カテゴリーアーカイブ:歴史遺産

全国避難者数調査

2017年5月31日   岡本全勝

平成29年4月時点の、全国避難者数調査がまとまりました。復興庁発表資料
それによると、総数は9万7千人で、初めて10万人を割りました。当初の避難者数は、推計で47万人でした。6年かけて、ようやくこの数字になりました。しかし、まだ10万人近くの人が、避難しておられます。また、全国で千を越える市町村におられます。
地震津波被害地では、住宅の復興が進んでいるので、この数字は急速に減ると思います。もっとも、原発被災地は別です。

慶應義塾大学、公共政策論第7回目

2017年5月31日   岡本全勝

今日は、慶応大学法学部、公共政策論第7回の授業でした。青柳光昌さんに来ていただいて、NPOの活動について話をしてもらいました。日本のNPOがどれくらいあるかといった「NPO概論」と、どのような活動をしているかの具体例とです。上手なお話しで、私よりずっとわかりやすいです(反省)。

NPOは、社会のさまざまな課題に、率先して取り組んでいます。大震災では、被災者の孤立防止(訪問活動)や、コミュニティの再建支援など。被災地支援から始まった、地域の農水産品をストーリーと一緒に都会の消費者に届ける事業。病気の子どもの保育。発達障害者の雇用支援などの例を、話してもらいました。
また、新しい挑戦としての、ソーシャル・インパクト・ボンドについても。(関係のページ実績の例

学生には、新鮮な話で、興味を持ってもらえたと思います。
行政が取り組まない社会の課題に対して、NPOや社会的企業は、率先して取り組んでいます。
行政だけを話していても、公共政策論にはなりません。学生の反応には、「岡本先生の授業の趣旨が、ようやく分かりました」という答えがいくつかありました。成功ですね。

慶應義塾大学、地方自治論第7回目

2017年5月26日   岡本全勝

今日は、慶応大学で地方自治論の講義。早いもので、もう第7回です。春学期の折り返しです。
そこで、私の授業計画の全体像と、現在どこを話しているかを確認しました。時々立ち止まって、今どのあたりにいるかを確認することは、歩いているとき、仕事をしているとき、本を読んでいるときも重要なことです。

前回の質問への回答として、直営、民間委託、公設民営(上下分離、コンセッション)、分社化(第3セクター)、民営化、民間開放などの違いを説明しました。鉄道、空港でもさまざまな形態が取られていることを、知ってもらいました。
また、行政が行っている事務でも、多くのものが民間委託などが可能であること、例えば駐車違反取り締まり、刑務所の運営などにも導入されていることも。生活に必須のライフライン(上下水道、電気、ガス、通信など)も、多くは民間が担っています。
すると、官が行うのか民が行うのかより、民が行うとして、どのようにして効率化と質の確保をするかが、課題となります。

分権議論でも、ちょうど自治体がハローワークを行えるようになったことを、資料や新聞記事で説明しました。これまで自治体が要望したのに分権が進まなかったのは、「国が統一的に行わなければならない」という理屈です。でも、戸籍の受付や生活保護も自治体が担っています。自治体が基準に沿った職業紹介をできないとは思えないのですが。誰が実行するかと、どのようにして質を担保するかは、別の議論です。

学生諸君への連絡
来週6月2日は、学事日程での補講日です。地方自治論の授業は行いません。

避難指示解除、町長の苦労

2017年5月26日   岡本全勝

5月26日の日経新聞オピニオン欄「私見卓見」に、宮本皓一・福島県富岡町長が「風評払拭が帰還住民を助ける」を書いておられます。
富岡町は、原発事故で、1万5千人の町民が全員避難を余儀なくされました。この春、面積にして約85%の地域で、避難指示が解除されました。しかし、町の暮らしを取り戻すには、まだ時間がかかります。
富岡町は、双葉郡の中心の町です。公共機関や大型商店などが立地し、周辺の町の暮らしも支えていました。この町のにぎわいが復興しないと、郡全体の復興が難しいのです。
町長の苦労は、原文をお読みください。

慶應義塾大学、公共政策論第6回目

2017年5月24日   岡本全勝

今日は、慶応大学法学部で公共政策論の第6回目の授業。予定を少し変えて、社会のリスクと公共の役割を続けています。
個人や家族が困ったとき、自助(個人責任)か、親族や地域の人たちが助けるのか(共助)、政府が助けるのか(公助)。共助の一つの方法として、保険もあります。民間保険と公的保険です。歴史は、個人責任から共助、そして公助へと広がってきた歴史です。
他方で、個人のリスクを分類して、それらが社会のリスクと見なされるようになったことを解説しています。体や財産への「暴力的リスク」、健康や環境などのリスク、社会システムが動かなくなるリスク、人とのつながりが欠けるリスクなど、自然災害や暴力以外のリスクがあること、古典的なリスクに加え、新しい社会のリスクが増えていることをお話ししました。
「公共」とは何か。誰が、それを維持し救うのか。視野を広げることで、行政そしてこれまでの公共政策論が狭かったことが見えてきます。

「新しい社会のリスク」については、かつて連載していたのです。それを活用しています。「社会のリスクの変化と行政の役割」。
官僚として、新しい時代の行政の役割を考え続けてきました。そこで、これまでの勉強を、今回の公共政策論で集大成することになっています。それを狙って、この講義を引き受けたのです。