年別アーカイブ:2013年

企業から被災自治体への職員派遣のお願い

2013年4月23日   岡本全勝

被災地の自治体では仕事が膨大になり、職員が不足しています。他の自治体が職員を派遣したり、任期付き職員を採用して派遣してくれています(市町村間の応援数。このほかに県による応援があります)。
民間企業にも、応援をお願いしています。土木技師や建築技師の他、用地交渉、広報など、民間企業にもおられる専門職を求めています。元の企業を辞めなくても、自治体へ派遣できるように、仕組みを整えました。(総務省の職員支援のページ

企業の社会的責任

2013年4月22日   岡本全勝

東京財団の亀井善太郎研究員が、「CSR再論―いま、改めてCSRを問い直す」を書いておられます。なかなか興味深いです。
公共空間が、行政だけでなく、企業(市場経済)やボランティア(非営利活動)によって成り立っていることは、このホームページでも、何度も主張しています。また、復興の過程においても、それらが必要であることも取り上げています。例えば、「被災地で考える「町とは何か」~NPOなどと連携した地域経営へ~」(共同通信社のサイト「47ニュース」2012年8月31日)。
企業の社会への貢献は、大きく分けると「善意による支援」と「本業を通じた貢献」の2つになるのでしょう。しかし、多くの人には、前者の義援金、物資の提供、社員のボランティア派遣が、想起されるようです。後者の本業による貢献も、大きいのですが。そこで、復興庁で整理した「民間企業の支援活動の分類」では、最初に事業活動=本業による貢献を書いてあります。
少し範囲が広がりますが、アメリカの大学の教科書に『企業と社会』(邦訳、2012年、ミネルヴァ書房)があります。企業の社会的責任を、広い観点から整理してあります。私は、読みかけて途中で放棄してありますが(反省)。

復興庁の組織と運営の特殊性、その2

2013年4月22日   岡本全勝

次に、仕事の仕方です。
3 これまでにない仕事=上司が仕事をする。 事態がどんどん変化する=上司が仕事をする
既存の府省では仕事が進まないので、復興庁が作られました。すなわち、各府省でできる仕事は、私たちが手を出す必要はありません。復興庁の取り組む仕事は、これまでにない課題で対応する制度がないものや、各府省では片付かない課題です。すると、部下から「前例通り」「去年通り」に決裁が上がってくるような、仕事の運び方にはなりません。参事官が、最初から乗り出さなければならないような課題ばかりです。
そして、現地で復旧が進むと、課題は変化します。3か月前に力を入れた課題は、それによって解決し、次の課題が生まれるのです。また、原発事故からの復興は、これまでにないことなので、あらゆることが初体験です。
国会答弁案も、前例に従って作ればよいものは、ほとんどありません。
仕事の進め方は、ボトム・アップでなく、トップ・ダウンになります。朝早く出勤すると、何人もの参事官が、パソコンをたたいていることがあります。部下職員がいない中で、ポツンと仕事をしています。(その参事官たちに新しい指示を出すために、岡本統括官は土曜日曜に出勤して、指示書を書いています。苦笑)
世間の皆さんが思っておられる「役所仕事」と、全く違った世界があります。でも、民間企業や世界を見渡せば、こんな仕事場も、たくさんあるのでしょうね。

復興庁の組織と運営の特殊性

2013年4月21日   岡本全勝

復興庁は、大震災からの復興という目的のために作られた、臨時の組織です。その任務の特性から、組織や仕事の運び方が、他の官庁と違った性質を持っています。
1 司令塔=「頭でっかち」な組織
現地での復旧は、個人、企業、市町村が主体です。そして、その主体に不足しているもの(財源、人、ノウハウ)を提供し、現地の課題を解決していきます。また、国がそれらを支援する際にも、各論は各省に担ってもらいます。道路の復旧や住宅の再建は、国土交通省というようにです。復興庁は、司令塔として全体を管理し、各省にまたがる課題を解決します。
すると、復興庁の組織は、「頭でっかち」になります。本庁には約200人の職員がいますが、参事官(課長)が28人もいます(このほかに、各省に席があって併任をかけている課長も多いです)。企画官と補佐は約70人です。あわせて、全職員の半数近くになります。各省に指示を出し調整をすることが仕事なので、それなりの経験と知識、そして格(職位)をもった職員が必要なのです。
机の配置も、良く言えばフラットになります。各省だと、課長補佐が座っているような席に、参事官が座っています。

2 調整=執務室は大部屋
各省にまたがる課題を、解決しなければなりません。すると、関係する参事官が複数になります。また、津波被害地にしろ原発事故被災地にしろ、街を作り替えたり、町全体を復旧しなければなりません。インフラ、住宅、産業、サービス、その財源、市町村との調整、住民意向調査・・。たくさんの参事官が関係してきます。
各市町村担当の参事官も決めてあるので、各課題担当(縦割り)参事官と調整します。町や住民の立場に立って、タテ(専門行政分野担当)を、ヨコ(市町村担当)が集約するのです。
私もしょっちゅう個室から出て行って、「××の件やけど、これって○○参事官だっけ。△△参事官も関係しているよね」と、尋ね歩きます。
「部屋が分かれていて、課題ごとに会議室に集まって調整する」なんて悠長なことでは、仕事が進みません。そこで復興庁の執務室は、大部屋です。職員を見通せるような席の配置で、いつでも関係者が議論できるようになっています。
みんながあちこちで議論しているので、この職場は、正直言って「うるさい」です。声の大きい職員(私の他にK参事官やM参事官など)がいるだけではありません(笑い)。
かつて、民間の先輩が訪ねて来られたときに、「全勝君の職場は、高度成長期のころの会社を思い出すよ。活気があって」と、誉めて?くださいました。
この項続く。