事故対策と、エネルギーの安全保障ではないですか。それなら、私ではなく、原子力災害対策本部なり経産省が適任でしょう」とお断りをしたのですが。なぜか、私に回ってきました。
案の定、質疑応答になると、原発事故についての質問が多く、私の知っている限り精一杯お答えしました(日本国の官僚の名誉にかけて!)。
予定した時間は、はるかに超過して。これも、想定通りです。アイスランドの方の地熱発電の質問には「私も、お国の発電をみてきた」と答え、イタリアの方の質問には「2009年のG8ラクイラサミットに麻生総理のお供をしていったときに、ラクイラの地震被害を見せてもらった」と触れるだけの、余裕はありました。
東日本大震災の被害と政府の取り組み、そして復旧状況を、30分間で外国の方に説明する。これはこれで、勉強になります。たくさんある資料から、何を切り捨てるか。そして、ふだん使っている資料が、外国の方に通じるか。資料を作ってくれた職員、英語の監修をしてくれた職員に感謝します。
資料は英語で準備しましたが、通訳は、英語、フランス語、イタリア語でした。イヤホーンで、私の発言がどう通訳されているかを確認しながら、発言しました。通訳の苦労を考えたら、主語と述語を先に言う、文章は短くすることは当然です。そして、私の一文が通訳されるのを待って、次の発言をする。そうしないと、通訳さんは大変ですよね。
オランダとフランスの団長さんと挨拶を交わしましたが、もちろん「サッカー強いですね」と、よいしょをしました。向こうも、「いや、日本もよいチームだ」と返してくれました。そこで「予選リーグであなたたちの国と一緒にならずに、よかった」と答えると、「決勝戦で会おう」ということになりました。
現地視察
今日は、衆議院復興特別委員会の現地視察。宮城班と福島班に分かれ、私は福島班に同行してきました。
本宮市の屋内子どもの遊び場「スマイルキッズパーク」では、子どもたちが元気よく遊んでいました。月曜の朝なので、幼稚園に入る前の子どもたちでした。砂場では、子どもと一緒にお父さんたちも、盛り上がるとのことでした。この砂は、スウェーデン製の特殊な砂です。
田村市都路地区は、4月に避難指示が解除されました。買い物が不便なので、公設民営で商店を2か所作りました。今日は、そのうちの岩井沢店を視察しました。地元で取れたお米とキュウリ、そして豆腐が並んでいました。今年は住民が戻って農業を再開しているので、いずれもっと多くの野菜が並ぶでしょう。
福島県立医科大学では、県民健康調査の概要などを聞いてきました。
今日も時間の関係で、バスの中で弁当を食べました。山道なので、前後左右上下に揺れます。慣れている私は、プラスチックの弁当容器を左手で持って、前屈みになり顔を近づけて食らいつきます。途中でお茶を飲みたいなんて、ぜいたくは言えません。まずは、こぼさずに口に入れることが重要です。
座席前の背もたれのテーブルを開いて弁当を乗せていた人は、揺れた拍子に容器がひっくり返り、中身が全て膝の上に落ちました。ハンカチを広げていたので、事なきを得ましたが。