カテゴリー別アーカイブ: 自治大学校

地方行財政-自治大学校

2010.08.27

今日は、自治大での「政策課題研究」発表会の2日目。学生が選んだ研究テーマは、さまざまです。児童虐待防止、ソーシャル・ビジネス支援といった地域の新しい課題から、国・県・市町村の権限再配分方法といった分権のあり方まであります。地域振興も多く、日帰りで帰る観光客をどうしたら1泊させることができるかや、今流行のキャラクターを使った地域振興もありました。
このような研究成果=政策提言の出来具合も重要な成果であり、学校からすると評価の要素ですが、私は、それとともにもっと重要な成果があると考えています。
それは、この研究のプロセスです。課題を見つけ、現地を調査し、解決策を立案し、発表資料を作って、発表する。それも、考え方が違う職員が、一緒になって取りまとめる。この過程が、重要なのです。この反対は、言われたことをする、言われた通りにする、課題があっても知らんふりをする、どこかのモデルを探してきてそのまねをする、批判はするが自分では代案を出さない・・などです。これまでの地方公務員は、これでもすみました。これからは、課題は地域から発生するのであり、見つけるのも地方公務員です。そして、解決策は、自分たちで考えなければなりません。横へ倣えは、できないのです。
そして、「明るい係長講座」にも書きましたが、公務員の多くは、資料を作ったり、人に説明することは不得手です。記者会見も。もちろん、経験が少ないからまだ下手だ、という理由もわかります。でも、優秀な管理職には、必要な能力です。自治大は、幹部候補生養成学校なので、それらの知識と技術を提供するだけでなく、模擬訓練で身につけてもらうのです。

政策課題研究

今日から、自治大学校では、第1部課程学生の「政策課題研究」発表会が、始まりました。自治大では、座学のほかに、演習を重視しています。
特にこの政策課題研究は、その中でも、もっとも高度なものです。5人程度の班を編制し、地方の現場での課題を取り上げ、その解決のための政策提言をするものです。学生は、4月に入校以来、5か月をかけて、課題の設定、現地調査、政策の立案、実現可能性の確認などを行い、今日の発表会に至っています。自分で考え、班で議論し、実現可能性などを多角的に検討しなければなりません。
発表会では、同僚学生による質疑のほか、大森弥東大名誉教授、宮島勝東工大名誉教授ほか、本学で講師を勤めていただいている先生方からの、質問や講評もあります。なかなか厳しいものです。

税務専門課程

今日は自治大学校で、税務専門課程徴収事務コースの入校式がありました。文字通り、地方税の徴収事務の専門課程です。全国の都道府県・市町村から、101人の税務職員=学生が入校しました。これから1ヶ月半、みっちりと専門研修を受けます。もっとも、すでに1か月以上の事前研修を済ませて、入校しているのですが。この課程では、授業方法にかなりの工夫をしています。
1 専門講師による講義(これは通常)
2 講義中に随時課題が出され、グループで検討する授業(講義・演習一体型)。学生はグループに分かれて、座っています。
3 事前に課題を与え、個人で検討した後、グループで検討。その結果をレポートにまとめて提出し、それを元に講師が講義をする授業(講義・演習分離型)
4 納税交渉や財産調査の事案について、行政側と納税者側に分かれての、ロールプレイング型授業
5 各人が持ち寄った、現状と課題などを元に、グループでおこなう討議・情報交換授業
といった、実践型の授業を行っています。税の徴収にあっては、滞納者に対する交渉、財産の調査、差し押さえなど、難しい場面が多いのです。
また、今日は校長講話を変更して、総務省自治税務局青木企画課長に、講義をお願いしました。講義を終えた青木課長からは「今日の学生さんたちは、真剣さが違いますね」と、おほめの言葉を頂きました。ありがとうございました。
防後教務部長、担当の松崎君、ご苦労様です。

2010.08.06

今日は、地域経営コースの卒業式。男性はスーツを着てネクタイを締め、女性もそれにふさわしい服装です。学生代表謝辞の際に、代表者が、なかなか良い謝辞を述べました。式が終わって見送る際に、彼が「校長の講話を謝辞に盛り込みましたが、わかりましたか」と言ったので、「もちろん」と答えました。私の言いたかったことが、このように吸収反映されると、うれしいですね。

地域経営コース

今日は、地域経営コース講師に、持田信樹東大教授をお迎えしました。私も、講義を聴きたかったのですが、何かと仕事があり、断念。じっくりお話しできるのは久しぶりでしたので、講義終了後、校長室でしばし意見交換。先生は、経済学部の副研究科長も勤めておられ、多忙です。夏休みの間に来ていただき、恐縮です(持田先生がお書きになった、現在日本の財政学の標準的教科書は、こちら)。
昨日は、小西砂千夫関学教授に、来ていただきました。これまた、じっくりと、意見交換。小生が総理秘書官になって以来、不義理をしているものですから(かつての二人の姿は、こちら)。先週は、若田部昌澄早稲田大学教授に来ていただきました。その他にも、著名な講師をお迎えしているのですが、小生の都合が付かず、ご挨拶できていません。申し訳ありません。
自治大学校の良いところの一つは、日本で一流の講師が来てくださることです。ありがたいことです。先生方も、「この学生たちなら、話がしやすい。やりがいがある」と言ってくださいます。
私にも、思い当たるところがあります。先日、校長講話をしました。私は、講演や講義をする際には、「観客」の関心事項とそのテーマに関する知識水準を調べてから、講演を始めます。だって、いくら良い内容を話しても、相手に関心がなかったら、評価は悪いですから。ことわざに曰く「人(にん)見て法を説け」。
自治大での初講義では、ほぼ初対面の学生たちに、単刀直入に話題に入りました。どの程度食いついてくるかを、見てみたかったのです。すると、みんながそのまま食いついてきてくれたので、どんどん講義内容のレベルを上げました。こういう時は、うれしいですね。それで、10分間も時間を超過しました。反省。