カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

復興状況視察、宮城県

2017年10月11日   岡本全勝

10月10日、11日と、宮城県沿岸部に、復興状況視察に行ってきました。気仙沼市、南三陸町、女川町、石巻市、東松島市、仙台市、名取市です。昨年も秋に、宮城県と岩手県の被災地に復興状況を見に行きました。「1年に1度は来ます」と首長さんたちに約束しているので、今年もまず宮城県を訪ねました。

復興は急速に進んでいます。石巻市では、40か所を超える場所で、高台移転など宅地造成を計画していましたが、すべて完成しました。40か所と言えば簡単ですが、それはそれは大変な作業だったのです。当初は、か所数の多さに、「本当にできるのだろうか」と市の幹部と話していたことを、思い出しました。
ほかの市町村でも、高台移転の宅地造成と公営住宅の建設が終わりつつあります。まずは、住宅を優先したのです。
場所と規模を決め計画を作ります。あわせて住民の合意を取り付け、設計し、山を切り開いたり、土盛りをしたり。それから基礎工事です。ここまで来れば、後は早いのです。それで、この1年間に、次々と完成しているのです。

南三陸町と女川町では、町の中心部に土を盛って、かさ上げをしました。この工事も、ほとんどできています。かつて、高台にあった病院が、すぐそこの高さにあります。そこまで、周囲の土地がかさ上げされたと言うことです。初めて行った人は、その土地が元からの高さだと間違うでしょうね。
コンパクトできれいな町並みができています。仮設の商店も本設に移行し、予想以上にお客さんが来ているとのことです。町のにぎわいが戻りつつあります。もっとも、人口減少は続いていて、決して楽ではありません。

住宅やインフラ復旧が進むと、次の課題は産業となりわいの再開、コミュニティ再建です。そこで今回は、各地で民間の方にお話を聞いてきました。旧知の首長さんたちや新しく就任された首長さんとも、話をしてきました。仙台では、郡和子市長に。市長は、初期の頃に復興政務官などを勤めてくださいました。
現場は、行くとかならず勉強になります。それについては、改めて書きます。
今回も、宮城復興局の諸君が、現在の課題に沿った視察先を入れてくれました。そして、いつものようにびっしりと盛りだくさんに。ありがとう、皆さんも疲れたでしょう。

政策から見た原発事故復興の方向

2017年10月8日   岡本全勝

10月8日朝日新聞1面「問う2017衆院選」、大月規義・編集委員の「原発事故6年 直視されぬ教訓」から。
・・・政権は復興にあたる上で、福島を「沖縄にしない」「チェルノブイリにしない」という意図で進めた。米軍基地問題のような地元との対立は避ける。旧ソ連の事故処理のように原発を「石棺」にしない。福島原発の周辺にはいずれ人が住めると説き伏せた。除染や復興の予算、賠償金の上積みは惜しまなかった・・・

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第3回目

2017年10月6日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第3回目でした。
前回、予算の概要を説明しました。相模原市役所から提供いただいた冊子は、学生から「わかりやすかった」との評価でした。
予算書で見えることと見えないこととあわせて、フローとストックを説明しました。「今まで分からなかったのが、分かりました」と書いた学生がいました。経済学や財政学を履修していないと、知らないでしょうね。

今日は、予算の機能をお話ししました。機能の一つは、税金を中心とした歳入と歳出予算によるサービスの執行、資金の調達と支出という観点です。これは経済(学)です。もう一つは、住民の要望、議会による審査(予算案と決算)という、民主主義的統制です。これは、政治(学)です。
「地方財政」の「財政」は、経済(財)と政治(政)の結節点です。主体と作用を図示したので、学生からは「わかりやすかった」との感想をもらいました。経済学、財政学における「地方財政の地位と役割」は、地方財政学の主要論点の一つなので、日を改めてじっくり説明しましょう。

復興が進む原発被災地

2017年10月2日   岡本全勝

原発被災地では、順次、避難指示が解除され、生活が戻りつつあります。
10月2日のNHKニュースが、南相馬市小高区での、稲作の再開を伝えていました。「避難指示解除で7年ぶりの稲刈り」。この取り組みは、このページでこの春に紹介した、舞台ファームが取り組んでいるものです。
今年は夏の日照不足があり心配していましたが、作柄は平年並みとのことです。

また、避難指示が解除できない帰還困難区域でも、地域を限って復興の拠点を作る計画です。9月30日には、大熊町で起工式が行われました。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第2回目

2017年9月29日   岡本全勝

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第2回目でした。今日は、前回に続いて、相模原市役所から提供してもらった住民サービス案内冊子「ナイスガイドさがみはら」を、少々丁寧に説明しました。学生にとって、市役所や市役所のサービスは、ふだんあまり縁がないでしょうから。それを踏まえて、市の予算を説明しました。

相模原市からいただいた「予算説明書」「主要施策説明書」など、分厚い議会提出資料を見せて(回覧して)、予算書ってどんなものかを見てもらいました。一般の方がこれを見ることは、まずはないでしょう。「欲しい」という学生がいたので、進呈しました。
もっとも、これらは数字の羅列で、あまりに細かく難しいです。公務員一年生の時に、徳島県財政課で、予算書の作成と校正をしたことを思い出しました。当時は活版印刷で、印刷所に行って「長時間労働」で、間違いがないか校正をしていました。

予算内容については、これもいただいた「予算事始」を配って説明しました。この冊子は、なかなか良くできていて、使いやすいのです。
たくさん印刷物を提供いただいた相模原市役所に、お礼をいいます。学生たちにも、好評でした。

地方財政の説明は、多くの場合、制度論や国と地方の関係などを説明するのですが。これまでの経験を踏まえて、説明の仕方や順番を変えることにしました。
自治体の職員に講義するなら、そのような学者的説明が良いのでしょうが、大学の学部生、多くは公務員にならない学生に話すには、まずは市民の暮らしと市の財政がどのように関わっているかを考えてもらい、制度論はその次にすることにしました。
予算で見える成果と見えない成果があること。予算で達成できることとできないこと。多い方がよいとは限らないことなども。

そして、細かいことを詰め込みすぎず、一つのことに絞って丁寧に説明するようにしました。私の講義、講演の欠点は、詰め込みすぎと早口、場面展開の多さなのです。これまでも、そのようにすることを試みていたのですが、より意識するようにしました。