復興の現場では、NPOが活躍しています。余り知られていませんが、地域に入り込んで、住民がまちづくりをする際の介添え役などもしてくれています。「復興コーディネーター」と呼ばれています。ありがたいことです。
一般社団法人RCF復興支援チームでは、その人材を募集しています。どのような活動をするのか、どのような資質が要求されるのか、サイトをご覧ください。これまでにない役割です。市役所や民間企業では思いつかない、また提供していない役割です。
藤沢烈さんについては、このホームページでも時々取り上げています。現地から、毎日のようにブログを発信してくれています。その情熱と体力とに、脱帽します。
カテゴリーアーカイブ:歴史遺産
特区制度による効果
復興特区制度で、被災地での企業投資を促しています。制度創設以来約1年間の効果をまとめました。それによると、投資額は約1兆円、雇用は6万4千人です。それぞれ予定の数ですが、結構な成果が出ています。
いつも述べていますが、制度は作ったらよいというものではなく、また指定した件数で測るものでもありません。どれだけ効果が出たかで測るべきものです。
用地買収対策
毎日新聞5月2日朝刊「質問なるほドリ」は、「被災地の土地取得、どう進める?」で、回答は水脇友輔記者でした。
Q・・住宅再建やまちづくり事業が着工段階に入りつつあるね。でも、土地取得が難しくて、なかなか進まないと聞いたよ。
A・・その通りです。所有者が分からなかったり、登記が更新されていなかったりして、権利関係の把握が難しいのが一因です・・
復興庁は土地取得にかかる時間を短縮しようと、民法の「財産管理制度」活用を打ち出しました。所有者の居場所、あるいは生死も分からない場合、事業主の県や市町村が、財産の保存や売却を担う「不在者財産管理人」の選任を家庭裁判所に申し立てます。所有者が死亡して相続人が分からない場合は「相続財産管理人」となります。
財産管理人は家裁の許可を得て土地を売却できます。従来の土地収用は手続きが複雑で数年かかることもあるのに対し、財産管理制度なら、事業主は数カ月程度で用地を取得することも可能です。処分後に所有者や相続人が現れた場合は、売却代金を渡します。裁判所側も財産管理人に対応するため、東北沿岸の家裁を中心に書記官を約25人増やすことにしています・・
国はこの事業をモデルとして、そこで得たノウハウをほかの復興事業に生かそうとしています。経験の蓄積がないだけに、走りながら考えるしかないのが実情です。ただ、安倍晋三首相が提唱する「復興の加速化」に向けて、いろいろなアイデアを投入する姿勢は評価していいでしょう・・
ありがとうございます。私たちの努力を、的確に評価してもらえました。
印象だけで、「遅い」と批判する人もいます。しかし、これまでにない大事業なので、試行錯誤の点もあります。また、現地で住民の同意を得ることや、地権者の同意を取る手続きも必要です。「復興庁が強力に進めるべきだ」とおっしゃるの人もいるのですが、住民の意向を無視して事業を進めても住民の満足は得られません。土地の所有権を無視して強制的に工事をすることも、民主主義国では許されないでしょう。そのあたりを、理解してほしいです。
被災地での法的トラブル相談
原発事故の検証、政府事故調報告簡略版
畑村洋太郎ほか著『福島原発事故はなぜ起こったか―政府事故調核心解説』(2013年、講談社)を読みました。
この本は、政府事故調査委員会の「中間報告」(2011年12月)と「最終報告」(2012年7月)を基本に、一般読者にもわかりやすく解説したものです。著者は、調査員会の委員長だった畑村先生ほか、委員会の中心メンバーです。
中間報告と最終報告は、あわせて1,500ページ、8センチの厚さです。私も、読むのは断念しました。
今回の『核心解説』は、読みやすく、わかりやすいです。200ページの薄さです。東電、政府、自治体が、事故に際してどのような行動を取ったのか。事故はなぜ起こり、被害が拡大したのはなぜか。それから何を学ぶかが、わかりやすく解説されています。
私は、発災以来、大震災にかかわってきましたが、原発事故の担当ではなく、また詳しく勉強もしてきませんでした。この本を読んで、いくつか思い違い(水素爆発が放射性物質を飛散させたとか)を訂正することができ、また想像していたことがその通りだったと確認できました。お薦めです。
(主な目次)
第2章 福島第一原発で起こったこと(津波襲来から電源喪失までの経緯、事故は避けられたのか).
第3章 政府と地方自治体の失敗(事前対策の不備、政府の緊急時対応の問題点).
第4章 東京電力の失敗と安全文化
第5章 なぜ被害が拡大したか(避難がもたらすもの、除染は可能か)
第6章 福島事故の教訓をどう生かすか
原発事故を、防災と起きてからの対処の観点から見ると、次のような場面に分けることができるでしょう。
事前にあっては、規制と事故が起きたときの準備が十分だったか。
事故が起きたときは、発電所内で直ちに事故を終わらせること(原子炉を止め、放射能を出さないこと)と、発電所外では住民や国民の安全を確保すること(事故情報の開示と住民の避難誘導)です。
その後は、発電所内では安定化と廃炉、外では除染など事故の処理と復興です(避難者の支援とこの復興が、私の仕事です)。もちろん、検証と責任の所在の解明と、今後への教訓のまとめと対策が必要です。