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大震災、社会学からの分析

2012年3月16日   岡本全勝

遠藤薫編著『大震災後の社会学』(2011年、講談社現代新書)を読みました。いくつかの書評でも取り上げられていたので、読まれた方も多いでしょう。新書という体裁ですが、勉強になりました。表題の通り、社会学から今回の大震災が日本に与える影響、日本社会が大震災に対して取った反応などを分析しています。大震災のメカニズム、危機対応、復旧復興過程などについては、それぞれたくさんの論考が出されています。この本は社会学から、それらとは違った視点から、分析しています。

日々、現場での対応に追われている私にとっては、「こんな見方もあるのだなあ」と、視野が広がりました。
先日も書きましたが(3月11日の記事)、「大震災で何を失ったか」という視点でも、命、財産や街並み、日々の暮らし、政府への信頼といった、いくつもの次元があります。また誰にとってかという視点からは、個人や家族、企業、地域社会、日本社会、行政と政府といった主体別が考えられます。
拙著『新地方自治入門』(p190)では、地域の財産を、自然環境、公共施設、制度資本、関係資本、文化資本に分類して、形あるものだけでなく形のないものに広げて解説しました。

インフラや産業の復旧だけが、復旧復興ではありません。もちろん行政ができることとできないこと、行政が得意な分野と不得手な分野もあります。
そこで、NPOとの連携、企業の役割(ボランタリーと営業と)など、既存の行政に閉じこもらない発想を考えるように心がけています。また、東京で何をしたかではなく、被災地で何が実現したかを考えるようにしています。しかし、行政内部での発想は限界があり、外部の人の様々な視点が、有用です。

決められたことを実行する、これまでの延長線上で考えるのが「普通の公務員」。それを上手に実行した上に、より広い視点で新しい発想をするのが「良い官僚」だと自戒しています。そのような観点からは、復興は、官僚にとっても壮大な実験の場、国民や後世の人から審判を受ける試験の場です。官僚や行政に対する国民の信頼を回復するためには、地道に仕事をして期待に応えるしか方法はありません。

大震災関連の本はたくさん出版されていて、その多くを読むことができません。買って読んでない本も、たくさんあります。いつものように反省。

被災者アンケート

2012年3月14日   岡本全勝

3月11日の読売新聞は、岩手・宮城両県300人、福島県200人のアンケートを載せていました。
岩手・宮城では、「暮らしていた地域に戻りたい」は43%、「移転したい」が46%です。「地域が復興できるか」という問いに対しては、「思う」が38%、「思わない」が43%です。
福島では、「暮らしていた地域に戻りたい」が57%、「移転したい」が25%です。「地域が復興できるか」については、「思う」が22%、「思わない」が55%です。
厳しい結果ですが、関係者の冷静な評価が現れているのでしょうか。

企業連携推進室

2012年3月14日   岡本全勝

このホームページでも書いていますが、地域の復興には、企業の協力も重要です(3月9日の記事)。
13日に、復興庁に企業連携推進室を設置することを、発表しました。国家公務員だけでなく、経済団体から派遣していただいた民間人(国家公務員に身分替え)とともに、企業と自治体とのつなぎをします。

政府の対応に対する評価

2012年3月13日   岡本全勝

各紙が、復興に対する世論調査のアンケート結果を、載せています。いずれも、厳しい結果です。

3月12日の読売新聞
「政府のこれまでの対応を評価しますか」という問に対して。評価する:24%。評価しない:67%。
「原発事故に対する政府の対応を評価しますか」という問いに対して。評価する:12%。評価しない:80%。

3月13日の朝日新聞
「復興に対する、この1年間の政府の取組を評価しますか」という問いに対して。評価する:19%、評価しない:67%。
「仮に今、大震災のような大地震が起きたら、政府や自治体の対応に期待できると思いますか」という問いに対しては。期待できる:16%、期待できない:71%。
もっとも、「あなた自身の備えは十分ですか」という問に対して、「十分でない」が86%です。
すなわち、多くの人が、「自分でも準備をしない、自治体にも期待しない」ということです。これって、本心なのでしょうか。この通りなら、無常観ですよね。

NPOをつなぐNPO

2012年3月12日   岡本全勝

NPOをつないで、支援するNPOがあります。NPOのネットワーク、プラットフォームと言ったらよいでしょうか。3県の「連携復興センター」です。
発災以来1年間、ボランティアには大きな活躍をしてもらいました。避難所での手伝いや泥かきなどです。1年経って、ボランティア活動に期待する業務の内容が、変わってきています。
今日12日の読売新聞社説「ボランティア 被災地に必要な息の長い支援」や昨日11日の毎日新聞社説「震災1年・未来のために 「NPO革命」を進めよう」をご覧ください。

次の段階では、被災地や避難所で、地元の人が中心になって、被災者へのサービスや街づくりを行う。それをNPOが支援することが、期待されます。外からの支援を受けるだけでなく、被災者が主役となって立ち上がることを支援するのです。そのNPOを支援し、行政や域外のNPO、企業とつなぐのが、これらNPOのネットワークです。概要は、たとえば「いわて連携復興センター設立趣意書」をご覧ください。
3県の連携復興センターが、共同で宣言を出しました。これらの活動を活発化させるためには、行政、企業、NPOなど各種団体からの情報や支援金などの協力が必要です。
それぞれのHPで、活動内容をご覧ください。「いわて連携復興センター」、「みやぎ連携復興センター」、「ふくしま連携復興センター」。
「岡本のHPで紹介せよ」と、関係者から指令を受けましたので、紹介します。