私は、道州制の目的を、政治にあっては、中央政府が国政を考えるため(地方のことは地方に任せるため)と、経済にあっては、地域経済を発展させるため(東京に依存しないため)、と説明しています。前者のスローガンは「霞ヶ関分割」であり、後者は「東京を向かずアジアを相手に」です。このHPでも、イギリスの経済道州制を紹介しました(2007年10月24日)。また、日本では、広域単位(道州規模)で地域経済を考える仕組みがないことも紹介しました(「地域振興と国家行政機構」2007年10月28日)。
日本の各道州(案)は、オランダ、ベルギー、オーストリアなどヨーロッパの国々と、同程度の人口や経済規模を持っています。各地域が東京を向いているから、地域の経済が活性化しないのです。道州の経済自立と発展は、そんなに難しい話ではないのです。EUの経済統合と方向は逆ですが、それと対比できます。日本は、アメリカ、EUと3極をつくるくらいの規模があったのですから。
一方、イングランドが経済道州制を導入していること合わせ、フランスの州は地域経済発展の見地からスタートしました。最後に、地方自治体になりました。いずれも、県や市では経済単位としては小さすぎ、国家では大きすぎるから設計されたものです。
日本の経済界も、道州制導入に熱心なので、期待しています。