今回の復興に際して、新しく作った制度として「復興交付金」があります。自治体の公共施設が災害を受けた際は、復旧工事を支援する国庫負担金があります。被害が大きく、自治体が負担できないことがあるからです。国が「保険」の機能を果たしているのです。しかし、災害復旧負担金は、被害を受けた施設を元に戻すことしか面倒をみません。「復旧」なのです。そこで、学校や病院を高台に移転して復旧する(復興する)ことや、街並みの高台移転工事のために、「復興交付金」を作りました。国が経費の大半を支援し、残りは復興特別交付税で支援します。
さらに、そのような「基幹事業」にあわせて、付随する事業を実施できるように「効果促進事業」という補助金も作りました。大きな金額を用意しているのですが、自治体では、まだ十分に活用してもらっていません。これまでは、自治体も復旧事業と基幹事業を発注するので精一杯という事情もありました。しかし、高台移転の工事などが進むと、まちづくりのために、様々な事業が必要になります。例えばそこまでの取り付け道路が必要だとか。そこで、効果促進事業交付金を、どのような事業に使えるか、先行事例を参考に例示しました。「効果促進事業の活用パッケージ」です。
事例をみていただくと、「なるほど、こんな事業も必要になるなあ」というのが、並んでいます。例えば、公営住宅にコミュニティ集会所を作ること、防災集団移転元地の活用など。工事の進捗状況を市民に情報提供することや、公共施設をつくる際の維持管理費の推計作業(それによって、施設規模を縮小しています)にも使ってもらっています。この効果促進交付金は、かゆいところに手が届く「画期的な制度」だと思います。また、現地の実情に応じて、このように使いよいように進化させています。復興交付金制度は、財務省から出向してきた職員が中心になって作ってくれた「傑作」です(関係資料)。
カテゴリーアーカイブ:災害復興
こんなことも起きます、仮設住宅の不適正利用
6月23日の岩手日報が、「居住実態のない仮設40戸。大船渡市、退去求める方針」を伝えています。
・・・大船渡市は22日の市議会本会議で、倉庫代わりに利用するなど居住実態のない仮設住宅が約40戸あると明らかにした。仮設住宅の集約と土地の明け渡しに支障が生じかねず、市は個別に訪問して退去を求める。最終的には法的措置も含めて検討する方針だ。
市は昨年6月、居住実態のない仮設住宅は約70戸とみられると公表。その後、仮設住宅の自治会、支援員からの情報や職員の訪問などで実態把握や退去の呼び掛けを進め、退去戸数を精査した・・・
残念なことですが、このような人もいます。すると、市役所の職員の仕事が増えます。
復興の後期5か年事業枠組み決定
今日夕刻、官邸で復興推進会議(全閣僚会合)を開いて、「復興の後期5か年事業枠組み」を決定しました(資料。NHKニュース)。このページで実況中継していたように、与党の了承、3大臣会合、そして3県知事への説明を経て、今日の決定になりました。5か年間の事業量を見通し、その財源を確保する。これまでにない仕組みです。これで、被災地も安心して事業を進めることができます。総理も、その点を強調しておられます。関係者の皆さんに、感謝します。
会議にあわせて、「復興の現状」、「取り組みと関連諸制度」も更新しました。最も簡単な2枚「道のりと見通し」も最新版にしました。ご利用ください。
一息つくまもなく、復興庁職員は平成28年度の予算要求のために、関係自治体と調整作業に入ります。
復興計画の縮小
陸前高田市が、公共施設の整備方針を策定し、公表しました。そこでは、「整備予定施設については、維持管理費の低減を図るため、適切な施設規模に努めるとともに管理業務の効率化に努める」として、従来施設の延床面積が52千m²であったのに対し、新設予定の延床面積は47千m²と、5,5千m²、1割減になっています。また、再整備しない施設として、次のような記述もあります。「廃止する施設:観光交流センター(キャピタルホテル1000)、勤労青少年ホーム等。他の施設を活用する施設:職業訓練校、ふるさとハローワーク等」。
被災自治体では、発災直後は、人口が増えるかのような未来像を描いた計画もありました。しかし、その後、考え直して、現実的な案に縮小しています。もちろん、人口が増えて大きくなる方がよいのですが、具体的道筋や根拠もなく夢を描くと、そのツケを払うのは後輩たちです。運営費は毎年かかるのです。
今回の市長と市民の決断に、敬意を表します。私は、私を含めて、行政の責任者の評価基準の一つは、「10年後、20年後の国民や後輩が、評価してくれるかどうか」だと、考えています。
復興の後期5か年事業枠組み、3県知事説明
今日22日夜、宮城県庁で、復興大臣と被災3県知事との会合を持ちました。18日に与党の了承を得て、19日に3大臣(復興、総務、財務大臣)で確認した「後期5か年事業計画案」を3知事に説明し、理解を得るためです。参加4人の都合を合わせると、今日の20時になりました。復興庁が主催するのですが、被災地に出向くのがよいと考え、仙台に集まっていただきました。そこで夜遅い時間帯ですが、宮城県庁舎の会議室をお借りしました。
NHKニュースで報道されているとおり、3知事からは一部注文が付きましたが、感謝の言葉をいただき、受け入れていただきました。今回の案のポイントは、5年間の事業費を見積もり、その財源を確保したことです。これで、自治体は安心して事業ができます。また、一部の事業に自治体負担を求めますが、自治体が負担できる範囲にとどめ、また事業に遅れが出ないように配慮してあります。もちろん、復興はまだ道半ばです。大臣からは、国として責任を果たすこと、一緒になって復興を成し遂げたいと表明しました。最後は、4人が固い握手をされました。