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復興。市町村長の決断と動き、住民の協力

2015年9月6日   岡本全勝

9月5日の日経新聞p2(政治解説欄)「真相深層」が、「東北復興、初動の重み。震災4年半、集団移転や水産業再生で差」「リーダーと住民の決断カギ」を書いていました。他の市町村より早く円滑に、集団移転や産業復興を成し遂げた事例の背景に、市町村長の決断とそれに応えた住民があったことを、分析しています。
宮城県岩沼市では沿岸部で被災した6集落を、内陸部に新しい街をつくって移転させました。避難所に被災者を移動させる際に集落ごとに集まって暮らしてもらい、仮設住宅でも新しい町でも、元の集落ごとに固まって住んでもらいました。同時に、新しい街をつくる議論についても、集落ごとの意見集約を急ぎました。市長のリーダーシップです。宮城県女川町では、町長が先頭に立って、駅前の土地の買収を行い、ここを街の賑わいの中心にする工事が進んでいます。もっとも、首長が素早い決断をしても、住民の納得がないと、その後の事業は円滑には進みません。ご関心ある方は、お読みください。
記事では紹介されていませんが、ほかにも、市の活力の源は水産業だとして、魚市場の復旧を急いだ岩手県大船渡市長や、素早く用地を確保して公営住宅を造り自治会もつくった宮城県東松島市長もおられます。かつては、2004年の中越地震の際、全村民から委任状を取り付け、復旧事業を迅速に進めた、新潟県旧山古志村の長島忠美村長(現・復興庁副大臣)もおられます。
もっとも、事業がうまく行くには、市町村長の力量だけでなく、議会の理解と協力、住民の協力・住民の首長への信頼も重要なのです。住民の中に核となる町内会長や商店街の幹部がいることも、意見の集約に効果的です。市町村を回っていて、しばしば市町村ごとの政治風土の違い、首長と議会との力関係を感じました。

NPOの復興支援コーディネーター

2015年9月4日   岡本全勝

被災地での復興を支援してくれているNPOの「RCF復興支援チーム」が、「RCF」に名前を変更しました。趣旨は次のようです。
「2014年度以降、RCFが推進する東北での事業は、個別事業(点)の深化とともに、さらに広域的な事業(面)へと広がっています。同時に、東北での実績がモデルとして全国から注目される例も増えており、復興支援のコーディネートだけでなく、社会課題解決全般へのコーディネートニーズも高まっています。このため、RCFは、東北復興支援で得た知見を復興支援以外に生かしていきたいという想いを形として推進するため、名称変更を実施します。震災からまもなく4年半となりますが、東北の復興支援を主業務として引き続きコミットすることには変わりありません。今後も私たちの目的である、国内外の社会課題解決のため、更なる取組推進を行う所存です」。
復興支援だけでなく、社会問題一般へと業務が拡大したことは、それだけの実績を積むことができ、また需要が見えてきたということですね。うれしいことです。
一般の方には、NPOがどのような支援をしているのか、どうして事業として成り立つのか、あまりご存じないと思います。私も、最初は不思議でした。藤沢烈代表は、仕事を「社会事業コーディネーター」と表現しています。リンク先の説明を読んでください。行政、企業、NPOなど、社会問題を解決する主体の間を取り持ち、また単に助言(コンサルティング)ではなく自ら入り込んで調整します(コーディネート)。行政の下請けでなく、行政や企業と協業するのです。復興の現場でも、支援したい企業やNPOも、支援して欲しい役所も、相手を探しています。しかし協力してもらえる企業やNPO、ある仕事に詳しいNPOを探すことは、結構難しいのです。最近でも、RCFは、このような企業と行政をつなぐ仕事をしています。

地域おこし協力隊、復興支援員

2015年9月3日   岡本全勝

月刊『地方財務』(ぎょうせい)9月号が、地域おこし協力隊の分析をして、その悩みを解説しています。9月3日の毎日新聞は、福島で活躍する復興支援員と復興支援専門員の座談会を載せていました。
それぞれ、総務省が行っている民間職員派遣の枠組みです。地域に入って、地域おこしや復興に協力してもらっています。各人の熱意で活躍しているのですが、多くの場合は初めての土地に入ります。受け入れ側との「かみ合わせ」がうまく行かないと、仕事が進まないこともあります。実力を発揮してもらうために、受け入れ側が注意するべき点もあります。そのあたりが、解説されています。

中小企業グループ補助金

2015年9月2日   岡本全勝

中小企業グループ施設復旧補助金の第14次公募結果が、発表されました。岩手県、宮城県、福島県において、30グループが採択されています。この制度は関係者の間では、すっかり有名になりました。大震災で被害を受けた中小企業の施設・設備を復旧する際に、共同で事業を行えば、国庫補助金が出ます。復興のリード役となる「地域経済の中核」である中小企業グループを再建しようという趣旨です。資料を見ていただくとわかるように、次のような類型を対象としています。
・地域の基幹産業・クラスター
・雇用・経済の規模の大きさから重要な企業群
・我が国経済のサプライチェーン上、重要な企業群
・地域コミュニティに不可欠な商店街
水産加工業、小売業、製材業、運送業などの業種が、支援を受けています。

原発避難区域、準備宿泊

2015年9月1日   岡本全勝

8月31日から、南相馬市小高区、川俣町山木屋地区、葛尾村で、準備宿泊が始まりました。これまで夜間宿泊が認められていなかったのですが、それが可能になります。除染やインフラ復旧が終わり、帰還できる条件がそろいました。早く帰還したい住民にとっては、朗報です。いくつかの新聞に、特産のトルコキキョウを栽培している農家が取り上げられていました。遠くの仮設住宅から通わなくても、自宅から作業に行けます。もっとも、まだ不安なので帰らない人、子どもが避難先で学校に通っているので帰りにくい人もおられます。今回も、対象者は1万4千人おられますが、準備宿泊を申し込んでおられるのは約1割です。
楢葉町は、このような準備期間をおいて、9月5日に避難指示が解除されます。