カテゴリーアーカイブ:このページの歴史

発掘で分かる災害の歴史

2017年7月3日   岡本全勝

文化庁編『日本人は大災害をどう乗り越えたのかー遺跡に刻まれた復興の歴史』(2017年、朝日選書)を紹介します。これは、「発掘された日本列島展2016」の副産物です。その関連企画として、発掘調査などでわかった大災害からの復興についての講演会をまとめたものです。
弥生時代の洪水、古墳時代の火山噴火、平安時代の貞観地震、中世の戦乱など、「災害列島日本」の歴史でもあります。

東日本大震災は、忘れられていた列島の大災害を、思い出させました。また、復興工事のために、たくさんの箇所で発掘調査も行われました。いろんな新たな発見もありました。全国から調査員が応援に入ってくれました。復興庁も財政面から支援をしました。毎年の「発掘された日本列島展」でも、被災地での発掘は特設コーナーをつくって、解説してもらいました。
これらを、後世にどう引き継いでいくか。これも課題です。

「全勝さんは、発掘が好きですねえ」という人がおられます。私は明日香村出身で、遺跡の発掘を身近に見て育ちました。近所のどこかで、発掘が行われていましたから。官僚にならないなら、考古学者になりたかったのです。小学生の時の「将来の夢」の作文にも、書いたのですが。

総理福島視察

2017年7月1日   岡本全勝

今日7月1日は、総理の福島視察に同行してきました。
川俣町山木屋地区は、避難指示が解除され、住民が戻りつつあります。課題は商業サービスの再開です。元々住民が少ない山間の地区です。地区の復興の拠点として、公設民営の形で、商店や飲食店を作りました。「とんやの郷」です。今日開所式でした。たくさんの人が集まっていました。

飯舘村の老人ホームは、村に避難指示が出たときも、入居者を他の地区に避難させるより、その地にとどまる方が入居者のためになると、残ることを決断しました。線量も低かったのです。
老人ホームの高齢者が、劣悪な条件で避難を余儀なくされ、移動中に亡くなられた場合や、移転先で健康が悪化した場合も多いです。移動は、心身に負担になるのです。ここのホームの判断は、良かったと思います。ただし、従業員は避難したので、遠くから通勤してくださったのです。

川内村では、新しくできた喫茶店で、カレーライスをいただきました。タイ国のコーヒーチェーン「アメイゾン・カフェ」の日本1号店です。しゃれたお店です。リンクを張ったので、紹介ビデオをご覧ください。
Amazonと書くのですが、タイでは、アメイゾンと発音するのだそうです。これは、村に工場を建てた「コドモ・エナジー」という会社が、運営しています。ありがとうございます。

徐々にですが、着実に暮らしが戻っています。また、新しいにぎわいの基礎ができつつあります。

慶應義塾大学、地方自治論第11回目

2017年6月30日   岡本全勝

今日は、慶応大学で地方自治論、第11回の講義でした。
先週取り上げた議会と条例について、たくさんの質問をもらっていたので、それへの回答で半分時間を使いました。
例えば、「『地方公共団体は法令に違反してはならない』との定めがありますが、反した場合はありますか」。これは、いくつか実例を挙げて、解説しました。
「条例の効力は、区域内、住民だけに及ぶのか。参政権のない外国人にも及ぶのか」。良い質問ですね。時間があれば、最初にこれらを丁寧に説明すれば良いのですが、そうもいきません。すると、教科書を読んでもらい、授業ではポイントだけ説明して、残りは質問に答えることが効率的です。

条例論の延長で、自治体が先導した政策を説明しました。公害・環境、福祉、情報公開、景観行政などなど。多くはその後、国の施策になっていますが、定住外国人対策はまだ国の出足は鈍いようですね。
今回は、具体の事例を最新の情報にして資料を配布しました。整理してくれた小栁君、ありがとう。

学生諸君
授業で紹介した本は、近藤康史著『分解するイギリス―民主主義モデルの漂流』(2017年、ちくま新書)です。

慶應義塾大学、公共政策論第11回目

2017年6月28日   岡本全勝

今日は、慶応大学法学部、公共政策論第11回の授業でした。三井住友海上火災保険株式会社の本山部長に来ていただき、企業の社会貢献について、お話しいただきました。
この授業では、社会(公共生活)を支えているのは、行政だけでなく、企業やNPOも大きな役割を果たしていることを説明しています。NPOについては、第7回の授業で、日本財団の青柳さんに来ていただき、話してもらいました。

企業については、どなたに来ていただくか、悩んでいました。企業の社会貢献は、本業、本業関連、本業とは関連が薄い貢献が、あります。
この会社を選んだのは、損害保険そのものが、社会を支えているからです。国民にとって、国家が基礎的な保険機能と最終の保険機能を果たします。前者は、例えば健康保険や失業保険です。後者は、例えば大震災での被災者支援です。
しかし、国家の前に、経済活動としての民間保険が、国民や経済活動のリスクを引き受けています。火災保険、自動車事故の保険、海外旅行の際の保険などなど。この機能がなければ、個人の生活も企業活動も、とてもリスクの大きなものになります。すると、本人が引き受けるか(破産する恐れがあります)、活動に乗り出さないか(新しい事業ができません)となります。

また、その事業の延長として、CSRに取り組んでいます。今日は、そのお話をしてもらいました。
この会社が取り組んでいる「事故防止、防災・減災」「気候変動への対応」「高齢社会への対応」「地域社会の発展」という4つの項目。これらは、私が授業で「社会のリスク」として取り上げた項目です。学生諸君には、すんなりと理解してもらえたと思います。

これまでの私の講義に関して、学生からは「企業は、本業とCSRをどのように関連づけているのですか」「儲からないCSRに支出することについて、株主は納得するのですか」といった質問も、寄せられていました。
本山部長の説明は明快で、私も勉強になりました。ありがとうございました。

慶應義塾大学、地方自治論第10回目

2017年6月23日   岡本全勝

今日は、慶応大学で地方自治論、第10回の講義でした。
先週講義した議会について、学生の質問に答え、また新たに用意した資料(議会の活性化、都知事と都議会、杉並区議会だより)を配って、問題などを説明しました。ちょうど、都議選が始まり、また小池知事が最大会派の自民党と戦う構図を見せているので、学生には関心を持ってもらえました。
このように、教科書に書いていないこと、今現実に話題になっていることを取り上げると、講義の価値があります。もっとも、そのための準備が大変なのですが。

引き続き、「条例論」に入りました。