カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

国会というところ

2015年10月5日   岡本全勝
国会がどういうところかは、社会の教科書や憲法の教科書で習われたでしょう。また、両院のHPにも、詳しく載っています。
ここでは、私の目で見た国会を紹介します。本に書いてある制度論でなく、全体像をつかむためのものです。例によって、大胆な割り切りで説明します。正確な「公式」の勉強は、それぞれのHPを見て下さい。衆議院のHP 参議院のHP
法律ができるまでの過程は、「法律ができるまで」に解説してあります。
Ⅰ建物(ハードウエア)関係
に分けてお話しします。この分け方って、なかなか工夫してあるでしょう。
Ⅰハードウエア
1 議事堂
国会というと、あの議事堂を思い浮かべます。でも、それだけではありません。あれは本館で、同じ敷地に「分館」「別館」が建っています。道路を隔てて、敷地外にも「第2別館」があります。
本館の中はどうなっているか。まず、向かって左側が衆議院、右側が参議院です。
(1)会議室のかたまり
で、何があるかというと、会議室があるだけ。議事堂は、会議室の集合体です。国会とは議論をする場所だからです。議員が「執務」をしているわけではありません。それぞれ、本会議場やいくつもの委員会室があります。委員会室はそれだけでは足らないので、衆参それぞれ分館にもいくつかあります。
国会開会中は、国会議員、官僚、報道記者の行き来が激しいですが、閉会中は静まり返っています。見学の生徒さん達を除いては。
(2)各党の控え室
本館の他の部屋は、各会派に割り当てられ、各党が使っています。部屋の入り口には「××党国会対策委員会」「××党政策審議会」などと看板が掛かっています。部屋は、各党の議席数に比例して配分されるとのことです。選挙で議席を減らすと、再配分されるそうです。
(3)国会事務局
その他、両院の議長の部屋や事務局が入っています。速記をする記録部や議事進行を支える委員部などです。これらは、本館だけでなく別館、分館などにも入っています。
(4)その他
報道(記者クラブ)も入っています。国会担当の記者のためには、敷地の南側に道路を隔てて「国会記者会館」があります。
議事堂内には、食堂もいくつかあります。国会図書館の分室もあります。なんと、内科・皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科もあります。
2 国会の中の内閣
(1)閣議室
一般の方には意外でしょうが、国会議事堂の中に、内閣の部屋があります。本館中央奥に、閣議室・内閣総務官室・秘書官室があります。
これらは「本物」が総理官邸にありますが、国会開会中は、閣議が国会内の「閣議室」で開かれるのです。
(2)各省の連絡室
また、参議院の別館の中に、各省の「政府控室」があります。国会側から見ると「政府(総務省)の控室」、総務省の方から見ると「総務課国会連絡室」になります。
国会開会中に大臣が準備をするほか、職員がいて国会の事務局との連絡や議員との連絡に当たっています。総務省の場合は、約10人職員が常駐し、議員からの質問取りや各党・委員会の進行状況を取材し報告してくれます。
「連絡室」はまた、国会開会中の私の「執務室」になります。霞ヶ関の本省からその都度出かけていては大変なので、ここから院内や議員会館へ出かけます。
(3)三権分立
ちなみに、国会の敷地内は国会が管理しています。これは何を意味しているかというと、敷地の中は、内閣の管理にある警察ではなく、国会(両院)の守衛が警備をしています。法律としては、国会法第114条が「国会の会期中・・・内部警察の権は・・・議長が、これを行う」と定めています。三権分立の一つの表れです。
3 別館等
議事堂のところでも述べましたが、本館だけでは足らないので、別館や分館が敷地の内外に建てられています。国会事務局(と職員)の多くは、ここに入っています。
また、敷地の北側に道路を挟んで、国会図書館もあります。ここには、日本で出版されたすべての本が、納められることになっています。私の本も収納されています。雑誌の論文も検索できます。
4 議員会館
議事堂の裏手(西側)に道路を隔てて、3棟の議員会館(7階建)が建っています。南から、衆議院第1議員会館、衆議院第2議員会館、参議院議員会館です。
全議員は、ここにそれぞれ個室を与えられています。議員の国会での準備室・執務室です。議員のほか、秘書がいます。意外と狭いです。一部の議員は、この他に近くの民間ビルに個人の事務所を持っています。
各省の役人が、個別に議員に説明に行くのは、あるいは呼ばれるのは、たいていこの議員会館の部屋です。すなわち、私の「主たる職場」の一つです。私のような役人だけでなく、いろんな説明や陳情やら・・とおぼしき企業の人・地方議員・マスコミなどなどで、しょっちゅうごった返しています。外国の大使館員らしき人も見かけます。
建物には、議員の個室だけでなく、国会事務局の一部、政党の一部(政策審議室など)も入っています、食堂も充実し、売店もあります。
5 院内に入る
(見学)
議員会館は、誰でも受付で手続をすると、要件のある議員の部屋に入ることができます。逆に言うと、それ以外のところには行けないということです。本館は、衆参それぞれに「見学コース」があるので、それを利用すると入れます。
(国会通行証)
政府の役人は、各省に割り当てられた「国会通行証とバッジ」と「身分証明証」を見せることで、入ることができます。一定以上のポストですと、写真入りの通行証が交付されます。これで、議事堂や分館(国会敷地内)にも、入ることができます。
国会議員もあのバッジがないと、議事堂(敷地内)には入れないそうです。国会職員・議員秘書・政党職員・マスコミも、それぞれ形や色の違ったバッジを支給・貸与されます。
(秘密の地下道)
議事堂と分館・別館、さらには議員会館は、地下道でつながっています。議事堂裏の道路の地下に、トンネルがあるのです。雨の日は楽チンです。もちろんバッジがないと通ることはできません。
6議員宿舎
地方の議員のために、議員宿舎(議員のアパート)がいくつかあります。九段、赤坂、高輪などにです。

