歴史教育と歴史学

4月20日の日経新聞教養欄、本郷和人・東大教授の「細川頼之(上) 京都中心の新国家像描く」に次のような話が、書かれています。
・・・面接官が尋ねる。あなたは大学で、社会に役立てる何を学んできましたか? 理系は楽に答えられよう。法学部・経済学部も容易に答えを作成できそうだ。問題は文学部である。とくに実学とは縁遠い歴史学は結構つらい・・・

続きは、原文を読んでいただくとして。以前から考えていたことを、書いてみます。素人の考えなので、皆さんの意見をいただきたいです。
まだ、結論を見出していないのですが。歴史学の持つ意味です。
多くの学問は、大学での学問や研究者の最先端と、高校までの授業内容・大学入試問題がつながっています。しかし、歴史学だけは、違うような気がするのです。

中学や高校で歴史(日本史と世界史)を学びました。当時の私の感覚では、「歴史(の授業と試験)は覚えるものだ」ということでした。その覚えた事実を基に、何か思考するということは、ありませんでした。覚えることが多くて、それどころではなかったとも言えます。
何を言いたいか。他の学問分野では、基礎知識は覚えなければなりませんが、それを基に応用があります。ところが、学校の歴史(学)には、それがないのです。
算数や数学も公式や定理を覚え、問題を解きます。3+3=6は覚えますが、それだけを覚えるのではなく、足し算とは何かを覚えます。そして、いろんな数字が出てきても、足し算できるようになります。理科系の学問はそうでしょう(もっとも、私が学生の頃の生物学は、覚えることばかりでしたが)。

文化系の学問でもそうです。国語も古文、漢文も、取り上げられる小説や文章を丸覚えするのではなく、そのような文章の読み方や理解の仕方を学びます。よって、大学入試には、これまで読んだこともないような文章が出てきますが、質問には答えることができます。
ところが、歴史(学)は、応用が利かないです。私の偏見かもしれませんが。
なぜだろうと、考えました。この項続く