復興計画の縮小

陸前高田市が、公共施設の整備方針を策定し、公表しました。そこでは、「整備予定施設については、維持管理費の低減を図るため、適切な施設規模に努めるとともに管理業務の効率化に努める」として、従来施設の延床面積が52千m²であったのに対し、新設予定の延床面積は47千m²と、5,5千m²、1割減になっています。また、再整備しない施設として、次のような記述もあります。「廃止する施設:観光交流センター(キャピタルホテル1000)、勤労青少年ホーム等。他の施設を活用する施設:職業訓練校、ふるさとハローワーク等」。
被災自治体では、発災直後は、人口が増えるかのような未来像を描いた計画もありました。しかし、その後、考え直して、現実的な案に縮小しています。もちろん、人口が増えて大きくなる方がよいのですが、具体的道筋や根拠もなく夢を描くと、そのツケを払うのは後輩たちです。運営費は毎年かかるのです。
今回の市長と市民の決断に、敬意を表します。私は、私を含めて、行政の責任者の評価基準の一つは、「10年後、20年後の国民や後輩が、評価してくれるかどうか」だと、考えています。