カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

復興計画の縮小

2015年6月23日   岡本全勝

陸前高田市が、公共施設の整備方針を策定し、公表しました。そこでは、「整備予定施設については、維持管理費の低減を図るため、適切な施設規模に努めるとともに管理業務の効率化に努める」として、従来施設の延床面積が52千m²であったのに対し、新設予定の延床面積は47千m²と、5,5千m²、1割減になっています。また、再整備しない施設として、次のような記述もあります。「廃止する施設:観光交流センター(キャピタルホテル1000)、勤労青少年ホーム等。他の施設を活用する施設:職業訓練校、ふるさとハローワーク等」。
被災自治体では、発災直後は、人口が増えるかのような未来像を描いた計画もありました。しかし、その後、考え直して、現実的な案に縮小しています。もちろん、人口が増えて大きくなる方がよいのですが、具体的道筋や根拠もなく夢を描くと、そのツケを払うのは後輩たちです。運営費は毎年かかるのです。
今回の市長と市民の決断に、敬意を表します。私は、私を含めて、行政の責任者の評価基準の一つは、「10年後、20年後の国民や後輩が、評価してくれるかどうか」だと、考えています。

復興の後期5か年事業枠組み、3県知事説明

2015年6月22日   岡本全勝

今日22日夜、宮城県庁で、復興大臣と被災3県知事との会合を持ちました。18日に与党の了承を得て、19日に3大臣(復興、総務、財務大臣)で確認した「後期5か年事業計画案」を3知事に説明し、理解を得るためです。参加4人の都合を合わせると、今日の20時になりました。復興庁が主催するのですが、被災地に出向くのがよいと考え、仙台に集まっていただきました。そこで夜遅い時間帯ですが、宮城県庁舎の会議室をお借りしました。
NHKニュースで報道されているとおり、3知事からは一部注文が付きましたが、感謝の言葉をいただき、受け入れていただきました。今回の案のポイントは、5年間の事業費を見積もり、その財源を確保したことです。これで、自治体は安心して事業ができます。また、一部の事業に自治体負担を求めますが、自治体が負担できる範囲にとどめ、また事業に遅れが出ないように配慮してあります。もちろん、復興はまだ道半ばです。大臣からは、国として責任を果たすこと、一緒になって復興を成し遂げたいと表明しました。最後は、4人が固い握手をされました。

商店街の本格復旧、こんな支援もしています

2015年6月20日   岡本全勝

大震災直後には、商業サービスを再開し、また働く場を確保するために、仮設の商店や工場を提供しました。これまでにない支援策で、喜んでいただきました。その後、高台移転や土地のかさ上げ工事が進み、町並みの再建が見えてきました。すると、仮設商店から本格的な商店街に移ることになります。自治体にとっても、商店街は町の核となる機能ですから、重要です。
しかし、そのような経験はないので、復興庁職員が関係者と一緒になって、支援策を作り、助言をしています。少々専門的で、資料「商店街復興必携資料集」も難しいのですが、紹介します。現場では、各商店は扱っている商品はもちろん、規模や資力も異なり、計画作りは難しいのです。
また、津波で流されたかつての商店街は、何十年もかかってできあがったものです。そこには、時代とともに、はやり廃れもあったはずです。皆さんの住んでおられる近くの商店街を思い浮かべてください。それを一気に復旧するのは、難しいことがたくさんあります。補助金を出したらできる、といったものではありません。
ところで、世間でステレオタイプ的に思われている公務員像と違い、復興庁の職員は、これまでにない課題に対し、新しい対策を考えるのが好きです。それも、机上の空論ではなく、現場に行って関係者と議論をして考えた案です。みんな能力とやる気のある職員なので、「前例どおり」や「できません」と言うより、新しいことに挑戦するのが好きなのです。私の仕事は、彼らのやる気に火を付けて、さらに油を注ぐこと(このようにホームページで紹介したり。笑い)と、案の実現可能性や成果の確認をすることです。

復興の後期5か年事業計画

2015年6月18日   岡本全勝

今日、自民党と公明党の復興加速化本部で、「後期5か年の事業計画」を説明しました。ポイントは、次の3つです。
1 事業費見込みは、6.5兆円。前期5か年とあわせて、32兆円です。p1。
2 その必要財源。これは財務省が手当してくれました。p2。
3 復興特別会計で行う事業、そのうち地方負担を求めるものの振り分け。これは6月3日に公表したものを、要望を受け少し修正しました。p3。
4 見守り経費なども、継続することとしています。p4。
この案で、自民党、公明党とも、了承いただきました。特に、自民党の加速化本部では、出席議員から感謝の言葉をいただきました。もちろん、被災地で地方負担を求めるのですから、皆さん諸手を挙げての賛成ではありません。知事や議員さんからも、「もっと地方負担を減らして欲しい」との要望を受けています。
竹下復興大臣と考えた結論は、他の県の事業と公平を保つためにも、負担は求める。しかし、被災自治体が負担できる範囲内であること、また計画された事業は遅れを出さずに完成させることでした。
これまでの災害復旧や、同じ事業の他県での負担と比べると、今回の案は、かなり被災地に配慮したものだと考えています。主な事業は全額国費で行い、地方負担を求める場合も通常自治体が負担する額の20分の1にとどめました。6.5兆円の事業費に対して、自治体負担は220億円と推計しています。
それだけ、被害が大きかったのです。他方で、この財源は、国民の負担、所得税にあっては25年間にわたっての増税をお願いしています。納税者にも、説明できるものでなければなりません。
私たちの苦労は、筋を通すことと、被災地の実情に応えること。この2つを両立させることでした。すると、結論だけでなく決着に至までの過程、関係者の理解も重要でした。この後、政府の決定とする手続きと、関係自治体への説明が必要です。

五百旗頭先生の復興評価

2015年6月18日   岡本全勝

6月18日の毎日新聞、五百旗頭真・前復興推進委員長の連載は、「違い見えた復興過程」でした。
・・・福島県の避難指示区域は別として、津波被災地の情景は、3県で通じるものがある。大震災後の5年間を国は「集中復興期間」と称したが、復興がいっこうに本格化しない、遅すぎるのではないか、それが昨年のある時期までの実感であった。ところが、多くの地では昨年中に新しいまちづくりが動きはじめ、「集中復興期間」の最終年度となる今年、東北被災地のまちというまちが大土木工事で雄たけびをあげている・・・
・・・宮城県被災地を訪ねて、あい似た境遇なのに、リーダーシップや復興方針により異なる復興プロセスをたどるケースが少なくないことを知った・・・・・・強い個性的なリーダーが危機の瞬間にいかに貴重か。たとえば福島県相馬市の立谷秀清市長の発災時の応急対応から今日の復興に至るまでの水際立った手腕を見れば、そのことは明らかである。ただ、洞察力豊かなリーダーシップが強引なリーダーシップに転ずる時、逆効果を招く。岩沼市の隣の名取市は・・・
ぜひ、原文をお読みください。