月刊『自治研究』(第一法規)8月号に、砂原庸介執筆「行政と評価-地方自治体の行政評価が意味するもの」が、載りました。砂原君は、東大大学院の若き社会学者です。私の東大でのゼミの「塾頭」もしてくれています。
論文は、行政評価の導入手法等を研究したのではなく、なぜ今の時期に行政評価が導入されたかを、広い視野から研究しています。そして、政治と行政に対する「信頼」確保のためであると位置付けています。『自治研究』は、公法・行政・地方自治関係では、もっとも権威ある専門誌です。地方自治体関係者など広く読んでいただきたい論文です。
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神野先生の新著
神野直彦東大教授と池上岳彦立教大学教授の編集による「地方交付税何が問題かー財政調整制度の歴史と国際比較」(東洋経済新報社)が発刊されました。以下、はしがきの要約です。
「競争社会」を目指す経済学思想に基づいて、地方交付税制度は破壊されようとしている。「地方交付税は弱者に甘えをもたらし、非効率であるがゆえに、弱者となった者に非効率な乱費をもたらすだけである」などと、したり顔で主張されている。
こうした「構造改革」が失敗しているのは、「何のために改革をするのか」という改革の基本原則を無視したからである。地方交付税の改革もまた、財源保障機能の廃止を言い出すに及んでは、ヴィジョンなき破壊の典型である。必要な改革は、制度の破壊ではなく、未来の設計図を準備した改革である。本書では財政調整制度を国際比較と歴史的観点から分析し、財政調整制度の改革の方向を提示する。
米国まめ日記8
東大夏学期終了
東大での夏学期の講義が終了しました。13回は、済んでしまうとあっという間ですね。いつものことですが、始まるまでは緊張し、途中は準備でへとへとになり、終わると少しの満足と、ああすれば良かったという大きな後悔が残ります。そして、参加者がどれぐらい満足してくれたかという不安と。
今回は、本や新聞にも書かれていない、日本の行政と政治を講義しました。一方で個人体験に基づく「現実の紹介」をし、他方でそこから見える問題の構図を「理論的に分析」することです。新しい試みなので、私の思いがどれだけ通じたか、少し心配です。成績評価のための学生のリポートを見て、逆に自己評価をしてみます。学生から提出されるリポートが楽しみです。
学会発表余話
実は、学会の講演では、かなり抑えて話しました。話のスピードも、「唾のとばし方」も、そして内容の「つっこみ方」も。いつもの調子の、半分ぐらいの「血圧」でしゃべりました。参加者の評価は、「岡本課長も、あんな話し方ができるんですね」「分かりやすかったですが、もっと話したいことがあったんじゃないですか」「いつもの全勝節じゃなかった」などなど。
抑制して話したのは、聴衆には研究者から町村職員まで様々な人がいるので、その反応を確かめながら話したこと、また、公式の場でいつものように元気よく「脱線」するわけにはいかないからです。
さらに、真ん前の席に神野直彦東大教授、金子勝慶應大学教授、中井英雄近畿大学教授、齋藤愼大阪大学教授などなどが座って聞いておられるのですよ。こんなに晴れがましい、かつ緊張する機会は、めったにないでしょう。