レインボーハウス、震災遺児孤児の心のケア

2015年10月4日   岡本全勝

先日、岩手県に視察に行きました(9月29日の記事)。その際に、陸前高田市のレインボーハウスに、おじゃましました。
この施設は、昨年できました。レインボーハウスは、親を亡くした子どもたちのケアをしてくださる施設です。あしなが育英会が運営しています。あしなが育英会は交通事故遺児が有名ですが、震災遺児孤児のケアもしてくださっています(仙台、石巻、陸前高田)。財源は寄付金です。

1か月に3日程度、子どもたちが(親も)集まり、職員(お兄さんやお姉さん)が話を聞いたり遊んでくれます。このような施設は、建物を見ても機能はわからず、かといって活動中はおじゃまになります。当然、私の視察した日はお休みの日で、別の用途に活用されていました。

行政でも、遺児孤児には財政支援をし、学校でもカウンセリングをしています。親を亡くした心の傷は大きく、また子どもはそれをうまく伝えることができません。学校には行くが、保健室で過ごす子どももいます。
行政の手が回っていない分野を、NPOが支えてくれています。この子たちの相手をして話を聞くことは、難しいことです。スタッフは専門訓練を受けています。「当時まだ赤ちゃんで、親の死の意味がわからなかった子どもが、4年経ってだんだん意味がわかるようになってくる」という指摘は重かったです。
このような活動を、行政がどのように連携を取り支援協力するか。課題です。学校(教育委員会)は「学校の外のことだ」と言うでしょうし、市長部局には担当組織がないでしょう。

被災地での人手不足

2015年10月4日   岡本全勝

被災地では、人手不足が課題になっています。それにも、いくつかの種類があります。
まず、役場職員が不足しています。他の自治体から応援職員がたくさん入っているのですが、これも限界があります。市町村が任期付き採用で増やしていますが、必要数全員を集めることができません。応募者が少なく、特に建設関係の技術者は企業と取り合いになっています。
次に、医療、介護、保育の現場です。復興が進み、住民が戻ってくるので、これら施設を再開しています。ところが、従業員を確保できないので、施設はあるのに受け入れることができないのです。例えば10月3日の福島民報は、保育園の待機児童が急増したことを伝えています。特に、南相馬市については、次のように書いています。
・・・避難区域を抱える南相馬市は住民の帰還が進む一方で、保育所や保育士の不足が続いていることが影響したとみている。同市では、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で6つの公立保育園のうち、開所しているのは3園のみ。来年度中に1園を再開させる考えだが、担当者は「震災から4年半が過ぎて住民の帰還はさらに加速するとみられ、待機児童は今後も増える可能性がある」と危機感を募らせる・・・
先日、南相馬市長にお会いしたときも、この保育所のほか、老人保健施設や病院の「空きベッド」(ベッドはあるけど、職員不足で受け入れることができない)を訴えておられました。
もう一つ、産業従事者が集まらないのです。被災地では水産加工施設など働く場が復旧し、また野菜工場など新しい産業もできています。ところが、従業員が集まらないのです。通常は、「働く場がないので、過疎になる。だから産業振興や企業誘致をする」です。被災地では、逆のことが起こっています。「外国人労働者を入れよう」という声もあります。それも必要でしょうが、都会に出て行く若者に戻ってきて欲しいです。「若者が戻ってくる魅力ある町つくり」が必要ですが、これは一筋縄ではいきません。

今日は、郡山市

2015年10月3日   岡本全勝

今日は、郡山市へ出張。地域活性化センターと共催で、「地域に飛び出す公務員と地域おこし協力隊・集落支援員・復興支援員の集い」を開きました。そこで、少しお話しするためです。地域おこしを支援する「人の派遣」を、総務省が行っています。地域おこし協力隊、集落支援員。民間人を地方に送り、その経費を地方交付税で支援します。
復興庁でも、生活相談員のほか、復興支援員をこの仕組みを使って送っています。また、ワーク・フォー・東北で専門家を送る仲立ちをしています。
発表者の中に、福島県田村市の避難指示が解除された都路地区で頑張っている2人もいました。今日の会合でも、支援員たちの熱い熱意と、人脈の広さや広げ方に感心しました。田舎の町でよそ者が入って活性化をする。これは、簡単なことではありません。その壁を打ち破っている若い人たちに、エールを送ります。
ところで、今週は岩手県に2日、会津若松市、郡山市と合計4日出張でした。

被災者の健康・生活支援

2015年10月2日   岡本全勝

復興の3本柱の一つが、「被災者生活支援」(被災者の健康支援、コミュニティ再建)です。復興庁の被災者支援班が、頑張っています。インフラ復旧なら国土交通省が、産業復興なら経済産業省や農林水産省が、引き受けてくれます。ところが、健康そのものなら厚生労働省ですが、仮設住宅での孤立防止や、コミュニティ再建については、担当する省がないのです。これは県庁も同じです。さらに、お金を出して発注すればできるもの、でもなく(そんな業界はありません)、手法も手探りです。
地元の人やNPOと、試行錯誤を重ねています。被災者支援に関わる人たちで、情報を共有するために、機関誌(若者用語ではニューズレター)を発行しています。これまでは、「関係者限り」でした。このたび、インターネットでも、バックナンバーも含めて、見ることができるようにしました。「最新号9月30日」、「被災者支援ニュースレター」。ぜひご覧ください。