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- 2023年12月5日連載「公共を創る」目次7
- 2021年9月20日「明るい公務員講座」3部作の解説
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- 2024年3月14日連載「公共を創る」第180回
「優秀だけど、短期集中突破で持続性がない」
2月29日の朝日新聞「けいざい+」「TSMC誘致の真相:下 前例のない補助額、財務省が条件」は、一企業に多額の補助金を出す事案の解説ですが、記事に次のような話が出てきます。
・・・財務省主計局は、近年の経産省の手法を苦々しく思っていた。「彼らは国土交通省や農林水産省と違って、私たちとまじめに予算の議論をしないんです。官邸など上にあげて、『もう決まったから予算を出せ』とおろしてくる。まるでATMの扱いですよ」。財務省を疎んじ経産省を重用した第2次安倍政権以降、そうした傾向が強まった。
経産相を務めた萩生田光一は「着任当初は素人だったが、のめりこむように半導体を勉強した」と振り返る。TSMCの予算確保に財務省ににらみをきかせる半面、経産省の体質にも問題があると気づいた。この30年余、経産省の半導体政策は前のめりになったかと思えば後ずさりし、振幅が著しい。萩生田は国会で「世界の潮流を見極めきれず、適切な政策を講じられなかった」と同省の失敗をわびた。
「経産官僚は優秀だけど、短期集中突破で持続性がないんです」。まるで高校の文化祭の実行委員のようだと感じた。「短時間でワーッとやるけど文化祭が終わったら、あとは関係ナシなんです」。経産官僚は「弾を込める」「仕掛ける」という言葉をよく使う。前任者の仕事を引き継ぐよりも、新しい政策を打ち出したがる。
萩生田は「異動後も自分が手がけた仕事がどうなったか定年までウォッチしてほしい」と苦言を呈する。TSMC誘致は珍しく4代の局長、3代の課長がバトンを受け継ぎ、彼らの言葉を使うと「仕留めた」案件だった・・・
私が若いとき、ある人が、通産省(当時)の官僚たちの仕事ぶりを「は虫類行政」と呼んでいました。「卵(新規施策)を産むが、育てない」という意味です。
新しい施策を考える気風は、評価されるべきです。しかし、1~2年で異動することが多いと、その施策を実施するのは後任者になります。そして、新規施策を考えることが評価の基準になると、前任者の施策を実施するより、自分で新しい施策を考えることになります。